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若い母だった者

彼女は最近子どもを殺した。

とある昼下がり一人の若い女性が入って来た。彼女は落ち込んだ口調で告白をした。


「私は最近中絶をしました。」


神父にとって衝撃的な事を言った女性は続けて言った。


「彼氏とお互いの合意をしたあとに出来た子供です。」


そう言った女性に神父は呆れそうになった。


「ではなぜ中絶をしたのですか。」


神父がそう聞くと女性は辛そうに答えた。


「なぜって、、、」


「辛いなら大丈夫です。」


そう神父が気づかうも女性は意思を固めてきたらしく答えた。


「本当は彼氏が一緒に居てくれるはずだったんです。しかし、彼は他の女性の方に行ってしまい。若い私にはこの子を一人で育てられる自信が無かったんです。なので中絶をしました。私のエゴで作った子どもなのに、結局私のエゴで殺す事になった事が許せません。」


神父は心に引っかかるところがあったので聞いてみた。


「両親に頼るなどはしなかったのですか」


「家族は私が小さい頃にあった事件に巻き込まれ死にました。恋人には逃げられ、友人はいません。」


それを聞いた神父は言葉を失った。昔に家族を失い、頼れものも居らず自分一人で決めた決断である。それで神父は言った。


「貴方は今後人生を共に出来る友を作りなさい。」


その言葉を聞いた女性は自責の念に押されながらも、「はい、、、」と答えた。

そして女性は懺悔室から出ていった。

神父は懺悔室でさっきの言葉で合っていたのか考えた。

彼女は子を失ったばかりの親と同じ精神状態なのだ、神父は神父であるが故に子を失う辛さが分からない。 それが故に思い悩んでいるのだ。確かに中絶は人殺しと同じ様なものであるが彼女は仕方なくこの手段に出たと言える。原因は彼氏の方である。彼は神父と同じ宗教であれば、不倫を働いた為に然るべき処分を受けるものである。しかし、彼女はなぜその男に裁判を申し込まなかったのか不思議である。そして神父は心の中で神に祈った。


「主よどうか、彼女の様な人々に祝福を。アーメン。」


そして、神父は懺悔室から出て行った。


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