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女装しよう
柚月さんは何か閃いたようだ。
「三人とも髭を剃って、確かカツラがいっぱい持っているし、わたしがあなた達を化粧してあげる。いわゆる女装ね」
僕たちは一瞬驚いたが、柚月さんの真剣な表情を見て、すぐに覚悟を決めた。村のルールを守るためには、仕方がない。
「わかりました。お願いします」
と僕は答えた。
柚月さんはにっこりと笑い、
「じゃあ、まずは髭を剃ってきてね。道具はあそこの洗面台にあるから」
と指示を出した。
僕たちは素早く髭を剃り、戻ってきた。柚月さんはすでにカツラと化粧道具を並べて待っていた。彼女は手際よく、僕たち一人一人にカツラをかぶせ、ファンデーションやアイシャドウを使って化粧を施していった。
「ほら、これで完了よ」
と柚月さんは満足げに言った。
僕たちは鏡を見て、自分たちの変貌ぶりに驚いた。見事なまでに女性らしい姿に変わっていたのだ。
「これで、この村のルールに従って行動できるわね」と柚月さんは微笑んだ。
僕たちは頷き、心の中で感謝の気持ちを抱きながら、村の中へと足を踏み入れた。この特異な経験は、忘れることができないものとなるだろう。