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入学試験①

王立アリスティア魔法学園

剣と魔法が全ての世界において、魔法教育の最先端を行くこの学園。この学園は他の学園と違い様々な特徴がある。

その一つとして、理事長含め全ての教師がほぼ全ての学園運営に関わっていない事である。関わる行事は数少なく、入学試験などに出るだけであり、教師は授業をするだけの存在である。

そのため、学園運営は実質生徒達によって行われている。そんな学園を運営するのは生徒達の代表である生徒会である。

この物語はそんな学園の生徒二人が主人公である


氷霊院一海ヒョウレイインカズミ

「王立アリスティア魔法学園激動の時代」 より抜粋


⭐︎★⭐︎


「エル、ターゲットそっちに行ったよ」


黒く艶のある長い髪の毛の少女が、手のひらに浮かぶ魔法陣にそう語りかけると、魔法陣から

「了解」

と、冷たくもどこか野菜げな一言が帰ってきた。


「今から私もそっち行くね」

そう言い残し、少女は手のひらの魔法陣の形を少し変えると、先ほどまでは何も何もなかった少女に背中に4枚の黒い翼が現れ、少女を空へと誘った。


⭐︎★⭐︎


一方、少女にエルと呼ばれていた少年は茂みに隠れ、機をうかがっていた。


今回の依頼は一年生が誤って訓練用の飛行箒にかかっている制御魔法を解いてしまい箒がどこかに飛んでいってしまったため、箒を捕まえて制御魔法を掛け直してくれって内容か。はぁまったく、なんで2年連続で同じことが起きるんだよ。去年は誰だっけ……あ、箒見えた。

俺は無駄な思考を捨て、右手のひらの通信魔法を手の甲に移し替え、右手のひらに新しく別の魔法陣を作り出した。


「風魔法【突風】」


そう唱えると同時に、手のひらから魔力が放たれ、魔法陣を通り性質を変化させ、魔力を風へと変換し突風を巻き起こした。

俺は突然横から風で殴られ、制御を失った箒を魔法陣を展開した右手で掴んだ。


「ターゲット確保。依頼主に連絡を。場所はアルトート=フレデリカ記念館前」


通信用魔法陣を常に展開していた右手にそう伝え、暴れる箒をしっかりと掴むと、空いている左手に魔法陣を展開した。


「制御魔法【飛行箒】」


一瞬光を放った後、上下左右にぐわんぐわんと飛ぼうとしていた箒が急速に力を失くし、ヘナヘナとその場に留まった。

そうだ思い出した。秋元のバカが第3演習場で制御ミスって箒一本暴れさせたんだ。

なんて思い出している内に、先ほどまで通信していた黒髪の少女、黒百合=アルカナヴェールが空からやってきた。


「エルー、箒捕まえた?」


手でグッドマークを作りながら笑顔を見せた。

その後箒を暴走させた生徒とその担任が放棄の回収に来た。

そこで驚いたことに去年新入生として、魔法学園の同期として入学した秋元晴太(あきもとはれた)と使う魔法のタイプまでも同じだったことかな。何か運命を感じるね。

今こうして過去を振り返ると、入学して2年目なのに色々な事が起きたなぁと感じた。


〜約一年前〜


「これより、王立アリスティア魔法学園入学試験を始める!」


壇上で拡声魔法を使いそう宣言したのは試験監督のグランド=ネビア2級魔法使いだ。

今日は魔法王国内最高ランクの学園、王立アリスティア学園の入学試験日。

俺と黒百合はスラム街での生活から抜け出すため、この日のために経験と修練を積み重ね、この場所に立っている。


「エル、試験ってどんなのかな?私人生初の試験なんだけど、合格できるかな?」


横に立っている黒百合が不安そうな顔でそう聞いてきた。

正直言って、スラム街出身なんて場違いな俺たちは周囲からも少し浮いていて、アウェー感がとてつもない。

5歳の頃にスラムに捨てられ、11で黒百合と出会い、12で魔法を極めて人生を変えると二人で決意、魔法の修練をしつつ冒険者ギルドで経験とお金を稼ぎ17の今、ようやくこの場所まで来れた。緊張や不安を持たない方がおかしな話だ。


