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エルフ人形になったエル

ぎゃーーーー何で私、アダム様のベットルームにいるの?


そしてなんでアダム様も普通にしてるの??


それにしても、アダム様がいつもに増して大きく見える。いや。。巨人レベル。


その時奥の鏡に暖炉のマントルピースの上に座っているエルフ人形とその人形を覗き込むアダム様の後ろ姿が写っていた。


「本当にエルに似ているな。目の色とか髪型とか。噂のエルフ人形のお店見つけられたんだな」


と言いながら、シャツを脱ぐ。


私は大パニックだ。情報量が多すぎる。


私がエルフ人形なの??

なんでアダム様は人形に私の名前をつけてるの?

そして、なんでシャツ脱いでるの!!!!


これは見てはいけない、こんな痴女みたいな真似はできない。

でも瞼が動かないからどうにもならない。


うわーー流石の腹筋。


いやーいやーダメダメ。なるべく下を見ないように動かない目を必死に上向きにする。


アダム様は騎士服に着替えた。


あ、今日は何処かに行く用事があるって言ってたから、こんな早くからお仕事なんだ。


「えっと、説明書によると名前をつけたら触っちゃいけないんだよね」


いや、触ってくれたら魔法が解けるかもしれないし、むしろ触って!!


でもここで人間に戻ったら不審者以外の何者でもない。


「エル、俺は仕事に行ってくるからね、お土産を持ってくるから楽しみにしてて」

と言って、部屋から出て行った。


。。。これは夢よね。


しかし、目には私が昨日マシュー様に渡した袋が見える。


何が起こってるの?


私は家のベットで寝たはずなのに、なんでここにいるの??


あの露店の男は悪魔だったのか?


「悪魔はひどいんじゃない?」


え?


と思った瞬間に体が動いた。


ぐらっとして、マントルピースから落ちそうになった所をぐいっと摘んで戻された。


目の前には昨日の露天商がいた。


「あーー昨日の!!なんで私はエルフ人形になってるのよ!!!」


「いきなり怒鳴らないでよ。僕はこれでも繊細なんだから。君の家族が感染症にかかって、君が実家に帰れなくて可哀想だからせめて人形って形で帰れるように無料オプションをつけたのに、まさか姪ではなくこの男に人形を贈るとか思わないじゃない」


「あげたつもりもないし、事故です。て言うかなんで私の家族の事を私が手紙を貰う前に知っているんですか?」


「まあね。僕は()()知ってるからね。ただあの男がエルフ人形にすぐに君の名前をつけるとは思ってなかったよ。だからきっと君がパニックになってると思って、ここに来てあげたのさ。アフターケアもバッチリなんだよ、うちのお店は」


「あなたがつけた()()()()()()()がなければ。。」


「君はそのまま家にいて1人で休暇を過ごすことになってたね」


「うがー、あんたのせいじゃないの。こんな痴女みたいな真似をする羽目になるとは」


「嫌がってる割にはガッツリ見てたよね」


「目蓋が閉じれないんだから、しょうがないじゃない。それより、私を元に戻して!」


「あ、あの男が君の名前をつけて、願い事をしちゃったのでもう無理です」


「ええええええ。私は一生このまま??」


「いや、ニコラウス祭の朝には元に戻るよ」


「あと1週間もあるんですけど!!」


「まあなったものはしょうがないよ。人間に戻る前にちゃんとエルフ人形の仕事もしないとね。この部屋からは出られないけど、君があの男にあげたいと思うものは一日にひとつだけ出す事ができるから」


「え?本当に1週間このままなの?」


「どうせ実家にも帰れないし、休暇だと思って。あの男が寝ている時は動く事ができるから」


「こんな休暇全然ゆっくり出来ない!え?待って、今はアダム様は寝てませんよね。」


「今は特別、早く説明したかったから。僕がいなくなれば、また人形に戻るから」


「え?ちょっと待って」


「じゃあねー、1週間頑張って!」と言った瞬間男は消えた。


待てーーーという私の言葉は出てこなかった。


また体が動かなくなってしまったからだ。


あいつ。。人間に戻ったら覚えてろよ。


もう何だか疲れたし、どうせ動かないし。目は瞑ないけど、頭を空っぽにしてボーとしてたら、寝ていたみたいだ。人形も寝れるんだな。


ドアが開く音がして目が覚めた。


部屋の外は暗くなって来てるし、アダム様が灯りをつけたのでもう夕方なのかな?


