20話 大河の救出2
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
――次の日
信玄と謙信は川越城に到達した
そして、信玄は北から、謙信は南から休みも取らず川越城に攻撃を仕掛けた
特に南からの攻撃は凄まじかった
その怒涛の勢いはまるで地獄の底から這い上がろうとする餓鬼の群れようであった
それを見た川越兵は狼狽えた
それもその筈、謙信は褒美に飢えた北越後衆に特大の餌をぶら下げたのであった
「褒美は通常の2倍だ。我が責任を持って大河様を説得する」
と謙信は盛大に褒美を盛った
「なんと! 真か?! これはまたとない好機じゃ!」
と本庄繫長は興奮して言った
「更に大河様を救った者には大幅な加増を約束しよう」
と謙信は更に褒美を盛った
「我らが一番にお救い致すぞ」
と色部勝長が今直ぐにでも行かんとするかの如く、やる気を漲らせて言った
「では、掛かれ!」
と謙信は攻撃命令を下した
越後兵
「「オオーー」」
「不味いな」
と御殿に居る氏康は言った
「凄まじい勢いでございますぞ。如何致しまする?」
と大道寺資親
「この分では、川越城は落ちるやもしれぬ。引き入れられぬなら大河は殺せ。武田に戻せば北条は滅びよう」
と氏康は北条を存続させるには大河を殺すしかないと、殺害命令を下した
「ははっ」
と大道寺資親は走り去っていった
走り去った資親を見て氏康は、
「大河を殺したことが分かれば信玄は川越を根絶やしにしよう」
川越を犠牲にして北条を生き残らせる策だった
「川越の民には恨まれような」
と氏康は独り言を言った
そして、堀での攻防に目を向けるのであった
――その頃、大河の牢屋では
「大河を殺せ! なんとしても殺すのじゃ!」
と資親が命令を下していた
――その日の夜、川越御殿
「なに?! 氏邦が討たれただと?」
と氏康は狼狽していた
連絡兵
「ははっ。武田の補給路を寸断しに出陣した所を、山県昌景に討たれたとのことでございます」
「それは真か?! 山県昌景の部隊は500騎と聞いておる。氏邦が負けるとは思えぬ」
と氏康は信じられないという風に聞いた
「なんでも山県昌景の部隊は、普通の騎馬の2倍以上の速さで動く鉄の騎馬隊であったと申しておりまする」
「なに?! 鉄の騎馬隊だと?!」
そのような物が武田にあるとは氏康も聞いていなかった
「信玄め! 秘蔵の部隊を出してきおったか!」
氏康は補給路を寸断させることができなかった以上に氏邦を討たれたことがショックであった
――時は少し遡り、大河が氏康と邂逅した後
「この手足の状態じゃ、道具を出しても無意味だよな」
暫くどうしたものかと考えていると大河は突然催してきた
「ヤバい、漏らすしかないか?」
大河は我慢の限界に近かった
とそこで閃いた
大河は、足の縄を見つめると査定と言った
すると足を縛っていた縄が消え、査定額が表示された
拒否と選択し、その辺に縄を放り投げた
奇妙にも縄の結び目は堅く結ばれたままであった
次に大河は、首を限界まで後ろに向け手首を見える位置まで持ってこようとした
しかし、なかなか見えない
大河は、腕がつりそうになるくらい両手首を横に持ち上げた
するとなんとか縄の端っこが見えた
そこですかさず査定と言った
同じように縄が消え査定額が表示されたが拒否をして、縄をその辺に放り投げた
「やった解放されたぞ」
と言って簡易トイレを出し用を足した
「ふい~~。危なかった」
と大河は腕で額の汗を拭った
「さてどうしたものか」
大河は、トランシーバーを出して通信してみたが、どこにも繋がらなかった
近くにはいないのか、場所が悪いのかどちらかだろう
大河は、ひとまず布団セットを出して寝っ転がった
「ふぃ~、気持ちいい。脱出もできないしのんびりするかないな」
と開き直って言った
そして、次の日の朝
見回りの兵が大河の様子を見にくると
「異常なし」
と縛られながらも床に転がって寝ている大河を見て言った
「良し、行ったな」
大河は、見回りの時間を分析し、その時間になると縛られた風を装っていた
当然縛られてはいないのだが、足に縄を巻き付け縛られているように見せかけ、手首は見えないように体で隠して凌いでいた
氏康は大河に水すらも与えず苦しめ、北条に従えば解放してやろうと取引を持ち出してきた
そうでもしなければ、従えることは難しいと考えてのことだ
死んだならそれはそれで良いと思っていた
しかし、大河は見張りが居なくなると楽市楽座で現代の食事を出し楽しんでいた
流石に酔っぱらうと緊急事態に対応できなくなるので、酒は控えてはいたが、ノンアルコール系ドリンクを出して楽しんでいた
そして、10日あまりが経過し周りが騒がしくなってきた所で情勢が変わった
「むっ。周りが騒がしいな。まさか戦か?」
と大河は聞き耳を立てた
するとガチャガチャと資親が数人の武装した兵を引き連れてやってきた
「大河を殺せ!」
と資親が命令を下した
武装兵が弓を構えた
大河は「まずっ」と言い、すぐさま起き上がってポリカーボネートの盾に身を隠した
ガコン、ガコン、ガコン
と弓が盾に当たり跳ね返る音がした
「何、どういうことじゃ? 大河は縛られておらぬぞ?」
と資親が詰問するように見張り兵を睨んだ
「わ、分かりませぬ、今朝までは確かに縛られておりましたが」
と見張り兵
「馬鹿者めが! 縛られている風を装っておったのじゃ!」
「も、申し訳ございませぬ」
「もう良い、早く大河を殺せ!」
と資親は命令を下した
武装兵が牢屋の扉の鍵を開け始めた
「ヤバい」
と大河は縦:3.3m、横:2.2m、高さ2.2m、重さ2.5tの巨大金庫を出し、牢屋の入り口を含め木の格子全体を塞ぐように設置した
そして、その中に石が入った袋を出し重量を嵩上げした
「何がどうなっておる? 突然鉄の塊が出現しおったぞ」
資親は言った
武装兵が牢屋の扉を開け放ち、鉄の塊を押すが当然ビクともしない
「大河を殺せ! なんとしても殺すのじゃ!」
と資親は焦りながら命令を下した
そして、これから大河の生死を掛けた攻防が始まった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです