半神は、虚神と対決する
「「融合」」
その声が響くと同時、対神達から神力が嵐の様に吹き荒れ、敗神領域に罅が入る。
少しして敗神領域は粉微塵に破壊される。
そして、対神が......
否、別のナニカがその姿を表す。
「初めまして…と、言うべきかな?
俺は、勝利の体現者、揺蕩う虚構、儚き幻影、
絶対なる勝利神。
カルワ・フォン・エリザードだ。宜しく」
正に鏡写し、正に瓜二つ。
忌避感すら感じる程に同じ。
だが、絶対に、自分では無い。
「全一様に俺とは正反対のスキルを与えられたもう一つの俺…か?」
「大正解!いやぁ、さすがは俺だね」
「黙れ、お前は俺では無い。
俺に似た誰かだ」
「おいおい、そんな事を言うなよ…殺したくなる」
世界すらも震える程の殺気が闘いを再開させる。
先手を取ったのは勝利神。敗北領域を消しとばし自らの領域を展開する。
「展開、勝神領域」
すぐさまカルワも神域を展開し直そうとするも…
「遅いよ」
先程の腹いせかカルワと全く同じ手法を使い、
カルワを目の前に出現させる。と同時に権能で攻撃。
「絶対なる勝利神、無勝」
「絶対なる敗北神、必敗!」
慌てて生み出した権能で相殺し、事無きを得る。
素早く距離を取り、体勢を立て直す。
「フゥ、やっぱり権能で決着をつけるのは難しいね」
共に正反対の権能。
なればこそ、性質を反転させれば相手と同じ事ができる。
相手から勝利を無くせば敗北させられ、自分から敗北を無くせば勝利できる。
永久機関の様に、
メビウスの輪の様に、
どこまで行っても終わりは無い。
無限にして永遠の闘い、勝敗を決するのは…
「じゃあ根比べだね。どっちが先に音をあげるか。
どっちの心が先に折れるか」
「神にもなって根比べか......程度が低いな」
「全くだね」
精神と魂の強さだ。
お互いの体から神力が吹き出し具現化する。
勝利神は無数の赤い触手が背中から生え、敗北神は無数の青い球体を自分の周りに漂わせる。
「気色悪いな、それ」
「まぁ、見た目はあれだけど…結構強いんだよ?」
言うや否や先程の対神とは比べ物にならない速度で
触手がカルワに伸びる。
その先端が到達する前に球体同士が結合し盾となり、攻撃を防ぐ。
「まだ喋ってる最中だろ?」
苛立ちを込め残っている球体から一斉に光線を放つ。
しかし、相手も触手を盾にして危なげなく防ぐ。
「…因みにそれ本気?」
「まさか。それにお前もだろう?」
「だね。じゃあもう肩慣らしはいいかな?」
「あぁ、早くお前を殺してパンケーキを食べるんだ」
「俺もパンケーキ食べたいね」
触手は増殖しより太く、球体はその数をさらに増やす。
「「さぁ、始めよう」」
神闘分かりにくかったらすみません。m(__)m
神域のイメージは陣取りゲームです。