「エル、ただいまー。帰って来て挨拶をする人がいるって良いね」


人形だけどね。


「俺は着替えるから、それからお土産見せるね」


お着替え。。。またか!


でも今回はアダム様はバスルームに入って行った。


ふう、良かった。バスルームの中で着替えて来てくれれば安心。


しばらく経って、アダム様は腰にタオルを巻いた格好で出て来た。


ぎゃーー朝よりやばい!全然安心じゃない。


目線をなるべく上、上に。。下はみちゃいけない。


「何か、エルに見られているみたいで恥ずかしいね。すぐ服着るね」


ど。。どっきーーん。

まさかばれてないよね。


部屋着に着替えたアダム様はいそいそ何かを出して来た。


「ほら、マダムイブのドレスだよ。赤のドレス、似合うと思うんだよね」と私の服を見ている。


やばい、これは着せ替えとかされちゃう?この人形、下着とか着てるの??


「あ、そうだ。触ってはいけないんだっけ。横に置いておくから、夜の間に着てくれるかな?」


危なかった。


しかし、人形に一生懸命話しかけてて、アダム様可愛いなあ。


アダム様は部屋から出て行って、すぐに夕ご飯を持って帰ってきた。


「折角だから、一緒に食べようね」


アダム様は小さいプレートに、アダム様の夕ご飯からちょっとずつ夕ご飯を分けてくれた。ドールハウスについている様な、ちゃんとしたミニチュアの食器とカトラリー。


何でアダム様の家にこんな物があるんだろう?お姉さんの子供時代のものかしら?


夕ご飯を食べながら、アダム様は今日のお仕事の話をしてくれた。どうやら王太子殿下の護衛で孤児院に行っていたみたいだ


食事を片付けたアダム様はお茶を飲みながら、本を読んでいる。その本にはタイトルを見せない様にか、紙でカバーがしてあった。


あんなに一生懸命読んでいるのに、紙がうまく本にあってないのか読みにくそう。家には私が作った皮のブックカバーがあるのにな。


そうか今日のプレゼントはそれにしようかな。


本を読んでいたアダム様は疲れているのか眠そうだ。


「もう少しこの本を読みたかったんだが、ダメだな。折角の眠気だ、もう寝る事にしよう。エルは明日の朝何を持ってきてくれるのかな?楽しみだ」と言いながら、寝巻きに着替えるアダム様。


アダム様のお着替えシーンは慣れないわ。


アダム様がベットに入って寝息が聞こえた瞬間、体が動く様になった。


さて。。どうしようか。


この部屋から出られないのに、どうやって家からプレゼントを持ってくれば良いんだろうと思った瞬間に、ブックカバーがバサっとマントルピースの上に現れた。


あ。。欲しいものを思い浮かべるだけで良いのね。


私がが考えていた、アダム様に似合いそうなブックカバー。短剣のカバーの様に刻印で模様が入れてあり、所々に赤のビーズで刺繍もしてある。


まあ、似合いそうというかアダム様の事を考えてたら、こんなデザインになったのよね。


さてプレゼントの心配はなくなったから、次は何をしようか。


そうだ。ご飯を頂いたんだった。


お皿には小さく切ったパンとお肉、にんじんまである。


「あら美味しい!アダム様が作ったわけじゃないわよね、使用人の方とかいらっしゃるのかな?」


お皿は片付けられないけど、なるべく綺麗に食べて。


次は。。これかな。


アダム様が置いて行ってくれたお洋服。


素晴らしい出来ね。そして赤のレースのドレスとか着たことがないわ。


今着ている服を脱いで、ドレスを着てみる。ちなみに下着は一応着ていた。。良かった。


ドレスはピッタリだったけど、鏡がないからちゃんと着れているかわからない。


うーん、奥の鏡は遠いし暗いから見えないな。せめてさっきアダム様が本を読んでいたテーブルまで行ければ。


ジャンプすればいける?でも戻って来れなくなる?


