イタズラ大好き!
ボクはイタズラが大好き!
ボクはもう、イタズラをするために生きているようなものだ。
人間にイタズラするのがすっごく楽しい。
でも、人間のこと嫌いなわけじゃないんだよ。
むしろ、ボクは人間が大好き!
人間の生活を見てても、「人間になりたいなぁ…」って思っちゃう。
ボクが人間にイタズラしてるのは、もっともっと人間にボクのことを知ってほしいから。
もっともっと人間と仲良くなりたいから。
…………それと、大好きなく~にゃんにもボクのことを見てほしいから。
でも、みんな振り向いてくれないんだよね…
むしろ、人間には煙たがられてる。
今日も、人間の世界を冒険しに行ってきた。
今日は駅前に住んでる、たかしくんのお家に遊びに行ってきた。
「コラ!たかし!!また散らかしてー…ダメじゃないの?ちゃんと片付けなさい!」
「うわーーーん(泣)僕がやったんじゃないよーーー!野良猫が入ってきて散らかしたんだよー!僕じゃないよぉ…うわーーーん(泣)」
人間の年齢で5歳のたかしくん。
最近、反抗期みたいだね。
でも、野良猫が散らかしたというのはホント。
ボクがたかしくんの部屋を散らかしてあげた。
たかしくんも大好きだからね。でもたかしくんはボクのことを嫌っている。
ボクはもう一度たかしくんの家に遊びにいった。だけど、たかしくんの家には鍵がかけられてて、入ることはできなかった。
その後、いつまでたってもたかしくんの家には入れなかった。
また遊び場をひとつ失った。
でもそんなことはボクたち野良猫にはよくあること。遊び場が無くなったらまた探せばいい。
次の遊び場はどこにしよう…と作戦を練っていたところに、あの子の姿が目に入った。
く~にゃんだ!
「く~にゃん!!」
声をかけようとしたが、できなかった。
く~にゃんは、住人の女の子と、執事のおじちゃんと一緒に車に乗って行ってしまった。
く~にゃんの家に行ってみたい!
く~にゃんの家って、どんな感じなんだろ?
ますますボクはく~にゃんのことが知りたくなってきた。
「ほ~れ、お腹減っとるだろ?これ、食べな!」
肉屋のおばあちゃんがまたやってきて、売れ残りのお肉をボクにくれた。
おばあちゃんはホントに暖かい。
人間に煙たがられても、く~にゃんにソッポ向かれても、おばあちゃんのお肉があれば元気になれる。
「今度はく~にゃんの家に遊びにいこ!」
ボクはいつしか、く~にゃんの家にどうしたら入れるのか………そればかり考えていた。