プロローグ
初投稿。短いですね。
樹木の生い茂る森の中、一人の男が立っていた。その男の歳は、還暦を迎えたかどうかといったところ。しかし、老人と呼ぶことに違和感をあたえるしなやかに鍛えられた体を持っていた。
「ふむ、ここが異世界か。しかし、本当だったとは…」
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2015年3月、未だVRなど物語の中にしか存在しなかったころ。
日本のゲーム会社が唐突に新作としてVRMMORPGを発表した。もちろん信じた人はほとんどいなかった。新手のマーケティング戦略だと思ったのだ。
しかし、VR機の体験会が行われまぎれもない事実だとわかると人々は熱狂した。
会社は、ゲームの正式な発売は2017年とした。その理由としてVR機を低価格で提供するための開発期間が必要であると言った。それと同時に2015年11月よりテスター一万人を抽選募集すると発表した。
テスターは2016年1月から正式な発売日まで最低週に一度ダイブすること、開始日には規定時刻に必ずダイブすること、本人以外のダイブを認めない、以外は基本的に自由である。
「まさか当選するとは思わなかったの。」
佐久間五郎は今話題のVRゲームのテスターに抽選で当たったことを告げる手紙を読みながらつぶやいた。還暦を迎え退社し時間が有り余っているところに今回のテスター募集を聞き、昔から気になっていたVR技術を体験するチャンスだと応募していたのだ。
そしてテスター開始日当日、佐久間は人生初のVR空間でゲームの初期設定を行っていた。初期設定とはキャラクターの容姿や最初の職業を決めることだ。
「おお!夢にまで見た外国人風の老人だ。いやはや、こんな姿になれるのもVRならではだの。職業か…うむ、この精霊術師というのがファンタジーでよいの。」
佐久間の親しい友人ですら知らない彼の理想の男性像がそこにはあった。
身長は180cm、短く刈りあげた白髪に見る者によって印象の変わる彫の深い鳶色の瞳、口元や顎には薄らと生えた無精髭、肌の色は白人風、顔に刻まれた皺が歴史を感じさせる。
そんな最高傑作の名はディズレイリ・グラッドストーン。ちょっと格好つけすぎである。
そしてゲーム開始一分前のアラームが鳴る。
「もう直ぐかの。…楽しみじゃ。」
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ここでゲームの概要を説明しよう。ゲームの名は「Save World]
内容は王道のファンタジー、魔物がいて、精霊がいて、種族として人族・エルフ族・ドワーフ族・獣人族・竜人族がいる剣と魔法の世界の物語だ。そしてレベル制でプレイヤースキル重視・職業スキルもあるまさしく王道。
職業は大きく分けて戦士系・魔法系・生産系の三つがあり、それぞれ初級・中級・上級・最上級とあり中には隠し職業もある。
佐久間の選んだ精霊術師は、魔法系で文字通り精霊を使役することができ普通の魔法より早く発動できるがイメージに左右される職業である。
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開始時刻になりVRにダイブすると同時に現実と比べても遜色ないような景色に包まれる。周りのいたるところで歓声が聞こえる。
佐久間自身も現実との差が見つけられず目を丸くしている。
幾ばくか経ち空からGMと思われる感情の感じさせない女性の声で信じられないメッセージが伝えられる。
「テスターの皆さんこんにちは。私はこのゲームの開発者です。非常に重大かつ残念なお知らせですが、皆さんは、このゲームの中に囚われました。ログアウト不可能、端的に申し上げればデスゲームです。こちら側の死は現実世界での死になります。現実世界に戻るためには、このゲームをクリアするしかありません。
またクリア期限は今から丁度一年後とさせて頂きます。期限を過ぎると皆さんの命は亡くなりいますので、頑張って強くなりクリアしてください。
最後に複数人での攻略はできません。街中などはオンラインですが、それ以外の場所はもちろんフィールドなどもオフラインとなっております。ではご武運を。」
説明多くなってしまった。
早く異世界に行きたい。 更新は遅いと思います。
つたない文章ですが、よろしくお願いします。