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16話 街道の建設3

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです



――1567年12月


遂に直江津、海津城間の道路が完成した

総工費、30億ポイント、人件費3年であった


「銀次郎、良くやった。これで物流が潤滑になるぞ」

と大河は嬉しそうに言った


「ははっ。有難き幸せ」

何だか、言葉使いが武士らしくなってきた銀次郎であった


「何だその言葉使いは?」

と大河は揶揄するように言った


「大河様。某も武士となったので言葉使いもそれらしくと思いまして」

と銀次郎は答えた


「なるほど。確かに武士に取り立てていたな」

と戦闘をしない部隊なので、すっかり忘れていた大河であった


「良し、早く完成した褒美に来年2月までの休暇と全員に1石分の加増と追加で金500文をやろう」

ボーナスとして金500文、そして給料が2倍になったのである


「「「おお~!流石大河様!」」」

と大河組は大喜びであった


「でも来年2月からは、海津城と深志城の間の道路を建設してもらうからな。今のうちに英気を養っておけ」

と大河は釘をさすことを忘れなかった


「「「ははっ」」」


こうして、念願の直江津、海津城間の道路が完成した

戦国時代の道は広い所もあったが、狭い所では人がやっとすれ違えるくらいの狭い道が普通であった

江戸時代に整備された5街道ですらこれに毛が生えた程度の物である

それが片道3.5mの2車線+歩道の現代道路が出現したのである

勿論信号などはない、完全自由走行の現代道路である


しかし、その威力は絶大だった

まず、塩の輸送が格段に速く多くなった

それに、青苧の輸送も格段に増えた

海津城の特産品の山芋、山の幸が直江津へ輸送されるようになった

そして、蕎麦屋がこの道沿いの宿場町にでき、また直江津にもできた

交易が活発になったことで金銭のやり取りも大幅に増えた

人の交流も増え、直江津と海津城間の訪問も増えた

何より自動車が通行できるようになったのだ

それにより、直江津と海津城下が更に発展していくことになる


また、道路の使用についてお触れを出した

3.5mの2車線は自動車、バイク専用とし、左側通行とした

これは高速で動く自動車、バイクに轢かれないようにとの配慮である

歩道は自由に使って良いとした


それと大河は直江津に大名直轄の輸送部隊を創設した

4tトラックを3台と冷蔵冷凍車4tトラック2台と先導用の自動車4台である


そして、商人たちに物を運びたければお金を払えば輸送してやるとお触れを出した

通常、荷物を引いて歩いていけば海津城まで10日程度掛かる工程だ

それがトラックを使えば2、3時間で海津城まで行くのである


これに鮮度が重要な漁師たちが恐る恐る使い始めた

そして、海津城下に新鮮な魚を扱う魚屋ができた

大河からすると少し割高感があるが、山で海の魚や貝などが買えるのである

金のある武士、商人達がこの魚介類を買い求めるようになる


こうして、直江津と海津城の間に交易網を作った大河は、信濃への交易量を増やしていくのであった


また、能登、加賀の一部、越中、佐渡、越後を支配下に置いたため、その港は全て武田家の支配下となった

そのため、通行税、交易税が莫大な金額となったのだ


直江津だけでも4万貫である

全てを合わせると20万貫にもなった

200億ポイントである

半分を信玄に納付しても100億使えるようになったのだ


「この金で武田家領内の道路建設をやってしまおう」

と大河が言った


「何故、道路をお作りになられまするか?」

と銀次郎が不思議そうに聞いた


「道路を作ることによって交易が促進される。そうなれば、山の民も地元では取れない、作れない品が買え豊かになれるからだ」


「なるほど。それは良いことでございますな」

と銀次郎は故郷が豊かになることを想像したのか弾んだ声で言った


そして、大河は大河組の人員をさらに1500名増やした

総勢3000名である

これは将来のための布石である


同じ頃、海津城の高坂昌信は、完成した道路を見てこう呟いた


「なんと大きな道よ。これが直江津まで続いておるのか…」


高坂昌信はこれほど大きな道を甲斐の町中でしか見たことがなかった

それが、山道を含め直江津までずっと続いているのである


「こんな物を作ることができるのか。なんと恐ろしい技よ」


昌信は、配下1000人に道路の作り方を学ばせていた

その報告を聞くと、アスファルトとコンクリートいう素材が必要であるが

自分達でも作れるという報告であった

但し、重機が無いと時間が掛かるうえ、強度も落ちるとのことであった


「こればかりは大河に頼るしかあるまい」


