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29話 織田信長

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです



織田信長率いる4万の軍勢が清州城に入った

そして兵糧などの準備を整え、岐阜城に出立しようとした所に急使が来た


織田家急使

「殿、岐阜城が落城致しました。ご家族も捕縛されておりまする」


それを聞いた信長は天を仰いだ


「馬鹿な! いくらなんでも早すぎる! 岐阜城には5千の兵が居たはずだ!」

と柴田勝家が怒り急使に詰め寄った

戦国時代の常識ではあり得なかった

数か月は持つはずだった


だが、急使は落城の経緯を話し始めた

「武田軍は、煙幕を張り巡らし視界を遮ってございます。そして、その隙に何かの道具を取り付けた部隊が、堀、城壁を越え城内に侵入したとのことにございます。武田軍は2万、お味方は5千、城内に入られては如何ともし難く、瞬く間に落城したとのことでございます」


「なんと! そのような道具があるとは信じられぬ!」

と丹羽長秀が言った


「大河だ。あ奴が関わっているに違いない」

と信長は確信を持って言った


すると、また急使が走り込んできた

「殿、三方が原での合戦は、お味方の敗戦でございます。滝川一益どのは討ち死に、木下藤吉郎どのは行方知らずにございます」


織田家諸将の息を飲む音が聞こえた

あの7万の大軍がこちらにやってくる可能性が高まったからだ


「家康どのはどうなった?」

と信長は聞いた


「岡崎城へお逃げになったとのこと」

と急使は答えた


信長はホッとしたが、7万の大軍が岡崎城を襲う可能性があることを考え、最悪を覚悟しなくてはならないと思った


さらに悪い知らせが届く


急使

「岐阜城から上杉謙信が清州城に向かって来ております」


信長が城壁の外側に城壁より高い柵を建設せよと下知を下し、鉄砲、弓矢の準備を整えさせた


――2日後

謙信率いる2万の軍勢が清州城の本丸から見える位置まで来ていた

謙信は、清州城の手前1里の所に本陣を構え、物見を放ち清州城の様子を探らせた

その結果、織田信長の旗があり4万を超える兵が詰めているとのことであった


謙信は、信長の迅速な行動を称賛した

あわよくば、清州城まで落とせればと思っていたが、流石にそれは叶わなかった


柿崎景家

「殿、如何致しましょう?」


謙信

「2万の兵ではあの城は落とせぬ。大河様を待つ。間もなく来よう」


謙信の軍勢が到着したその直後

最悪の知らせが信長の元に届いた


急使

「岡崎城は落城、徳川家康どのは切腹致しました」


信長

「是非もなし。しからば、清州城にて籠城し武田軍を追い返す」


織田家家臣

「ははっ」


織田軍は柵を全軍で建設し続けた

さらに清州城には、ポルトガルから支援してもらった鉄砲2000丁、鉄砲玉、火薬が大量に貯蔵されていた


この時代、鉛や火薬の原料となる硝石は海外からの輸入に頼っていた

北条、武田などの大名が、鉄砲をそれほど有効に使えなかった理由がここにある

鉛と火薬が手に入り辛いのだ

鉄砲があっても玉と火薬が無ければ無意味である

しかし、信長は鉄砲と弾薬を大量に所持していた

その原資は一体どこにあったのだろうか?

