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21話 大河の救出3

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです



謙信は上空から撮影しているドローンからの映像を元に、川越城南側の防備の薄い所を攻撃していた


「何故、謙信は防備の薄い所が分かるのだ?」

と氏康は忌々し気に言った


謙信が防備の薄い所を攻め寄せると、氏康はそこを埋めようと兵を動かす

そして、別の所が薄くなるとそっちを攻め始めるのだった

それは正にイタチごっこであった

防御する方は、あっちこっちに動かされ疲労が溜まっていく


そして、北側では信玄が偽情報や煙玉で翻弄していた

煙玉で煙幕を張り、そこで偽情報を流すのだ


真田幸隆

「城内に内通者がおるぞ。背後に気を付けるのじゃ」


北条兵は動揺し、真偽が分からず混乱していた

そこに武田兵が襲い掛かった


無我夢中で防戦していた北条軍だが、疲労から段々それに対応しきれなくなってきた


そして、遂に本庄繫長率いる3000の兵が城門を突破した

本庄繫長

「どりゃ~! どけどけぇ!」

なだれ込む元上杉兵


更に、色部勝長率いる2000の兵が城壁を乗り越え中曲輪に到達した

色部勝長

「大河様をお救いするのじゃ!」


南側が突破されたことから北側の兵達が動揺し出した

その隙を突き、馬場信春率いる3000の兵が2の丸を突破した


それを見た近習は

「氏康様、お逃げ下され」

と言った


「いや、もう遅い。見てみよ。武田の兵が逃げ道を塞いでおる」

と氏康は信玄と謙信が協力して掛かると、これほどまでに厄介なのかと身をもって思い知らされた


「もはやこれまで。大河を殺しておけば北条は生き残ろう」

と大河が囚われている屋敷に火が付けられたのを見て言った

資親が、打つ手がなくなるほど防御を固めた大河を殺すには、屋敷ごと焼き尽くすしかないと火を付けたのだ


氏康は自身の居る御殿に火を付けさせた


「儂の首は誰にも渡さぬ。後は頼んだぞ氏政」

と言い残し炎の中に消えた


御殿が火に包まれたことで、北条軍は降伏した

大道寺資親も降伏し、信玄と謙信の前に引っ立てられた


「大河はどこだ?」

と信玄が聞いた


「あそこじゃ」

と資親は炎に包まれている屋敷を指さした


「火を消せ、直ちにだ」

と信玄は命令を下した


堀の水を使い火は消されたが、屋敷は灰と化していた


「これでは流石に無事ではありますまい」

と馬場信春が悲壮な表情で言った


「大河を探すのだ」

と信玄は命令を下した


「お館様、何かの塊がありまする」

と大河を探していた兵が言った

それは大河が防御のために出した巨大金庫であった

その金庫は煤が張り付き真っ黒になっていた


「その中に居るやもしれぬ。開けよ」

と信玄は言った

そして、兵は金庫の取っ手を掴んだ

「熱っ」

兵は水を取っ手に掛け冷やして金庫の扉を開けた


ぶしゅ~~~~

と水蒸気が放出され、その熱気に兵は体を退いた


水蒸気が抜けた金庫の中を兵が覗き込むと変形した大量のペットボトルと水に濡れた重厚そうな金庫があった

兵は、その重厚そうな金庫を開けようとすると、突然扉が開き、中から真っ黒な頭をした異形の人間が飛び出てきた


「あち~~。もう耐えられん」

とその異形の人間が金庫の外に向かって逃げて行った


「お主、大河か?」

と信玄が声を掛けた


「あっ、お館様。助けに来て下さいましたか!」

と大河は言うとかぶっていた酸素マスクを取り外した


そう、大河は屋敷が燃え始めると、大型金庫の周りに蓋を開けた水の2Lペットボトルを大量に出し設置した

そして、内部に入るともう一つ、人が入れるくらいの大きさの金庫を出した

フレキシブルディスクカートリッジ用4時間耐火試験合格品の金庫である

この金庫は燃えさかる炎の中でも金庫内の温度が52度以下を4時間維持するという優れものである

そして、その金庫の周りにも水の2Lペットボトルを大量に設置した

大河は、酸素ボンベと酸素マスクをかぶり、その金庫へと入った

そして、限界が来るまで耐え忍んでいたのだ


暫く時間が経過した所で、外側の金庫を開けたような音がした

大河は内側の金庫の扉を少し開けた

すると、蒸気が入り込み体を熱した

それで大河は耐えられなくなり外に出たのである


「生きておったか!」

と信玄は喜び言った


「大河様。良うございました」

と謙信は涙ぐんで言った


「ご心配をおかけしました」

と大河は言った


その様子を見ていた資親は信じられないという風で言った

「馬鹿な! あの炎の中で生き残れるはずがない! 大河、お主は一体何者じゃ?」


「聞いているでしょう? 仏の化身だと」

と大河は言った


こうして川越城を攻略し、大河を救出した信玄は、戦後処理を始めた

大道寺資親には切腹を申し付け、避難していた資親の女子供や家族は国外追放となった

それは、大河のせめてもの情けであった


そして、大河を追放した座の者達は

「信玄様、我ら座の者は全員武田家に忠誠を誓いまする」

と座長の葵屋喜平、福屋茂平が言った


「大河よ、どうする?」

と信玄は大河が川越を追放されたことを知っていたため、大河に聞いたのだ


「じゃ、追放で」

やられたらやり返す、等倍返しだった


「お、お待ち下され。我らが居なければ川越は治められませぬぞ」

座長の葵屋喜平が言った


「別に、居なくても問題ないでしょ」

と大河はにべもない


「良いのですかな? 全ての職人を引き上げますぞ」

と福屋茂平が言った


「なら丁度いい、川越を楽市楽座にしましょう」

と大河はむしろ願ってもない提案だと喜んだ


「楽市楽座とはなんだ?」

と信玄は聞いた


「楽市楽座とは誰でも自由に税金もなしで商売ができる政策です。楽市楽座令を発して、自由な商売を推進してはどうでしょう。沢山商人が来て賑わうこと間違いありません」

と大河は言った


「馬鹿な! そんなことをしたら川越は無秩序な町になりますぞ!」

と福屋茂平が有り得ないという風に言った


「大丈夫でしょ。近江国はそれで成功している」

と大河は言った


「ならば、お主らは追放だ。楽市楽座令で川越を復興させる」

と信玄が有無を言わさず決定を下した


「お、お待ち下され。何卒、何卒~」

と座長達は全部言い終わる前に兵に連れていかれたのだった


大河は世話になった人達は川越に残れるよう手筈を整えた


こうして、大河を救出し北条氏康を討った信玄は、関東の覇権を優位に進めた

北条家に靡いていた関東の国人衆はことごとく武田家に帰順した

佐竹、里見、結城も、もはや武田家に反抗するのは難しいと帰順したのだった


そして、残るは相模の国だけとなった


初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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[良い点] 発想が面白い、 [気になる点] もし重機が出せるなら、堀のない城ならユンボ+シールドで無双できるか?ただ風呂に入る為には水を汲み、それを温める費用や手間が必要な為贅沢だったのでわ? [一言…
[良い点] よく生きてたな [気になる点] 1日に複数話それも短時間のうちに更新する場合、最新話の前書きにそれとわかるように何かしら(本日二話目です等)書いてあるとブックマークで更新通知している読者が…
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