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プロローグ
彼との出会いは、あまりに突然で、けれど不思議と初めて会った感じが全くなくて。
それは、刹那という偶然のベールに隠された、必然だったのでしょう。
エリザベスは死後、とある少女にそう語ったそうだ。
エリザベスは大国の王と、その隣国の王女の娘として、生を受けた。若くして、彼らは亡くなり、国が混乱に陥った時期もあったが、現在は豊かな国として再び再興された。
19歳で、彼女はイリスという少年と出会った。
既に大国の女王に即位し名を馳せていた彼女に対して、彼は鬱蒼とした森の奥で、一人林業を生業としていた。