カルワは、咲宵とデートに行く 中編
生存報告!
「で?今日はどこに行くんだ?」
「ふっふっふっ......じゃじゃーん!」
そう言って咲宵が出したのは『ハロウィンパーティー』のチラシだった。
「へぇ、聞いたことのない祭りだな」
「そりゃそうや。なんせウチが考えて今回が初めての開催やからな」
「......え?この企画咲宵が考えたのか?
本当に凄いな」
「ま、まぁ?ウチくらいになればそんぐらい余裕やけどな」
顔を背けるも赤くなった耳は隠せていない。
追い打ちをかける様に言葉を発する。
「素直じゃないなぁ。まぁ、咲宵のそういう所も良いんだけどな」
「ッ!?ア、アホなこと言ってんとはよ行くで!!」
「はいはい」
「はいは一回!あとその微笑ましい顔止め!」
「照れた咲宵も可愛いぞ?」
「......ァ、ァホォ......そんなはっきり可愛いとか......」
意地悪はこの辺りにしておくか。
俺はチラシに書いてある場所に転移した。
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「いやぁ、あぶねーなぁ。
あとちょっと逃げるのが遅れてたら魂食われてたぜ?」
「本当にな」
その声は屋根の上から聞こえてきた。
なんと、声の主は殺されたはずのチンピラたちだ。
それもそのはず。彼らは煉獄神の配下であり、対神用に創られた存在だった。
次元は四次元に満たないものの神からの干渉の一部を撥ね退ける能力を持つ。
「しっかし、あいつ......神っつっても出来損ないだろ?
煉獄神様なら殺れんじゃねぇの?」
「あん?聞いてなかったのか?あの方に止められてるんだよ。
もうすぐ産まれるモンスターと戦わせるらしい」
「あぁ......成る程な。
でもよぉ、そんな産まれたばっかりの存在に仮にも神が殺されるのか?」
「なんか特殊なスキルで次元跨いで攻撃出切るようにするようだ」
「ほえー、流石はあの方だな」
「全くだ。それよりも今回の任務を忘れて無いだろうな?」
「ん?たしか四肢を一本もぐ......だったよな?」
「覚えているなら良い。行くぞ」
「ヘイヘイヘーイ」
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ここが会場か。
光っているオレンジ色の何か。浮いている丸い何か。
ほぼほぼ全員が仮装している。
「ほら仮装しにいくで?」
と言って手を繋いで引っ張られ、
『レンタルコスプレ屋』という店に入った。
「いらっしゃいまーー
てててて帝王陛下!?それに咲宵殿下!!
こ、この度はご来店ありがとうございます!!」
「仮装したいんやけどなんかオススメある?」
「わ、私如きのオススメなど......」
「いや、この道のプロである貴女に選んで貰いたいんだ」
(ええええええ!?私只の店番なのに帝王陛下と咲宵殿下の衣装考えるなんて
恐れ多過ぎて出来ないよぉ......こんな時に限って店長いないし......
でも待たせるのも失礼だし......あぁぁ、八方塞がりだよぉ)
「わ、分かりました!全身全霊で選ばせて頂きます!!」
果たしてカルワ達はどんな仮装をする事になるのだろうか......
ぼちぼち投稿していきます