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14話 医療図書館

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです



大河は、富山城城主に上杉家臣だった斎藤朝信を任命した

斎藤朝信は忠義、仁愛の心が深く、士卒をいたわり、百姓をいつくしんだので万人から慕われた名将である

内政においても活躍し武闘派の多い上杉家臣の中でも万能の将であった


「朝信、越中を任せたぞ」

と大河は信頼しているという風で言った


「大河様。お任せあれ」


「何かあれば通信機で連絡を取れ、すぐに駆け付ける」

慣れない土地で心配であろう心情をサポートも万全という体制を示し安心させた


「ははっ。一向宗をも傘下に組み入れたとのこと、ご心配には及びませぬ」


「それでは宜しく頼む」


「承知仕りました」


そして大河は、謙信、昌幸と春日山城の常備兵5000を連れて春日山城へ帰還した


春日山城に帰った大河は、現代医療書の図書館を作ることにした

戦国時代の医療は薬の処方を基本としていた

矢、銃弾などが体に入った場合は、それを抜くということが行われていたようだが、外科手術などという高等なものはなかったのだ

病気にしても、症状から合うと思われる漢方薬を処方し、後は祈るだけであった


それでは、治る病気も治らないと考えた大河は、医療書を楽市楽座で出し、それを図書館に収めることを考えた

そして、その医療書を僧、医者達に研究させ習得してもらおうと思ったのだ

ペニシリンなどの抽出も研究が進めばできるようになると期待していた


基本的に大河は、その方面は素人であるため役立たずである

そのため、分かる範囲で基本的な医療知識と専門的な医療知識の区分けするつもりであった


大河は、鉄筋コンクリート作りの2階建て図書館と思わしき図面を楽市楽座で購入した

それは総面積4000平米を誇る巨大なものであった

蔵書は20万冊規模である

これをベースに直江津の郊外に地盤が強固な敷地を確保

本を盗まれないように、入り口が1つしかない厳重な防犯態勢を整えた建物の建設を始めた

大河は、現代の鉄筋コンクリート建築を行うにあたり、今後を見据えて1万の常備軍を動員して行うことにした

現代の鉄筋コンクリート建築は、この時代の建築とはあまりにもかけ離れた建築である

寸法も違えば、工法も全く違うのである

そのため、大工を動員するよりも、常備兵に経験を積ませる方が良いと考えたのだ

大河は現地で指揮を執り、ホワイトボードに図を示しながら兵たちに説明した

重機も大量に出し、常備兵たちに操作方法を訓練しながら建築していった


基礎工事、鉄筋の組み上げ、コンクリートを流し固める工程を6か月で終わらせ

外装工事、内装工事、外構工事は2か月で終わらせた

図書館の屋根にはソーラーパネルを敷き詰め、空調設備を入れた

本のコピーを可能にするため、コピー機も設置した

本自体を盗まれるのは困るが、知識を外に出すことは問題ないと判断したのだ


そして、1万人の人海戦術ということもあり現代医療図書館は1567年7月に完成した


「完成したぞ」

と大河は感慨深げに言った


「大河様。これが図書館ですかな?」

と徳本が見たこともない奇妙な建物だなというように言った


「そうです。徳本先生にも是非使って頂きたい」


大河と徳本は図書館の扉の前に立った

図書館の扉は黒い鉄の観音開き式扉であった

大河は、その扉の中央にある南京錠を開け、図書館に入った

そして、現代医療の基礎知識の区画に徳本を案内した

まだ本はこの区画にしか無いのだ


「ここが450年後の医療基礎知識区画です」


徳本は1冊の本を手に取り基礎編というページを読み始めた


「言葉が分からない所が幾つかありますが、これは宝の山ですぞ。この風邪を含む病気は目に見えない程の小さな生物によるものとか。臓器の種類、役割などが書かれております。この知識を宝と言わず何と言いましょう」

とまるで宝物を見つけたようにウキウキした声で言った


「喜んでもらえたのなら嬉しいです」


「大河様。これを作られた貴方は正に仏の化身ですぞ」

徳本は大河に感謝の念を込めて言った


「徳本先生、貴方も仏の化身と呼ぶに相応しいお人ですよ。今後の成果に期待しています」


「大河様。ご期待に沿えるよう努力しますぞ」


徳本は、大量の現代医学知識に触れ興奮していた

現代医学知識の幅は途轍もなく深く広い

恐らく、これらが理解できるには百年単位の時間が必要だろう

だが、その種が植えられたことに意義があるのだ


「徳本先生。1つだけお願いがあります」


「何ですかな?」


「一向宗の僧たちがここを訪れます。その僧たちに、分かる範囲で未来の医療知識を教えてもらえませんか?」

現時点で徳本が一番現代医学を理解していた。そして一番情熱があるのだ

大河は、その知識を広めてもらいたかった


「ほう、大河様は医者の養成をここで行うお積りか?」

と少し驚いた様子で言った


「そうです。医者が多くなればそれだけ人が助かります」


「それならば、承知しましたぞ」

徳本も我が意を得たりという風に承諾した


「お願いします」

と大河は頭を下げた


徳本はこれから面白くなるぞと言いながら本に没頭し始めるのであった


そして、大河は尾山御坊に居る頼総に宛て、僧の派遣を依頼した

頼総は医療の心得のある僧200名を直江津に派遣

徳本と200名の僧による現代医学と薬学の研究が始まるのであった


そして、大河はこの図書館の館長に巴を当てた

警備兵を20名ほど付けて図書館の管理をお願いしたのだ

大河と一緒に居て現代の知識があり信用の置ける巴がこの図書館を管理するのに最も適当だと思ったからだ


「巴、この図書館の館長をお願いしたいが良いか?」


「大河の頼みならやるわ」


「ありがとう」


「でも、その代わり出して欲しい本があるの」


と巴がお願いしてきた本とは、現代の女性用雑誌であった

大河は、前回の美容系雑誌が面白かったのだろうと思い気軽に要望に応えた


だが、それは間違いであった

巴は、美容系雑誌の巻末の方にあった宣伝を見て、その女性用雑誌が欲しいと言ったのだ

その巻末の宣伝とは…


エッチな漫画や特集であった

実は巴も、昌幸にお世継ぎをとせっつかれていたのだ

それを生真面目に受け取った巴は、大河は未来の人間なのだから、未来のやり方を学ぼうと思ったのだった

昼間、巴は館長室の中でその雑誌を読みふけっていた


美容系雑誌から学び取り、途轍もない美貌になった巴である

今度は、その努力を性関連にまわし始めた


そして大河は、その威力を数か月後に体験することになる

だが、それはまた別のお話しとなる


初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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― 新着の感想 ―
[一言]  ああ、医療を宗教にゆだねたわけじゃなく医者は医者で居るのか、もし僧だけに与えてたら未来で多宗教から一神教でバレンタインもクリスマスもなく政府不介入からの多額の喜捨が必要な世界になるかもなぁ…
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