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6th Day:僕と彼女のちょっと長い1日 そのいち





冷たい朝の空気、差し込む朝日の中で私は目を覚ました。


「ふぁ………」


時計はAM5:39を示している。彼はまだ起きてないはず………


「………よし♪」


私は部屋の窓を開け、ベランダに出る。家のベランダと彼の部屋のベランダは隣接しているので容易く入ることが出来る。ゆっくりとベランダの手すりに手をかける。


「よっ……っと。」


見慣れたベランダ。私のお隣さんの部屋。そっと窓を開ける。昔は鍵が締まっていたが、最近は開けてある。………つまんない。


「………」


窓から入ってベッドの横に立つ。ベッドでは長い銀髪の可愛らしい女の子がすやすやと気持よさそうに寝息をたてている。………可愛い………私より可愛いなんて………許せないっ!


「ていっ♪」


幼馴染みが眠るベッドに飛び乗る。


「ぐはっ!?」


葵は飛び乗られてうめいた。


「おはよっ葵♪」







††††††††††††






「ぐはっ」


快適な睡眠の中にいた俺にとんでもない衝撃が襲いかかった………ってぇ誰だ!!!


「おはよっ葵♪」


お前かーーー!!!って、まあ予想通りっちゃあ予想通りなんだけど………


「『おはよっ♪』じゃねぇ!!!いきなり何しやがる夏澄!!?」

「朝のスキンシップ………かな?」

「俺に聞くな!!!」


ったく、コイツはいつもいつも!!!


「葵、買い物行こう!」

「え〜何で俺が………」

「はい。」


夏澄は何やら紙切れを差し出した。………どっから出したんだ?てか、降りろ!


「なんだこりゃ?」


その紙には契約書と書かれていて、真ん中位に俺の名前がある。こ、これは………!


「約束は守ってくれなきゃ♪」


それはまさしく学校で女子大多数に追い掛けられた時の……(3rd Day参照)!


「待て!あの時お前は裏切ったハズだ!」


そう、あの時夏澄はあっさり裏切った。


「そんな契約、無効だ!」

「甘いわね。その契約書をよく見なさい!」


まさか………!俺は契約書に目を走らせる。そこには夏澄の丸っこい字でこう書かれていた。







――――――――――――


―契約書☆―


私はこの契約の後にどんな事が起きても契約内容に従います☆


・買い物に付き合うこと。

・私が行きたい所に着いてくること。

・金額は全て葵が負担すること♪



柚木 葵

 ̄ ̄ ̄ ̄

は、以上全てに同意します♪


――――――――――――







………やられた。なにコレ?俺に利益なんて全くないぢゃん……何て理不尽な契約書だ………だが!ここで退くわけにはいかない!!!俺の諭吉がかかっているからな!


「こんなん認めねぇぞ!」

「ちゃんと読まないからでしょ〜。」

「あの状況で読めるか!!!だいたい……

「朝っぱらからうっさいわよ葵!!!」

「ぐはっ!!?」


突然、側頭部に鈍器で殴られたような痛みが走る。まさか………。恐る恐る振り向くと、ドアの前に冬姉(まおう)が立っていた。


「冬姉……」

「あら、夏澄ちゃん来てたの?」

「おはようございます冬美さん。」

「はい、おはよう。」

「冬姉……!」

「今日は何しにきたの?」


あれ?俺シカト!!?


「冬姉!」

「葵と買い物に行く約束をしてて………」


待てコラ!約束してねぇぞ!!!てか、お前もシカトか!!!


「なんだ、デートか♪不束かな弟だけどよろしくね!」

「ち、違いますよ!!!」

「冬姉!!!」

「あ〜もう!さっきからうっさいわね!!!」


扱い酷くない(泣)!?………まあ、いつもの事だが………


「さっき何投げた?」

「土鍋。」


土鍋!!?足下を見ると確に土鍋が転がっていた。マジで死ぬよ?てか、よく無事だったな、俺………てか、なんで土鍋なんだ……!?


「なんで土鍋……?」

「フライパンがよかった?それともまな板?」


どれも一緒だろ!!!てか、投げないという選択肢はなかったのか………


「そんなことより早く出掛けなよ。」

「は?なんで?」


何を唐突に言い出すんだこの人は………


「夏澄ちゃんとデートの約束してるんでしょ?」

「そんな約束してねぇ!てゆうかデートじゃないし!だいたい………

「行け。」

「………はい………。」


怖ぇよ………目がマジだよ………行かなきゃどうなるか………!てか、なんでいっつもこんな目に………神様どうか俺の苦労を半分でいいから天斗にでもお裾分けしてやって下さい………マジで(泣)!!!