と思ってうろうろマントルピースの上を歩いてたら、どうやら端っこに寄って行ってたみたいで、足を踏み外した。


ぎゃーー落ちるーー。。。


落ちてない。


床まであと半分というところでふわふわ浮いている。


うわーー浮いてる。何だ私飛べるの?


楽しくなってきた。アダム様のお部屋、探検しちゃおう。


とりあえずテーブルの方に行ってみよう。どうやって移動すればいいのかしら。色々試行錯誤していると、泳ぐ様に手を動かせば良い事に気がついた。


あまり優雅ではないがまあ良い。


やっとテーブルの上に着くと、さっきアダム様が読んでいた本がある。何を読んでいたんだろう?紙のカバーを取ってみると。


「図解ドールハウスと小物」


ドールハウスの本!私もミニチュア家具とか大好きなので読みたい!アダム様もこういう本好きなのね。恥ずかしいからカバーしているのかな?


中をペラっと開いてみると、さっき使っていた様なお皿とカトラリーがあった。キッチン小物のページなのね。


うわーー可愛い。この食器棚とか欲しい。


部屋の中をキョロキョロしていると、私がいたマントルピースから見えない場所に、ローテーブルがありその上に大きなドールハウスが置かれていた。


どうもまだ作りかけな様で、キッチンはテーブルがあるだけだ。


ベットルームはもうほぼ出来ていて、ベットも可愛いし、姿見も家具も素敵。


「うわーこんなお部屋に住んでみたい」


ふと思った、もしかしてアダム様の趣味ってドールハウス制作?


そんなに恥じる趣味ではないと思うんだけど。手先が器用で良いじゃない。


ドールハウスのベットの上でゴロゴロしてしてみたが、寝心地も悪くない。枕もお布団もふかふかだ。


ベットの隣のソファには可愛いクッションもある。


クッションを持ってクッションカバーの刺繍を眺めていたら、アダム様の寝言が聞こえた。


もう起きちゃう??


私は慌ててマントルピースに戻る。慌てててついクッションも持って来てしまった。


急に体か硬くなる感覚がして、ベットのアダム様がゴソゴソ動いているのが見える。


「はあ、まだ早いよな。朝までもう少し眠らないと」でもベットの上で何度も寝返りをしていて眠れない様だ。30分もしたらアダム様は寝るのを諦めたのか、灯りをつけて、寝室を出て行った。

そして手に水を入れたコップを持って帰ってきた。アダム様は水飲みながら私の方を見ると固まった。


「え?嘘だろ?」


マントルピースに近づいて来て、ブックカバーを手に取る。


「これがプレゼントなのか?すごく素敵だ。エルありがとう。ドレスも着てくれたんだね」と眩しい笑顔で言われた。人形じゃなかったら鼻血が出てるところだった。


「ん?これは?」私の横にあるクッションを摘み上げる。


そしてドールハウスの方に行って、ソファーを持ってきた。


「そうだよな、こんな硬い所に座ってたくないよな」とソファーを私の横に置いてくれた。

「これは俺が作ったんだ。気に入ってくれたんだね」とドールハウスからどんどん家具を持ってくるので、マントルピースの上に私の部屋が出来た。


「あ、ご飯も食べてくれたんだ。じゃあテーブルもいるね」汚れた食器を下げ、、キッチンにあったテーブルと新しい食器、カトラリーを置いてくれた。


そうしたら満足したのか、アダム様は欠伸をして、ベットに戻って行った。今度はすぐに寝たみたいで、また私は動ける様になった。


私は早速ソファに座る。


「本当に上手く出来てるわね。ソファーカバーまでついてるし」


クローゼットも持って来てくれたので、また元の服に着替えて、ドレスをしまって、ベットに転がろうかと思ったけど。このドレスをアダム様が褒めてくれたので、今日はこのままでも良いかな。


持って来てくれた家具をチェックしてたらいつの間にか朝になっていた。またアダム様がモゾモゾ動いているので、私は慌ててソファに座る。


また体が動かなくなってきた。


アダム様は私がソファーに座っているのを満足そうに見て。


「エルのお陰でよく寝られたよ。エルは夜忙しかったろうから、俺が仕事に行っている間はゆっくりしててね」と言って、着替えて部屋を出ていった。



私もいつかドールハウス作ってみたいものです。ただ細かい物が見えにくいお年頃。

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