↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なっぴの昆虫王国  作者: 黒瀬新吉
PR
65/112

赤い翡翠

 長く争っていた『セブリア』と『テネリア』の休戦協定は国境の町で行われた。協定書をかわし、『ラクレス』も『コオカ』もそれぞれの城に帰ろうとした時、大きな爆発が起った。『セブリア』の地下兵器工場を休戦の証として、地下に埋めるためのものだ。『テネリア』の王『コオカ』も、それを条件に休戦に同意したのだった。


 これはその日のことだ。

「『ラクレス』様、このようなものが埋まっておりました」

「こ、これはナツメの石ではないか……」

休戦の場に列席していた、大ゾウムシの大僧正『ミネス』が口を開いた。

「いや、似ているがその石は、ナツメの石ではない、おそらくは『イト』の『赤い翡翠』だ」

爆破した地下道からそれを掘り出したことが、『ラクレス』を『ナノリア』に向かわせたのだ。

挿絵(By みてみん)


 その『赤い翡翠』は『ラクレス』の心に話しかけた。

「おまえが『レムリア』の子なら、わしの言うことがわかるであろう。わしが命がけで守ったのは『レムリア』という箱ではない、またその中のひ弱な国民でもない、ただ愛する『マンジュリカーナ』のため。王子たちが争い、お互いが傷つくのをもう見せたくなかっただけなのだ。なのに、その『マンジュリカーナ』を追放し、麗しい『レムリア』までも引き裂き小国にしてしまった。それがわしには無念で仕方ない、もう一度『レムリア王国』を愛しい『マンジュリカーナ』に見せてやりたい……」

その言葉に彼は心が乱れた。『レムリア』の再興のために『コオカ』は必要だった。『ラクレス』は『イオ』の寄り代となりその圧倒的な力で四王国をまとめ、人間界の『マンジュリカーナ』を呼び戻す。彼女の霊力を持ってすれば、不可能なことはない、彼は『レムリア』再興の捨て石になるつもりだった。しかしそれは誰にも知らせていない。何故そこまでするのか?『ラクレス』は『カブト』の因子を強く持って生まれた『レムリアの子』だ。『レムリアの子』それは『ラクレス』、『コオカ』、『エレファス』、そして『キング』この『赤龍刀』を受け継いだ四国の王たちの事を指していた。


 サキはついに決断をした。

「約束通り、封印は解きましょう、でもそれだけでは『アギト』も『イオ』も降臨はしない」

『ラクレス』は自信たっぷりに言った。

「わしも、『コオカ』も赤龍刀を受け継ぐ『レムリア』の子、正統な伝承者だ」

空に高速トビヤンマがカラスヤンマとともに現れた。間違いなく二人が無事にエビネ城に届いたのを確認すると、『サキ』はヤンマに乗った。


 「このまま、エビネ城に逃げるかもしれませんよ」

漆黒金剛石を手にした『サキ』が『ラクレス』をからかった。

「『マンジュリカーナ』の教えに欺きはない。漆黒金剛石の解放の際、そのとてつもない力は大地さえその形を変えてしまう。つまり大空で封印を解くしかないのだ」

「『ラクレス』、あなたは本当に『レムリア』王のことを知っているみたいね」

トビヤンマが空に舞い上がる直前に『ラクレス』はもう一言『サキ』に言った。


 「サキ女王、封印を解いた後はエビネに向かえ、今度会うときは『レムリア』の城で会いたいものだ、俺が俺のままで、まだいられたらの話しだがな……」

サキを乗せたトビヤンマは一気に大空に舞い上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。