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悪役令嬢は死にたくない。〜目指せ、完全無欠のハッピーエンド〜  作者: さびねこ。
第二章 悪役令嬢マリア(6)
28/67

夜10時とホットミルク

食べ物の名前が続いてますが、グルメ小説ではありません


 

  その夜、マリアは自室で一冊のノートを開いていた。それは転生した時に書き取った、『フロスピ』の内容をまとめたものである。


「ついに来たわね……攻略対象一人目……!」


  そう。ニコラス=セイントベールは、『フロスピ』の攻略対象である。


  乙女ゲームあるあるだが、攻略対象である彼らはそれぞれ闇を抱えていた。ニコラスの闇は幼少期の毒殺事件である。


  ゲームでのニコラスは王子と婚約した義妹に代わり、セイントベール家の当主となるため貰われてきた。当主になるという使命感と義務感から、いつか家が決めた相手と結婚するつもりであるため、自分の欲を制御・抑制している設定だ。

  また、マリアがブラコンで義兄を自分のモノのように扱うためその束縛からも解放しつつその自制心をほぐしガードを取り外すことで攻略しないといけない。


  ゲームのニコラスは明るく快活な性格のわりに細く華奢な青年だった。そこでヒロインに出会い、ヒロインの作る菓子や料理を食べてどんどん体力をつけていくのと同時に剣の腕も上げていくのだ。最終的には剣王と呼ばれるほどの騎士となり、ヒロインと結婚するまでがニコラスルートだった。マリアはヒロインが義姉になるのが許せず犯罪レベルの嫌がらせを行い断罪されて死ぬ。


  ちなみに、ニコラスルートはマリアとヒロインが和解し友人関係になる唯一の道だが、マリアは結婚式で得体の知れない連中から襲われた兄夫婦を守って死ぬ。断罪されなくても死ぬという、悪役キャラの真髄を見せられた気がした。


「けど、ニコラスがヒロインに惚れるシナリオは修正できたはず……」


  二人の出会いは、マリアに虐められていたヒロインをニコラスが助けることから始まる。そのお礼としてヒロインがニコラスに手作りの弁当を渡し、何故か食べる気になったニコラスが食べたことで、その美味しさに惚れる。まさに胃袋を掴まれるというやつだ。

  しかし、マリアたちが食事をさせたことで拒食が改善されるはずである。その上正当な跡継ぎであるユリウスは生きているから、ニコラスに負担はないし騎士になる選択も応援できる。もうニコラスルートを潰したと言っても過言ではない。


「ヒロインとくっつかせてあげられないのは申し訳ないけど……もっといい人見つけるから!」


  ぐっと拳を握り、決意を固める。

  もし好きな人ができたら全力で応援しよう。そりゃもう公爵家の全権力でもって応援しよう。独身がいいならそれでもいいし、女の子以外が好きなら国を征服してでも認めさせよう。


「お嬢様、お呼びですか?」


  ノックとともに部屋を訪れたのは、夕食後に呼んだララちゃんだった。13歳になった彼女は少し背が伸びて、さらに可憐になった。この前、買出しに行った街で花屋の売り子少年に告白されていたと使用人のあいだで噂だ。そんなララちゃんは最近、めきめきとその優秀さが頭角を表し始めた。


「ララちゃん、お父様にお願いして、お義兄様の事件の資料を集めてもらえる? あと、レグリオン家に恨みを持つ者、レグリオン家がなくなることで得をするもの、それとレグリオン当主個人の関係者をリストアップして欲しいの」

「かしこまりました」

「難しいと思うけど、よろしくね」


  すっと頭を下げて、ララちゃんが静かにドアノブに手をかけた。

  実はララちゃん、隠密行動が大得意だった。一年前のバタバタしたアレは何だったのかと言いたくなるが、一度私たちとかくれんぼした時、まっったく見つからなかったのが楽しかったらしい。

  それからはどうやったら潜入できるかとか、スパイ的な行動を片っ端から試して今じゃもう忍者みたいになっている。才能はどこから発掘できるか分からないものである。


  マリアのお願いに満足そうに頷いたララちゃんが部屋を出ていき、部屋にはマリアと寝る前のホットミルクを持ったリンが残された。


「ぷはぁ、やっぱりホットミルクは落ち着くねぇ」

「ふふ、リンったら。ヒゲができてるわよ」


  口元に出来たミルクのヒゲを拭ってやると、リンはふふんと不敵に笑った。


「なによ?」

「別に? マリアがまた意味不明な事言ってるなーって思っただけ」

「いつも思うけど、詳しく聞こうとか思わないの?」

「僕は先生で君は生徒。質問するのはマリアの方だよ? 僕は妖精だもの。面白いことにしか興味がわかないよ」

「そういうものなの?」

「そういうもんだよ。まあ、君が助けて欲しいときは絶対助けてあげるけど」


  それきりリンはピタリと黙ってしまった。少し残っていたミルクを飲み干して、「おやすみ〜」とひとつあくびを零しながら、マリアが作ったカゴベッドに潜り込む。

  傍から見ればドライだろうが、マリアにとってリンのこのスタンスは救いだった。きっとずっと年上であろうリンの配慮に感謝しながら、マリアもふかふかの布団に体を沈めた。

コメント読みましたー!報告ありがとうございます、修正しました!他のところは直してあったのですが見落としていたみたいです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )いつも誤字報告助かっております。

これからも評価、ブクマ、感想よろしくお願いします((*_ _)

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