金、銀鉱山を持っていた大名ですら、鉄砲玉と火薬の入手に困っていた程なのだ

港での交易税やら楽市楽座での利益があるとはいえ、鉄砲、玉、火薬を一大名があれだけ用意することなど到底不可能である


そう、その理由は、南蛮国にある

信長は、キリスト教の布教を許す代わりに鉄砲、弾薬などの武器をポルトガルから支援してもらっていたのだ

だが、ただ布教を許すだけでは、あれ程の支援を受けれる訳がない

何を隠そう信長は、日本を統一した暁にはキリスト教を国教とし、ポルトガルの先兵として働くという約定を結んでいたのだ

それ故、あれ程強力な支援をポルトガルから得ることができたのだ

そして、その支援を得て信長は、強国へのし上がっていったのだ


その証拠に、信長は比叡山の仏教寺院の焼き討ちを行った

仏教や仏罰を信じる人にそんなことができるはずもない

信長にそれができたのは、既にキリスト教の信奉者であったからであった



――10日後


岡崎城での処置を終えた大河が、7万の大軍を引き連れて清州城に到着した

そして、清州城を見て絶句していた

それは城壁の外側には城壁より高い柵が全面に張り巡らされていたからだ


「これは、スカ〇ライナー対策か」

と大河は信長の状況判断の素早さに感嘆していた

岐阜城の落城の状況を聞いての対策であろうことは一目瞭然だった

しかも、城壁を見ると鉄砲部隊が鉄砲をこちらに向けていた


「2000丁はありますぞ」

と幸隆が鉄砲の数を大まかに数えて言った


「それだけ鉄砲があるとドローン隊も撃ち落とされるだろうな。しかもスカ〇ライナー部隊の対策もしてある」

大河は今までの戦法は使えそうもないと判断した


大河は、清州城から1里離れた場所に陣を敷き

諸将を集めて評定を開いた


「此度の戦は武田の命運を掛けた戦いだ。諸将の奮闘をお願いしたい」

と大河は家臣の協力を求めた


「どう戦いますかな?」

と幸隆は聞いた


「信長は鉄砲を2000丁以上、それにスカ〇ライナー部隊に侵入されないよう柵で防壁を強化してきている。これでは侵入は難しい」

と大河は推論を述べた


「それならば、我らが突撃しましょう」

と馬場信春、秋山虎繁の両名が名乗り出た


「だが、相手は鉄砲だ。無駄死にするぞ?」

と大河は拒否しようとした


「しかし、他に方法がありますまい」

と馬場信春は言った


う~んと大河は考えていた

と、閃いた

「ならば、これを使おう。無策で突撃するよりはマシだ。だが、危険なことには代わりない。それでもやるのか?」

と大河は両名に聞いた


「戦って死ぬは武士の誉れでございまする」

と秋山虎繁が言った


そのやり取りを聞いていた幸隆が、割って入ってきた

「それならば、こういうのは如何かな?」


「ほうほう。それは面白い。それで行くか」

大河も了承した


――次の日の朝


準備を終えた馬場信春、秋山虎繁計1万は突撃の準備を整えた


「では参る」「おう」

と馬場信春、秋山虎繁は出陣した


両部隊は城の東側から突撃を始めた


オオーーーーー


1万の軍勢が清州城目掛けて突撃していく

そこに、織田軍の鉄砲隊2000が、武田兵に狙いを定め鉄砲を構えた

武田軍が城まで150mほどまで接近した所で

「撃てぇぇぇ」

と佐々成政が砲撃の下知を下した


ババババババーン

ババババババーン

ババババババーン

という轟音が発生し鉄砲が一斉に火を噴いた


「「「ぐぁぁぁぁ」」」


その次の瞬間、バタバタと倒れる武田兵

だが、玉が当たらなかった兵達が城への突撃を継続していた

そして、再度砲撃がもたらされた


ババババババーン

ババババババーン

ババババババーン


という轟音がまたもや聞こえ、鉄砲が一斉に火を噴いた

バタバタと倒れる武田兵

それが数度繰り返され、いつの間にか指揮官の馬場信春、秋山虎繁も地面に倒れていた

そして、武田兵1万は全て地に伏せたのだった


鉄砲の音が鳴り止みシーンと静まり返る戦場

そして、次の瞬間

清州城城内から歓声が上がった


武田側は完全に静まり返り、鉄砲の威力に恐れをなしていた


暫く武田軍の様子を見ていた成政は、武田軍に動きがないことを見て、これだけの被害を出したのだ、もう攻撃してくることはあるまいと思った

そして、鉄砲の構えを解き、火種を消させた


だが佐々成政は、そこで驚愕することになる

倒したはずの武田兵が次々と起き上がり、突撃を再開したのだ


「ば、馬鹿な! 有りえぬ! 武田兵は不死身か?!」


狼狽する織田鉄砲隊


そして、いつの間にか立ち上がっていた馬場信春は

「今の内じゃ、柵を登り城内に侵入するのじゃ」

と指示を出した


1万の武田兵は柵に取り付きよじ登り始めた

佐々成政は、それを見て鉄砲隊に鉄砲を準備するよう指示を出した

だが、鉄砲隊は不死身の武田兵を見て恐怖に震えた

手が震え、鉄砲の弾込めがうまくできない

それでも、一部の鉄砲兵が弾込めを終え、柵を登る武田兵へ鉄砲を向けた

そこで、鉄砲兵は更なる恐怖を体験するのであった


それは、鉄砲兵が鉄砲を武田兵に向けた時、その顔を見てしまったことに始まる