「俺も緊張してるよ。けど、この日のために二人で鍛えてきたんだ。合格することだけを考えよう」


俺がそう言うと黒百合は覚悟を決めたのか、凛とした顔で試験監督の話を再度聞き始めた。

俺も話をちゃんと聞かないとな。


「試験の内容は大まかに5つ!最低限の素質、魔法の練度、魔法使用の戦闘、実戦、一般教養。以上五つだ!王立アリスティア魔法学園に定員はない!我々が力を認めればここにいる全員が同期ということもあり得る!そして!逆もまた然りということだ!それでま今より第一試験【魔力測定】に入る!受験者は担当監督の指示に従い行動せよ!以上!」


素質に練度、一般教養はわかる。だけど戦闘と実戦に違いがないように思えるな。

移動の時間は装備点検の時間でもある。応急品や杖、武器の点検が次いつできるかわからない。だからこそ、今やっておく必要がある。

黒百合もそれがわかっているのか装備の点検を始めてるな。


受験者全員がいた会場から歩いて数分、何やら大きな会場に到着した。

到着すると試験監督であろう女性が振り向き、口を開いた。


「皆さん。初めまして。わたしは皆さんを担当する試験管のアマンダ=アルツトです3級治癒魔術師です。以後お見知り置きを。それでは、早速ですが第一試験の内容を説明しますね」


アマンダ=アルツト3級治癒術師。冒険者やってた頃に何回か聞いた事がある。通り名は“戦場の聖母アマンダ”規格外の魔力量と治癒魔法のずば抜けたセンス。圧倒的な医学の知識。どれをとっても最高クラス。そんな感じ。

周りの連中もザワザワしてるな。やっぱ有名人は違うねぇ。


「第一試験は素質の確認。我が校が定める最低限の素質とは、8年間ある魔法教育の全過程を問題なく修了できる魔力量、適性魔法が本学園の試験に合格できるラインかの二つが主です。以上で説明を終わります。質問は受け付けていません。それでは受験番号1番の秋元晴太(あきもとはれた)さんから順番に奥の部屋に入ってきてください」


アマンダさんは淡々と語って奥の部屋に入ってしまった。

受験番号順か…俺が2009番か。これ1人にかかる時間によっては相当暇だぞ。

なんて俺の心配は杞憂でものの3時間ほどで俺の番が来た。


「受験番号2009番エルさん。部屋にどうぞ」


ついにか。緊張するなー。


「エル、ファイト!」


「おうよ。黒百合もファイトな。」


互いに応援を済ませ、俺は部屋に入った。


⭐︎★⭐︎


部屋の中は簡素な作りで、中心に結晶の乗った机が一つポツンと置かれ、それを囲むように椅子が二つ置いてあった。

試験監督のアマンダさんは入口に腹を向ける位置に座っている。


「失礼します。受験番号2009番、エルです。よろしくお願いします」


俺がそう挨拶するとアマンダさんは少しびっくりしたような顔をし、口を開いた。


「君はちゃんと挨拶をするんですね。失礼を承知で聞くが貴族じゃないだろ君。貴族連中はそんなに礼儀正しくない」


へー。貴族ってのはそんな感じなのか。入学できたとして、その後苦労しそうだな俺も黒百合も。


「まあはい。貴族みたいな高貴な身分ではありません。目上の方にはきちんとした対応を取るのは普通なので。それよりも、試験の方をお願いします」


「ふふ。君は面白いね。まあいい。それじゃあ試験を始めるから、この結晶に魔力を注いで。量は適当でいい」


そう言われ、椅子に座り結構に魔力を込めた。

すると結晶は緑、黄、水、銀の4色に変色した。

書くか悩んで書かなかったことですが、

王立アリスティア魔法学園の入学試験を受けに来た生徒の数は10万人います。その中から4000人1グループ計25グループに分けて試験を行います。

エル達は第一グループですね。黒百合の受験番号は2010番で、エルと1つ違いです。

毎年10万人程受けますが、合格するのは1000〜5000ほどです。

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