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異世界人事物語  作者: あかさたな
5/7

ギャップ

この世界に来てから2週間程度が経過した。

雑務もこなしいよいよそれらしい仕事が始まる。

「まずは人材の整理からですね。今までは各部門の裁量で雇う雇わないが決まってました。まあそれで問題が起こらないわけはなく」


・最新の研究という言葉に惹かれたけどいざ入ってみたら無茶ぷりばかり、しかも出来ないと査定が下がる。

・神官長様が神に仕える意思ある人をみんな雇うから給与が他部門の人よりとても少ないです。また、慈善活動の労働時間も長いです。

・まるで部門長の臣下にでもなったかのようだ。私は部下ではあるが公私問わず仕える義務まではない。

・部門長の方針に異議を唱えた同僚がクビになった。国の教育が彼女の視点一つで行われることに働きながら納得がいかない


過去に行われた自由記述のアンケート資料に目を通していく。

「それぞれ部門長の性格が難ありなのに所属するまでわからないのがなあ。理想と現実の差に苦しむやつもいるだろうよ」

「なので入ってすぐに辞めたり異同願いが定期的に出たりで余計な仕事が増えてます。もっと言えば計算を一々調節しないといけない経済部門は特にイライラしてますよ」

「評価の徹底って雇うか雇わないかのことでもあったのか」

「はい。曰く「別に宮仕え以外にも仕事は沢山あるから落とした人のことは考えないでいいわ。それより失業率をどうにかして、宮仕え落ちしたほうが腑抜けるのよ」とのことです」

「あー、なんか聞いたことあるな。仕事に嫌気が刺して仕事探してた時よりもモチベーション下がるんたっけ?こっちの世界の雑誌に載ってたな」

「はい、そしてパン屋の売れ残りなどを格安で買い取りそうした失業者の食事に神官長様がしてます」

「そうして働かなくても養われる……と。でもそこに介入は人事の仕事じゃなくなるからなあ。とりあえずやる気を刺激するために定期的に説明会を城で開催だな。各部門のPRは部門長自身にやらせてみよう。その代わり求人票はこっちで作るぞ」

「留守の部門長のいるところはどうしますか?」

「どうせ一度にやっても全部覚えて帰るやつなんてそうそういねえさ、日を分けて開催しよう」

「ではその手筈で各部門に連絡するよう指示します」

「なあ、お前一応アドバイスくれるんだよな?」

「そうですが、先ずはやりたいようにやらせてみてください」

「前の人事受けてたやつなんか残してたか?」

「それが各部門の資料はあれど人事部門に関しては特にこれといったものはなかったんです」

マニュアル社会じゃないのかー、探り探りでやるしかねえか。

まあ俺も適当に探しておこう、なんかパクれたら儲けものだ




「やあ、いつぶりだったかね?隠っていると時間がわからなくなるよね?というわけでせっかくそっちから来てくれたことだし忘れないうちに会いに来たよ」

出ていったアイリーンが帰ってきたら研究部門長と帰ってきた。

元いた場所に返せと言いたいが帰ってもくれないし帰しても後が怖い。

「さて、お話しようか?大丈夫大丈夫。こうした他部門とのお話も立派な仕事だし雑務なんて誰でもできることは下にポイってしてたらいいからね」

そう言うと来客用のソファーに身を投げるようにして座る。

腰をおろしたということはすんなり帰るつもりはないらしい。

誰だよこいつ雇ったのとは口に出さずに仕方ないから応対することにした。

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