「葵〜!こっちこっち〜〜〜♪」

「はぁ………」


夏澄はにこにこしながら俺を洋服の専門店に引っ張っていく。………と、いうわけで現在俺たちはいつものアーケードに来ている。ここには洋服やアクセサリーの専門店が軒を連ねていて、買い物と言えばここに来る事が多い。…………それにしても………楽しそうだなぁ、おい。


「あっコレ可愛い♪」


夏澄は何やら洋服を手に持っている。


「はい!お金払ってきてね♪」

「はぁ………」

「葵、さっきから溜め息ばっかり。」


そりゃ溜め息も出るっての。これからいくら払わされるんだろ…………


「頼むからさ、今日は勘弁して………」


俺の諭吉がいなくなってしまう!………まぁ、頼んだところで止めてくれるハズがないけど………


「うん、いいよ。」

「あぁ、やっぱりダメ………へっ!?いいの!!?」


なんで………!!?


「うん。別に欲しいモノ無かったし。」



うぉい!じゃあ俺は何のために!?


「ただ、葵と一緒に出掛けたかっただけ。」

「なんでだよ………」

「だって好きなんだもん………」


え………ええぇぇぇぇえぇ!!?ちょ、マジで!?いきなりそんなこと言われても…………


「葵が困るのが♪」


コノヤロー(泣)!!!なに!?嫌がらせ目的で買い物に誘ったの!!?


「と言うわけで、買い物しないからちょっと付き合って!」


どう言うわけだ!


「何すんだよ。」

「行きたいトコがあるの♪」


どこ行く気だ………?まぁ、俺の諭吉がいなくならないんならいいか。


「別にいいけど………」

「やった♪」


なんだ?そんなに嬉しいのか?ま、ちょっとぐらいなら付き合ってやるか………無理矢理とはいえ、いちおー約束だからな。









「………」

「早く入ろうよ。」


夏澄に連れられて俺はとある店の前に立っている。並んだテーブルとイス、赤やピンクで無駄にファンシーな内装、そしてエプロンドレスの従業員…………メイド喫茶だ………!


「夏澄………?」

「なに?」

「なんでここに………?」


この店は少し前に来たことがある。というか働いた………メイドとして………。出来れば忘れたい(泣)!


「桐子さんがね、『最近赤字続きだから葵を連れてこい!』って言ってた、って香織さんが言ってたから♪」


やっぱりあの二人か!!!てか、俺を買い物に誘った理由はコレか!!?桐子(とうこ)さんはこのメイド喫茶『LUCIFER』の店長だ。この名前はどうかと思うが………。そんでもって香織さんはここでバイトしている。ある時、人手が足りないということで俺と夏澄が手伝わされた。俺、男なのに………(泣)。まぁ、とにかく臨時のバイトだったハズなんだが、なぜか桐子さんの中では俺は従業員ということになっているらしい。………なぜ?


「こんにちわ〜!」


って、おい!ちょっと待て夏澄!!!夏澄か声をかけると、奥から黒髪のショートヘアーのボーイッシュなメイドさんが出てきた。


「あ〜やっときた!!!」


奥から出てきたのは………やっぱり香織さんだ………。


「葵連れてきました!」

「夏澄偉い♪」

「えへへ♪」


えへへ♪ぢゃねーよ!


「さぁ葵ちゃん入って!」

「いゃ、ちょ、待って………」


ぐいぐいと俺の手を引く香織さん。痛いって!肩抜けるから(泣)!!!


「ちょっと待てーーー!!!」







こうして俺のちょっと長い一日が始まったのだった――…

どうもこんにちわ。早くも夏バテ気味なぺたです。最近暑くって………どうでもいいですね………


はい、というわけで今回はそのいちなのでもちろん続きます。今回の新キャラは桐子さんですね。彼女はとらぶるめーかーにもいますが名前は出てません。ぷらすでやっと名前が決りました。どうせならわんだふるでいずにも出そう!ということで登場です。って今回名前しか出てないけど………次回をお楽しみに♪


そして、突然ですがでぃあシリーズの時系列を………


でぃあ まい とらぶるめーかー!

↓↓↓↓↓

でぃあ まい ふぁみりー!

↓↓↓↓↓

でぃあ まい はいすくーる!

↓↓↓↓↓

でぃあ まい とらぶるめーかー ぷらす!

↓↓↓↓↓

でぃあ まい わんだふるでいず!


という具合です。わかりにくいかな〜と思ったのでいちおー補足しておきました。


出来れば評価・感想をお願いします。いただけると幸いです。それではまた!


【2007/04/30】

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