昌信は、道路の完成式に出席した時、大河に自分たちでも道路の建設をしたいと相談し、重機、燃料、コンクリート、アスファルトを提供してもらっていた

昌信は、1000人の道路建設従事者の内500名を大河組から離脱させた

そして、上田城へ向け少しずつ道路を建設し始めるのであった


また、昌信は大河から勧められて輸送部隊を組織した

まだ様子見ということで4tトラック2台と先導用の自動車を2台を購入しただけとなった

それと去年の正月に信玄に見せられたバイクを10台購入した

まだ昌信には大河のスキルを有効に使えるだけの金がないためだ

交易が増えれば、通行税などで金が手に入る

そうなれば、トラックとバイクを増やすつもりだった

それでも、海津城から信濃内の城に1日で行けるようになったため利便性が格段に上がったのだった


その頃、躑躅ケ崎では忍びが信玄に報告をしていた


「お館様。大河様がお作りになられていた直江津、海津城間の道が完成致しました」


「ほう。完成したか。様子はどうじゃ」


「人の行き来や交易が活発になってございまする」


「なるほど。大河は必死に武田の未来を作っておるのだな」


「は?どういうことでございましょう?」


だが、信玄は返事をしなかった


信玄は、知らないととぼけて未来のことを話さない大河が、本当はこれからの歴史を全て知っているのではないかと疑っていた

そして、言わないということは武田家の未来は良くないのだろうとも推測していた

でなければ、あれ程働く訳がない

武田家が安泰ならば、あれだけ内政を充実させ、戦力を充実させ、領土を広げようとはしないだろうと思っていた

だが、信玄には武田家没落の原因が何なのかを思いつくことができなかった



――1568年正月


今年も甲斐にて正月評定が行われた


「正月評定を始める」

と信玄が言った


「大河よ。越中、能登、加賀の一部の制圧大儀であった。褒美として星月夜正宗を与える」


「はは~。有難き幸せ。家宝と致します」


「流石は大河どのよ。僅か4年で越中、能登、加賀の一部を制圧するとは」

と幸隆が関心したように言った


この功績で、武田家譜代家臣はおろか新参者を含め大河の実力に疑問を持つ者は居なくなった

最初、北越後の国人衆は大河の力に疑問を持っていたが、内政と戦の成果を見せられ服従する方が良いと判断した


その間、信玄は上野国の掌握と駿河侵攻の準備を進めていた

上野国は北条との国境の境目であり紛争地帯である

そこの支配が今後を左右するため、武田、北条供に力を入れていた


また、駿河では小競り合い程度の争いは発生していたが、大規模な戦は発生していなかった

その理由は、信玄が大規模な軍を起こすとすぐさま北条が駿河に援軍を派遣、それを聞いた信玄が撤退するといった膠着状態になっていたからだった


「大河よ。勝頼の傘下に入り関東を攻略せよ」

信玄は、駿河攻略の停滞を打破するため、本格的に関東への侵攻を始めるつもりのようだった


「はは~。承知致しました」


星月夜正宗を手に入れた大河は、その価値を知らないため、これがどれだけの買い取り値段なのか査定してみた

そこには驚いたことに10億とあった


「げっ。超高額品だ」

大河は、緊張しながら買い取り拒否を選択した

信玄もだいぶ奮発したようである


「こりゃあ、とんでもない品だぞ」

とホクホク顔であった


また、大河は、昌景から鉄の馬の食料について相談を受けていた

鉄の馬の訓練をすると食料がすぐ足りなくなるとのことだ

大河は、そういえば甲府には500台ものバイクがあるのだったと思い出していた


そこで大河は、20000Lの密閉型巨大タンクを楽市楽座で購入した

そのタンクを甲府の町の郊外に置き、警備兵を配置した

そして、そこにガソリンを入れ、ガン付きホースを放出口に取り付けた

疑似ガソリンスタンドを作ったのである

金はだいぶ掛かったが、全て信玄に支払ってもらった

まあ、その原資は大河の支配する港の税金であるのだが


「このガンを給油口に差し込み、引き金を引いて給油します」

と昌景にやり方を教えた


「なるほどのう。これだけ食料があれば足りぬことはあるまい」

と昌景が安心したように言った


こうして大河は、ガソリン問題を解決したのであった

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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― 新着の感想 ―
[一言]  通販で手に入る物資はどこからか取り寄せてるんじゃないなら何とか永久機関にしたいものだな、例えば現代なら鳥取砂丘に夏場にかられた雑草みたいな無価値に近い物を安価で手に入れるなら被せるようにす…
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