8話 餅屋2
趣味で書いてみました
戦国時代にネットショッピングがあったら、こうしたいなと思って書きました
5日目、早朝から餅をついて、今日も50組を作った
今回は最初から全部あんころ餅だ
「さて店を開けるとするかね。大河、店の鎧戸を開けてくれるかい?」
と菊婆さんが大河に言った
「分かった」
大河が店の鎧戸を開けると、そこには15人ほどが店の前に並んでいる光景が見えた
「なっ、並んでる」
大河が目の前の光景に驚いて言った
「並んでる?」
と菊婆さんが聞き返す
「人が店の前で並んでるんだ・・・」
「なんだって?」
菊婆さんが店の入り口までやってくると、その光景を見て絶句した
「人がなっ並んでる。まさか、あんころ餅なのかい?」
町人
「おい、早く店を開けてくれ。こっちも早く仕事に行かねぇといけね~んだ」
「大河、店の準備を早く」
「わっ分かった」
急いで店を開けると列の一番前の人が開口一番
「1刻ほどまってたぜ、あんころ餅を3つくれ」
「夜明け近くじゃないか」
と菊婆さんが驚きながら話す
「昨日は速攻無くなってたから、早く行かないと買えないって思ってな」
そういうと町人の男が金を支払う
「毎度ありがとうね」
婆さんが慣れた手つきで包みを渡す
「これであんころ餅が食えるぞ!」
ホクホク顔の町人の男が帰っていく
そうして9人目の客の支払いが終わった所、源さんがやってきた
「げぇっ、並んでやがる。ギリギリ買えるか?」
源さんの番となった
「あと6個しかね~、あぶね~」
「今日は3個くれ」
「あいよ」
婆さんが包みを渡す
「まじ~な、明日はもっと早く来ないと買えね~か」
「源さん、昨日のあんころ餅はどうでした?」
と大河が聞いた
「すげ~うまかったぜ。あんなうめ~モン食ったことね~。感動したぜ」
「そうですか、それは良かったです」
やっぱり、うまいのかと手応えを感じた大河であった
「もっと沢山作ってくれよ。買えなくなっちまう」
「そうですね、頑張ります」
「それじゃあ、ありがとよ」
と源さんが手を振って去っていく
「これは凄いね」
菊婆さんが驚いているとまた2人のお客さんが来た
「えっ?あと3つしか残ってないの?」
と若い女の2人組が聞いてきた
「ええ、あと3つで売り切れだよ」
とお婆さんが済まなそうに答える
「しょうがないから3つで我慢するか~。残り全部頂戴」
「あいよ」
「早々と売り切れたね~」
と巴が言った
「こんなに早く売り切れるとは思わなかったよ。しかし、この感じだとまだまだ客が来そうだな。菊婆さん、午後までにもう50個作りましょう」
「そうさね、じゃあ準備するかね」
「売り切れとお昼から再開するってお知らせを紙に書いて貼っておくか」
お知らせを店頭に貼って出しておく
すぐにお客がやってきて、
「売り切れ?」「うわ~」「お昼から再開だってよ」「また、昼に来るか」
などと残念そうに帰っていく
「良し、巴と静はあんこを作ってくれ」
「「分かった~」」
お昼までになんとか追加で50組作り終えた
「もうへとへとだ」
大河が大の字で横たわる
「餅200個はキツイぞ」
「大河と菊婆さんは休んでて良いよ。私たちが店番をするよ」
巴と静が言った
「済まないね~。何かあったら声を掛けるんだよ?」
お婆さんも疲れて休んでいる
「任せて」
「任せて~」
店を再開後、半刻ほどで全て売り切れた
「今日は凄いね~。もう餅もあんこも残ってないよ」
と静は残念そうに言う
売り上げを数えてたお婆さんが
「今日だけで400文だよ」
と、とても興奮した様子で言った
「おお~、凄い」
巴と静も大喜びだ
「明日からは100組作らないとな~。体持つかな・・・」
と大河が言う
売り上げの半分である200文を手にした大河は、疲れながらも充実した顔をしていた
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
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