政府の男保護団体
それから、2ヶ月が経ったある日の事、政府の男性保護団体がこの村にやってきたのだった。
一軒一軒隈無く探しているようだ。保護団体の女性一人が柚月さんに
「ここに男性かくまっていないか?」
柚月さんは
「男性はかくまっていないけれど、わたしの性格はボーイッシュだけど」
柚月さんは笑顔で答えたが、保護団体の女性は真剣な表情を崩さなかった。
「そのような冗談はやめてください。これは非常に重要な任務です。この村の全ての家を調べなければなりません。」
柚月さんは少し困ったような表情を見せたが、それでも毅然とした態度を崩さなかった。
「わかりました。でも、ここには本当に男性はいませんよ。」
保護団体の女性は疑念を抱きながらも、次の家へと向かった。しかし、彼女たちは知らなかった。柚月さんの家の地下には秘密の部屋があり、そこに僕が隠れていることを。
僕は息を潜めて、上のやり取りを聞いていた。心臓がドキドキしているが、柚月さんを信じるしかなかった。この村での生活は厳しいが、少なくとも柚月さんがいてくれることで、少しは安心できた。
数時間が経ち、ようやく保護団体の調査が終わったようだった。柚月さんが地下室の扉をそっと開けて、僕に小声で言った。
「大丈夫よ、もう行ったわ。これからどうするか、一緒に考えましょう。」
彼女の目には強い決意が宿っていた。僕たちはこの困難な状況を乗り越えるために、何をすべきかを真剣に話し合い始めたのだった。