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居場所と弱さの理由

難産でした。そして短い。ああどうしたらいいのでしょうか。


魔物は人よりも力に敏感だ。

人にはわからないように抑えられたディズレイリの力を魔物たちは感じ取り、彼の乗る馬車に近づこうとしなかった。そのおかげもあり順調に馬車は進み予定よりも少し早く王都に着きそうだ。


アズールの街を出て二日目、馬車の中にはディズレイリ、アイリーン、マルティナの三人しかいない。

アイリーンとマルティナは楽しそうに話しているが、ディズレイリは参加せず地図を広げ時折考え込みながら何かを書き込んでいる。

この情景はかれこれ二時間ほど続いている。


「レイ、さっきから地図を見て何をしているの?」


いい加減気になっていたアイリーンが聞くとディズレイリは地図から目を上げずに答える。


「行くべきところとその順番を考えておるんじゃ。」


四大精霊を解放するという目的のためにそれぞれの大精霊の居場所を考えていたのだ。

そもそもゲーム内では四大精霊の居場所は推測されていたが誰もたどり着いていないのだ。なぜならいるであろう場所はプレイヤー進入禁止領域だったからだ。

だからこそ地図を広げ当たりをつけているのだ。







この世界はジャガイモの様な形の大陸が一つ存在しており、ジャガイモの中心に神域と呼ばれる常に霧がかかっている一際大きい山があり、その周りを神獣や聖獣、龍種をはじめとするレベル700を超える強力な魔物が住む森や山がぐるっと囲っている。


国は大きく分けて4つありディズレイリたちのいる多種族国家であるロンダート王国、人種を至上としており他種族を排斥しているルクネヒト帝国、精霊を信仰しており精霊術師が多いアルネシア教国、唯一の魔法学校があり他国の留学生も多く、魔道具の研究開発が盛んな永世中立である学術国キクロス。


その他にも、様々な氏族が集まってできた獣人のソラン同盟国、世界樹のもとにあるエルフの里、オルハリコンの鉱脈にあると言われるドワーフの里、力こそ全てである竜人の国ドラゴニア、希少種族の里に小国や公国と様々な国が一つの大陸に存在する。







そして大精霊の居場所は空に浮かぶ”風の島”、大陸北端にある”挟間の洞窟”詳細不明の”水底の神殿”大陸南端の火山”灼熱の大地”の四か所と言われている。


ディズレイリは地図上で唯一明確に場所のわかっている"灼熱の大地"から神域のを経由し北端まで直線を引いた所にあるのが”挟間の洞窟”、南端から北端まで引いた線と神域の中心を交差点とした直角線の西端と東端に残りの二か所があると読んでいる。


大陸西側には四属性の中で風と縁の深いエルフの里があるので尋ねるべきだろう。そうなると東端に”水底の神殿”があることになる。とも考えている。

またおそらく四か所は最高難易度のダンジョンになっているであろうからアイリーンのレベル上げを行わないといけないとも。


「まあレベル上げは道中のダンジョンで行えばよいか。」


「なんでダンジョン?300レベル以下の魔物しか出ないよ?」


ディズレイリの呟きを聞き取ったアイリーンは聞き返す。

アイリーンの言葉に疑問を感じたディズレイリ。


「ダンジョンはいくつある?」


「三つだけどなんで?」


ダンジョンの数なんて誰でも知っているようなことをなぜ聞くのかと不思議そうなアイリーン。対するディズレイリはたったの三つ、しかも口ぶりから初級ダンジョンしか見つかっていないことに愕然とし、この世界の住人がどうして低レベルなのかがわかった気がした。







女神はゲームとこの世界は地理含め一緒だと言っていた。ならばゲーム内と同じで108か所ダンジョンがあるはずなのだしサブダンジョンを含めるとさらに多い。

さらにダンジョン以外の魔物は700レベル以上か400レベル以下しか基本的にいないのだ。なのでレベルを上げるのならば自身に合った難易度のダンジョンで行うのがゲーム内のセオリーであった。


しかしダンジョンは初級しか見つかっていない現状ではレベル上げは困難だろう。むしろその状況で最高レベル700弱までいった方が驚きだ。


まあこのことについては置いておくとしてアイリーンの現在の強さを把握しなければならないと考え、ディズレイリは地図をしまう。


「アイリ、正確には何レベルなんじゃ?あと職業は?」


「ん、324レベル。あと職業?…クラスなら剣士だけど。」


アイリーンは今年で16歳、この年でこのレベルはかなり優秀だろう。普通は300レベルを超えるのは二十代前半になってからだ、中には一生300レベルを超えられない者もいるのだから。

そして職業もといクラスは初級の剣士、300レベルを超えていれば中級職になっていてもおかしくはない。

そこで思いつくのが熟練値である。クラスに熟練値があるように武器にも熟練値がありランクアップの条件になっているのは珍しくはない。

実際ディズレイリの仙人は、闘仙の熟練値、杖の熟練値、オーラの熟練値、素手の熟練値、魔力が一定以上、年齢60歳以上とクラス以外の熟練値が多く必要になっている。

また武器の熟練値はクラスのそれより伸びにくく、ただ戦うのではなく素振りなどの訓練をしないとタイミング良くランクアップ出来ないのだ。


「それで次はどの職ぎょ、クラスになりたいんじゃ?騎士かソードダンサーか剣鬼かどれなんじゃ?」


アイリーンは片手直剣なので中級クラスはこの三つになる。騎士は防御重視、ソードダンサーは攻撃重視、剣鬼は中間のバランスタイプだ。


「騎士になってお姉さまを守りたいけどランクアップできるかわからないし。」


「大丈夫、アイリーンならきっとランクアップ出来るわ。自信を持って!守ってくれるのでしょう?」


弱気なアイリーンを話を聞いていたマルティナが励ましているとき、ディズレイリはランクアップできるかどうか分からないという言い方が引っかかっていた。

おそらく熟練値も知らないようだしそれ以外の条件も知られていないのだろうと思い、さりげなくアイリーンにサーチをかけてみれば騎士になるための熟練値は十分に溜まっており、あとはとある条件をクリアするのみのようだった。

王都に着くまでに何とかなりそうな条件なので今夜何とかしようと思いつつアイリーンを育てるのは時間は掛かるが楽しそうだと目を閉じ微笑むディズレイリだった。




少し進んだんでしょうか?旅の目的の再確認。基本主要キャラ以外が空気ですね。


これからもよろしくお願いします!!

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