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カルワは、神殺しの力を手にする


【…心が折れたか。なら人質も不要だな】


今度はノーモーションでカルワの母親を消し去った。そして、聖精神は何かを納得した様に頷く。


【成る程…これが神の力。自らより低次元の存在を完全に支配下におく。もう一つは…低次元存在からの干渉不可…】


女性陣はと言うと、アウローラは気絶しケシャナと咲宵は、カルワと同じ様に言葉が出なかった。目の前で自らのよく知る者が死んだのだ。15やそこらの娘に耐えられるものでは無い。


「イ…ブ……?何で…何で動かないんだよ…悪い冗談は…止めてくれよ…ハハ…なぁ…イブ…?いつもみたいに笑ってくれよ…ケシャナと一緒に俺を揶揄からかって…あ、あれ?何で視界が…滲んで……イブ?雨がかかってるぞ?…全く仕方ないな…俺が…拭いて…何で、拭いても拭いても無くならないんだよ…」


空気も読まずに聖精神は無粋な意思を発する。


【これが美しき愛と言うモノか。素晴らしい素晴らしい…素晴らしく馬鹿らしいな。現実を直視出来ない様なら我が教えてやろうか?貴様が抱いている娘はもう死んでいる。HPを見れば分かるだろう。貴様を庇って死んだのだよ】


聖精神の言葉を無視し、カルワはイブに呼びかける。


「イブ…「だ…んな…ま?」ッ!?イブ!やっと起きたのか!」


【フム?…あぁ、恩寵を消費してHPに還元しているのか…まあそれが尽きるのもも時間の問題だがな】


「き…いて…私は…もうすぐ死ぬ。

これ…は仮初の…命。最期に、言いたい事を…言うね?


旦那…様、私と出逢ってくれてありがとう。

私と…遊んでくれてありがとう。

私に…告白してくれて、ありがとう。

私と…一緒に生きてくれてありがとう!


私は…旦那様の幸せを望んでいます。

もしも…私の死に引きずられて、他のお嫁さんを不幸に何てしたら…死んでも怒るからね?


あと…皆んなに伝えてくれる?

私は…幸せだったって」


涙が溢れて滲む視界の中、イブの笑顔だけが輝いて見えた。


「ゔん…絶対伝える!約束だ!」


「フフ…あり…と…………


言い切る前にイブの体から力が抜けた。心なしか軽くなったのはイブの魂が抜けたのだろうか…


【これが感動物語と言う物か…こう言う時は涙を流して拍手喝采を浴びせブラボーと言うのか?】


「…だ…れ」


【ウン?聞こえないなもう一度「黙れ…と言ったんだ」


【全くそれが神に対する言動か…不届き者めが。消え…待て、何故貴様はそれを身につけている?】


初めて聖精神が動揺を表した。

それはカルワの纏う布から『黒』が吹き出したからだ。


[装着者の一定以上の負の感情を感知。

伏せ字が解除され◼️◼️は暗黒へと変化しました。

暗黒神による使用制限を確認。暗黒神による許可を待機中…]


「許可する」


その言葉はカルワが蹴破った扉の方から聞こえてきた。その言葉を放った者は…




神夜絶魔…の体を依代とした暗黒神グラシャラボラスである。

かつて刀神により封印されたが神夜絶魔の大量殺戮により力が戻り神夜絶魔に憑依したのだ。


【カハッ…何だその力は…神へと至った我を遥かに凌駕している…だと?】


この時聖精神の脳裏に浮かんだ言葉は逃走である。

逆立ちしても暗黒神には勝てないと理解してしまったのだ。だが…


「あるお方から借りていてな。

…それより逃げるなよ?」


心を読まれた!?と思ったと同時に、暗黒神から逃走すると言う選択肢は消えた。


「今回は俺は手を出さない。安心しろ」


その言葉を聞き我は一時いっとき安心したが状況は微塵も改善していない事に気付く。


先程奴から吹き出していた黒は形を作り質量を持ちつつある。

そして、感じる。()()()()()()()()()()()()を。


そもそもアレは奴の記憶から完全に消し去った筈。何故アレを纏っているのか理解が出来ない。


だが、このまま対処しないでいると滅ぼされるのも事実。

女共を人質に取ろうと思った矢先、奴が暗黒を使い守る。聖光を当ててもビクともしない。


刹那、危険を予知した我は身を翻す。

しかし、超高速で飛来したソレを完全に躱す事は出来ず。右腕を切断される。


あまりの激痛に叫びをあげそうになるが、そんな暇は無いと我はソレを観察する。


闇よりも黒く底無しの様な暗黒を鎧の様に纏い、手にはいつの間にか回収した奴の剣が握られている。その剣もまた暗黒に包まれている。


「お前は…絶対に!許さねぇ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」




最後の闘いが今ここに始まる…!

またブクマが増えてました…

本当にありがとうございます!


気力があれば今日中にもう1話書かせて頂きます!

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