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1st Day:朝はゆっくりしたいよね?

でぃあ まい わんだふるでいず!は短編のでぃあシリーズの続編です。読まなくても分かるようにしてありますが、読んでくれたら嬉しいですm(_ _)m





日本のとある場所のとある町のとある住宅街………。見た目女の子な男の子は騒がしい毎日を過ごしています。今日も、彼の騒がしい一日が始まります――…







♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜







耳元で目覚まし時計が鳴り響く………うるさい。


「ん〜………」


布団を被ったままアラームを止める。眠い………瞼を擦りながら体を起こす。


「………」


のそのそと着替を済ませ洗面台に向かう。鏡を覗き込むと見慣れた自分の顔。まだ幼さの残る顔立ち、背中まで伸びる長い銀髪は前髪が寝癖で撥ねている。そしていまだ寝惚け眼の蒼い瞳………自分で言うのもなんだけど、今日もすっごく可愛い。


「……はぁ。」


溜め息がでる……何で………


「あら、おはよう葵ちゃん。」

「……おはよう。」


母さんがにこやかに挨拶をしてきた。


「ねえ葵ちゃん?お洋服買ってきたんだけど着てみて!」


母さんが差し出したのは可愛らしい女もののブラウス。


「そんなの着れないよ。」

「そうよね……葵ちゃん、もう高校生だもんね。少し子供っぽいかしら?」

「そういう問題じゃなくて!」


そう……問題はそこじゃない。問題は……


「俺は男だ!!!」


柚木葵(ゆずきあおい)、16歳。特徴、長い銀髪に蒼い瞳、そして可愛い顔立ち。性別………正真正銘男である。


「!!!」


うぉい!今気付いたって顔すんな、母親!!


「だいたい、『ちゃん』はやめてくれって言ってるだろ!」

「いいじゃない!可愛いんだから!」

「よくねーーー!!!」


このやりとりも何度目かわからない。この息子の悩みを全く理解していないのが俺の母親。


「あら、前髪撥ねてるわよ。」


そう言って手を伸ばす母さん。


「いいよ。自分で直すから。」

「いいからいいから!」


そう言って俺の髪をいじりだす。昔はモデルをやっていたらしく、こういうのは放っておけないらしい。

柚木春菜(ゆずきはるな)、42歳。

顔立ちは日本人だが、俺と同じで銀髪に蒼眼。そんでもって息子から見てもかなりの美人。つまり、俺の遺伝情報は9割方母さんに片寄っている。なんでも、どっかの国の人の血混じってるらしい。でも、じいさんもばあさんも黒髪だ……隔世遺伝か?ただ、前髪の癖は父さん似らしい。………こんなとこ似らんでいいのに。


「出来た!」

「ん?」


ぼーっとしているあいだに直し終わったらしい。鏡を覗いてみた。


「……母さん?」

「どうしたの?」


俺の髪は左右にゴムでくくられている……あ、ちょっと似合う………じゃねぇ!!!


「なんでツインテールにしてんの!!?」

「可愛いからつい♪」

「つい♪じゃねぇ!」


頭のゴムに手をかける。


「あっ!!!」


声を上げる母さん。


「そんな事したら……」

「泣いても無駄だから。」


ためらいなくゴムをほどいた。……ったく、毎朝毎朝。







キッチンに向かうとパジャマ姿の父さんと妹の雪奈(せつな)がいた。


「おはよう。」

「ああ、おはよう葵。」

「……おはよ。」


爽やかに挨拶を返す父さんと無愛想な雪奈。父さんは母さんと同い年で、名前は(ゆう)。童顔に茶色い瞳、癖のある茶髪を短くまとめている。仕事はいたって普通の会社員。サラリーマンというやつだ。普通も普通………よく母さんと結婚出来たな………


「春菜ちゃんはどうした?」

「いつもどうりさ。」


いつもどうり洗面台の前で泣いてるはずさ………はぁ。


「いいじゃないか。女装ぐらい。」

「よくねーよ。」


洗面台の方からトタトタと足音がする。来たか……


「悠く〜ん!葵ちゃんがいじめるよ〜!」

「あぁ、春菜ちゃん。僕らの愛の結晶はいつからこんなにひねくれてしまったんだろうね。」

「昔はあんなに素直だったのに………」


うぜぇ………ひねくれたかどうかは知らんが、間違いなくお前らのせいだよ。てか、『くん』と『ちゃん』で呼び合うなよ……結婚何年目だ!!!


「葵兄。早くしないと遅れるよ。」


雪奈が冷めた声で言う。雪奈は俺のひとつ下で、同じ高校に通っている。俺と同じ銀髪を耳が隠れる程度に切り揃えている。顔も似ているが、瞳は茶色。セーラー服で鞄を持っている。準備は万端らしい。


「えっ?」


時計を見る。やべぇ!バカ夫婦に付き合ってる間にもうこんな時間だ!俺は並んでいた朝食を掻き込んで鞄を取った。


「行ってきます!」

「行ってきます。」

「はい、行ってらっしゃい。」


玄関を出る。


「あ、葵ちゃん!」


母さんが俺を呼びとめた。


「なに?」


何だろう?急いでんのに………


「スカートも買ってきたんだけど、それなら着てくれる?」

「着るかーーー!!!」







こうして今日もまた、俺の騒がしい日常が始まるのだった。なるべく平和に暮らせますように………

はじめまして。でぃあシリーズを読んでくれた方にはお久しぶりです!ぺたです。でぃあシリーズで「連載にしてほしい」という嬉しい意見を頂いたので連載開始です。更新は不定期になりますが、なるべく早くUPするようにしますので、よろしくお願いしますm(_ _)m評価・感想をいだけたら幸いです。それではまた!

【2007/03/08】

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