そこには、血を流し青白い顔をした武田兵が目をギラギラさせて鉄砲隊を見ていたのだ

それは正に死人だった


織田兵

「ひぃぃぃ、死人じゃ、死人が向かってくるぅぅ」


それを聞いた別の織田兵も柵をよじ登る武田兵を見てしまった

やはり、そこには顔面蒼白の死人のような顔をした武田兵がこっちを睨んでいた

「ひっ、死人じゃ、地獄に引きずり込まれるぞ」


そして次のような噂が織田鉄砲隊に蔓延し始めた

「武田兵は死んでも向かってくる」

「死人は生きている人を地獄に引きずり込む」


その噂が織田鉄砲隊全体に浸透した

その結果、鉄砲隊は鉄砲を放り投げ、逃げ出した


「待て、戦え、戦うのだ!」

と佐々成政は言ったが、兵達は恐怖でそれどころではなかった


その隙を突いて、武田兵1万が城内に侵入し始めた

それを見た前田利家らが自軍を率いて刀で応戦し始めた


前田利家は武田兵を見てギョッとした

それは正に死人の顔であったからだ

利家はそれでも武田兵と切り結び、武田兵の胴体に刀を突き刺した

だが、そこに肉を断つ感触はなかった


馬場信春から鉄砲隊を無力化したとの連絡をトランシーバーで受けた大河は、全軍に突撃命令を出した

残りの武田軍8万が一斉に清州城を攻撃した

大河は、大型ショベルカーを出し、それで馬場隊がよじ登った場所にある柵と城壁を壊し始めた

そして、柵と城壁が壊された

そのポッカリ開いた穴から武田兵が侵入し始めた


武田兵が城内に侵入したことで、織田兵は狼狽した

柴田勝家を筆頭に織田家臣は奮戦していたが、次第に武田軍の優位に傾いていった


そして遂に、武田兵が本丸に突入した

それを見た、信長は


「もはやこれまでか……」


と言い、本丸に火を付けさせた

人を遠ざけさせ、敦盛を舞った

「これがこの国の決断であるか……」

と独り言を言い残し自害した


こうして、織田信長を討ち取った大河は勝利を確定させた

残された織田諸将は降伏した


大河は、馬場信春の元へ行き、その活躍を労った

「良くやってくれた。信春の活躍で勝てたようなものだ」


「勿体なきお言葉。しかし、某だけではありませぬ。大河様、幸隆どの、虎繁どののお陰にございます」


「虎繁どのはどうなった?」

と大河は聞いた


「鉄砲に頭を撃ち抜かれ、お亡くなり申した」

と信春が悔しそうに言った


「そうか……、虎繁どの、貴殿の貢献感謝します」

大河は虎繁に黙祷を捧げた



―― 昨日の評定時のことである


「ならば、これを使おう。無策で突撃するよりはマシだ」

と大河は防弾チョッキと防弾パンツを出した


「それは何でございますか?」

と秋山虎繁が聞いた


「これは、防弾チョッキと防弾パンツと言う。450年後の鉄砲防御着だ」

と大河は説明した


「そのような物で本当に鉄砲を防御できまするか?」

鉄よりも柔らかそうな見た目であるため馬場信春が半信半疑で聞いた


「なら試してみるか」

と大河は言い、鉄砲を持ってこさせた


木に防弾チョッキを取り付け、至近距離から鉄砲を撃たせた

バンという音がして防弾チョッキが跳ねた

大河は、防弾チョッキを諸将に見せると鉄砲玉が貫通せず途中で止まっているのが見えた


「玉が貫通しておりませぬな! 鉄板よりも強いとは不思議なことよ!」

と秋山虎繁が感心していた


「それに軽い」

と馬場信春が利点に気付いて言った


「だが、これを着ても危険なことには変わりない。それでもやるのか?」

両名に聞いた


「戦って死ぬは武士の誉れでございまする」

と秋山虎繁が言った


そのやり取りを聞いていた幸隆が、そこに割って入ってきた

「それならば、こういうのは如何かな?」

と幸隆は更なる案を出してきた


それは、鎧の下に防弾チョッキ、パンツを着用し、顔には死人化粧をする

清州城に突撃した時、鉄砲玉に当たったらその場に倒れ死んだふりをする

そして、敵鉄砲隊が火縄を消し構えを解いたら、立ち上がり突撃を再開する

という案だった


「ほうほう。それは面白い。それで行くか」

大河も了承した


その日の夕方、1万の兵は思い思いに死人化粧を施し、血の色の顔料を顔に塗っていたのである


次の日の朝、信春たち1万の兵は鎧の下に防弾パンツと防弾チョッキを装備し、死人化粧で突撃したのだ

武田兵が、死人として復活したように見えたのはそういうカラクリであった

だが、当然鉄砲を受けた全員が無事だった訳ではなかった

1万の内、最も清州城に近づいた秋山虎繁を含む数百人が鉄砲の餌食となっていた

だが、それが逆に武田兵全滅という結果に説得力を持たせたのであった

秋山虎繁は、そのことを最初から分かっていたかのように一番前に出ていた

馬場信春は、この策の成功率を上げるため、敢えて虎繁は一番前に出たのだと思った


「虎繁どの、感謝致す」

と信春は虎繁に思いをはせた


こうして大河は、織田信長を討ち取り、織田、徳川連合軍を打ち破った

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


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