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2nd Day:学校で騒いだら怒られます。





急いで家を飛び出したが、別に遅刻ギリギリというわけでもない。あの家に居るのがめんどくさい………というのもあるが、原因は………お隣さんだ。


「行ってきま〜す!」

「はい、行ってらっしゃい。」


俺達が玄関を出てすぐ、お隣の玄関からセーラー服の女の子が出てきた。


「あっ!」

「よ。」

「……おはようございます。」


コイツは俺の幼馴染みでクラスメイトの如月夏澄(きさらぎかすみ)。背中まであるさらさらの黒髪が印象的だ。1年の時は違うクラスだったが2年になって同じクラスになってしまった。


「葵、最近早いね。」

「お前が来るからな。」


そう、最近朝が早くなったのはコイツが起こしに来るからだ。幼馴染みが毎朝起こしに来てくれる………それだけ聞けばかなり羨ましがられる状況だ。実際、夏澄はファンクラブが出来る程可愛いわけだし………しかし!夏澄の場合は違う。コイツに関わると何かとめんどくさい事になる。


「む〜……起こしにいってあげてるんじゃない!」


頬を膨らませてむくれる夏澄。ちょっと可愛い……はっ!?いかんいかん!騙されてはいけない。起こしに来てくれるなら普通に来れば良いものを、コイツはなぜか窓から来る。………俺の部屋、二階なんだけどな………


「じゃあ普通に来い!」

「それじゃ面白くないでしょ?」


朝起こしに来るのに面白さが必要なのか……?それにしたって来るたびに窓ガラスを駄目にされたらたまったもんじゃない。俺はちゃんと鍵を閉めて寝る。つまりどういう事かというと………あれだ、よくテレビとかである窓ガラスを円形に切り取るやつ。どうやら夏澄はあの道具を持っているらしく、毎回窓ガラスが円形に切り取られている。ガラス代も馬鹿になんねーんだぞコノヤロー!


「……どうでもいいけど遅刻するよ。」

「「えっ!?」」


冷めた声で言う雪奈。お前は何時も冷めてんな……携帯で時刻を確認すると遅刻10分前。なんてこった!夏澄と話してる間に……!雪奈も、もう少し早く言えば良いのに……お前も遅刻するんだぞ?


「急げ!!!」

「遅れる〜!」

「……ふう。」


俺達はダッシュで学校に向かった。







「ぜぇ……はぁ……!」


何とかギリギリで間に合った……。俺達は学校の正門にいる。


「葵、大丈夫?」


夏澄が心配そうに聞いてくる。


「葵兄、しっかりしなよ。」


雪奈は相変わらず冷めている。


「だ、大丈夫……ていうか………!」


お前ら速すぎだ!!!なんでお前らそんなに速いんだよ………9分間全力疾走だよ?何で息一つ乱してないの!?


「早く教室に行きましょう。遅刻します。」

「そうね。」


そう言って校舎に向かう夏澄と雪奈。ちょ………待って(泣)







「ふぅ………」


あの後、俺と夏澄は雪奈と別れて一ヶ月たってやっと慣れてきた2‐Dの教室に入った。そしてようやく一息ついている。ギリギリだったが、まだ先生は来ていない。


「よう、遅かったな。」


となりの席から話しかけられた。コイツは七星天斗(ななほしたかと)。黒髪のミディアムヘアーで、前髪に赤いメッシュを入れている。小学校からの付き合いで、親友と呼べる男だ。背が高く、顔も美形でモテる。


「おはよ、天斗。」

「おう。」


夏澄が挨拶をする。俺と小学校からの付き合いと言うことは必然的に夏澄とも同じぐらいの付き合いだ。学校では三人でいる事が多い。


「良かったね〜。先生ちょっと遅れてるみたい。」

「ああ、助かったよ。」

「そろそろ来るんじゃねぇか?」


天斗が言ったすぐ後、メガネをかけた黒髪の女性が入ってきた。


「点呼取るぞ!席につけ、このバカ共が!」


噂をすればなんとやら……。

ナイスタイミングで来たな……そんでもって、生徒をバカよばわりするこの人が2‐Dの担任。山口洋子(やまぐちようこ)、凛々しい顔立ちに赤縁のメガネをかけていて、肩にかかる程度の黒髪を後ろで結っている。年齢不詳(教えてくれない)だが、見た目は20代前半に見える。元レディースらしく、いろいろとメチャクチャだ。………よく教師に成れたな。


「………よし、全員いるな。えーっと、なんだったかな……何か教頭から話があったんだが………忘れた!各自適当に考えてくれ。」


いやいやいや!大事な話だったらどうすんの!?


「教頭先生……ついにヅラの告白かな?」


となりの夏澄が真顔で言う。……んなわけねぇだろ。


「ほう、いい所に目をつけたな如月。確にあの生え際は怪しいな。」


うぉい教師!!!なんて事言いやがる!


「なんて事言うんですか。」


一番前の席のヤツが言った。そうだ言ってやれ、誰かよくわからんけどそこの君!


「教頭は教頭なりに頑張って隠してるんですから。」


えぇーー!?


「よっしゃ!野郎共、今から教頭のヅラを狩りに行くぞ!」

『おぉーーー!!!』×多数


いっせいに立ち上がる生徒たち。


「なんで!!?」

「やれやれ………」

「あははは♪」


どうして俺の周りはこうも騒がしいのだろうか………はぁ。







その後、山口先生とその他多数の生徒によって教頭のヅラが発覚した。激怒した教頭により2‐D(山口先生含む)は反省分を書かされた………何で俺まで………

どうも、ぺたです。と言うことで二話目ですね。今回出てきた夏澄と天斗は短編の時にも出てきています。よかったら読んでみてください(宣伝)。山口先生は初登場です。なんか少々ぶっとび過ぎましたね………ιこれからどうなる事やら。いろいろと絡ませて行きたいと思います。評価・感想をいただければ幸いです。それではまた!

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