表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

第六話 どきどき!グループデート

どうして悠馬ゆうまくんがここにいるの?


聞いてないし。いや、聞いてたら来てないし……。


私が固まってると、真白ましろがちらっと私の顔を見て、声をかけてきた。


「……大丈夫? 帰ろうか?」


その言い方は、いつもより少しだけ静かで、やさしかった。


「……平気。たぶん」


そう答えたけど、心臓はバクバクしてる。

顔、赤くなってないかな。メイク、崩れてないかな。

ていうか、なんで悠馬くんがここにいるの……?


更衣室を抜けて、プールサイドに出ると、美幸みゆき先輩が手を振ってくれた。


「ななみちゃん、真白ちゃん、こっちこっち~!」


先輩は水着の上にラッシュガードを羽織っていて、髪は高めのポニーテール。

明るくて、いつも通りの“先輩感”がある。


「紹介するねー。こっち拓海たくみ、男子テニス部の二年。一応、彼氏。

 で、こっちが拓海のダブルスの相手、颯太そうた。」


「で、こいつが弟の悠馬。ななみちゃんは知ってるよね。

 家でダラダラしてたから、人数合わせで連れてきた。

 こいつ、私に逆らえないから」


悠馬くんは、先輩の後ろでちょっとだけ気まずそうな顔をしていた。

私とは目を合わせない。


「で、こっちが、ななみちゃんと真白ちゃん。テニス部の一年ね」


「よろしくお願いします」


真白は笑顔で返した。


私は、うまく声が出せなかった。




***




プールサイドのベンチに荷物を降ろすと、男子たちはさっそくプールの方に飛び出して行く。

美幸先輩がその後に続く。


波の出るプールで、美幸先輩たちがはしゃいでいる。

人工の波がざぶんと押し寄せるたびに、キャーキャーと声が響く。

拓海先輩と颯太先輩は、浮き輪を持ってふざけ合っていて、悠馬くんもその後ろで笑っていた。


私は、真白と並んでプールサイドのベンチに座って、それをぼんやり見ていた。

水しぶきがきらきら光って、目を細めるほどのまぶしさだった。


真白は、足を組みながらペットボトルの麦茶を飲む。


しばらくして、美幸先輩が一人だけ戻ってきた。

濡れた髪から、水がぽたぽた落ちてきてる。


「はー、疲れたー」


ベンチの背にもたれて、息をつく。


「でもさ、馬鹿だね~、男子は。ほんとに。浮き輪でサーフィンとかやろうとしてるし」


大きなタオルで、髪の毛を拭きながら笑った。


なんか、すごく楽しそうで、ちょっとだけうらやましい。


そのすぐあと、拓海先輩と颯太先輩、そして悠馬くんも戻ってきた。

みんな髪が濡れていて、顔が赤くて、テンション高め。


「真白ちゃんたち、泳がないの?せっかく来たのに」


颯太先輩が聞いてくる。


真白は答えず、いたずらっぽく言った。


「拓海先輩と颯太先輩って、どっちが速いんですか? 泳ぐの」


その一言に、二人は顔を見合わせた。


「え、どっちだろ」


「よし、競争だな」


拓海先輩が立ち上がり、颯太先輩もすぐに続いた。


「じゃ、競泳プールで勝負しようぜ」


「負けた方、ジュースな!」


二人はそう言って、競泳プールに向かっていった。


美幸先輩が笑いながらタオルを肩にかけて立ち上がる。


「じゃ、審判やる~。真白ちゃんも行こ!」


気づいたら、悠馬くんと二人きりになってた。


やだっ! どうしよう! 急にどきどきしてきた。



遅くなったけど、何とか今日もアップできました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