翌朝
僕は朝の五時に起きてしまった。こそっとラジオをかけると、ニュースが流れていた。
「このままだと、男性がいなくなってしまいます。政府は男性を見つけ次第に保護していきます。新たなウィルスの影響で、男性の人口が急速に減少しているため、避難所が設けられ、男性を保護するための安全な場所が提供されます。」
僕は緊張で心臓が速くなるのを感じた。このままでは、僕たちも保護される対象になるかもしれない。裕一先輩と大輔先輩にもこのことを伝えなければ。
部屋を出て、二人が寝ている部屋に向かうと、既に裕一先輩が起きていた。
「どうしたんだ、こんな朝早くに」と、裕一先輩が問いかける。
「ラジオを聞いていたんですけど、政府が男性を保護し始めているって…。僕たちも見つかるかもしれません。」
裕一先輩は眉をひそめ、考え込んだ。「それじゃ、俺たちもこのままここにはいられないな。もっと人里離れた場所へ行く必要がある。」
大輔先輩も起きてきて、話を聞くと真剣な表情になった。「それなら、今すぐに出発しよう。時間がない。」
僕たちは急いで荷物をまとめ、再び山間部の奥深い場所へと向かうことにした。ウィルスから逃れるため、そして安全を求めて。