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異世界人事物語  作者: あかさたな
6/7

説明会準備 研究部門

面倒なお土産をつれて帰ってきたアイリーン。

だが来てしまったものは仕方ないと応対するとペラリと一枚の紙を提出されて本人はこれが説明会の台本といっている。

そしてアイリーンにお茶を出してもらって俺はその説明会の台本を読んでいた。


[明日とは明日のものである]

[過去とは未来である]

[神が人に与えたものは覆せる]


これら3問について疑問を持たず回答できる者を求む。

理解出来る者は常識というしがらみを取り払ってやる、対価に知能の果てまで絞り尽くせ。


「どうです?人事部長さんなら理解できますか?」

一枚の紙を隔てて研究部門長が俺を見ている。相手の顔は見えないがそうわかる。

「ヒントを貰ってもいいか?」

「んー、まあ他部門だし仕方ないですね、一つだけね?」

「研究部門長は何歳ですか?」

紙の向こうで研究部門長の雰囲気が変わって笑った気がした。

「数えてないね」

一度紙から目を離し研究部門長を見る。

見た目は幼子のように小さく可愛らしい。

今は少女の姿だが元の性別がわからない。

大人、もしかしたら老人かもしれないこの人が今こうあるということは……

「内容は[時を越える研究をしている、私はその体現者だ。ついてこれるならしがらみを取り払ってやるからその頭脳を尽くせ]ってとこか?」

「いいね!いいね!うんうん。その通りだね。多少の食い違いはあるけれど他部門でそこまで理解してくれるなら合格点だね!」

とってもニコニコとした笑顔で実に嬉しそうだ。言葉使いも変わってはしゃいでるようにも見える。

「よくわかりましたねこれ、そもそも3問って言っておきながら問題じゃないじゃないですか」

「アイリーンはわかんなかったんだな」

「そういうもの。天使ですら理解できないとは思わなかったけど他の部門長と同じだね。わからない人にはこのメッセージはわからないのね。ちょっと目の前にあるものに気をとられて正解が真正面にいるのにわからない」

愚かだねーと椅子に身体を預けふうと上を向く。

見た目は少女だがこうしたところにふと疲れ?嘆き?なような何かを感じる。

「あー、そこの天使。アイリーンだっけね?前任のこと話した?」

それまで興味を示さなかったアイリーンのほうを向き前任のことについて聞いた。その事は俺も聞いたが様子が俺の時とは違って表情が緊張している。

「まだです、ですがいつか時が来たら話そうと思います」

その答えにふーんと冷めた目を送る研究部門長。

「あっそ、私が喋ってもいい?」

「………まだ本格的に活動を始めたばかりですし早いと思います」

「まあこの時期に無能になられても困るか。面倒だね?似たような立場だからわかるよ」

「さっきから二人で何の話してるんだ?」

「それを知るには早そうだからね。でも知りたかったら私のとこに来てね、君は気に入ったからいつでもアポなしで会ってあげるから忘れないでね。説明会の残りはそっちに一任する」

それだけを言うとぐいっとお茶を飲み干し部屋から出ていった。



「前任のやつに何かあったのか?」

「もうお察しですしはっきりと言えばありました。何がどうしてというところまではまだ教えられません。まずは説明会を頑張りましょう」

触れられたくないとこを触れられたような苦々しい顔を隠しきれていない。素直な性格な奴だから悪意があるというわけじゃねえんだろうが………

「まだわからないこともあります。何せ先代は100年200年と昔の話ですから。今と昔とでは人も違いますしあまり不安にさせたくないんです。様子見の意味も含めて始めはアドバイスしないで頑張って欲しいと思ったんです。信じてください」

そう言われたら信じるしかない。男は美少女には弱いんだ。

「信じる、信じるから説明会終わったら聞かせてくれよ?」

その言葉に安心したかのようにアイリーンは表情を崩した。


「なあ、もしかしたらその100年200年前から研究部門長って」

「いますね、本当彼人間おかしいですよ。気に入られてるうちは頼もしいですが」

「でも研究部門長って他の部門から嫌われてるよな?」

そんなとこと仲良くして他の部門が黙ってるのだろうか

「神官長と文化・教育部門長が怪しいですね。経済部門や兵力部門・外交部門は研究部門の開発品を利用していることもあってそこまで嫌ってはいません」

人間関係って疲れるし面倒くさいなぁ。あー、ゲームみたいに両方の好感度上げれねえもんかなあ。

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