10話 武田家軍備改革
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
遂に100万PV達成しました
皆さま、ありがとうございます。
また、誤字脱字のご報告、ありがとうございます
大変助かっております
――1565年年末
今年、大河は甲斐に行き正月評定に出席する予定だ
雪の降る前の11月に甲斐へ行き、雪が解け始める頃に帰る予定である
越後国内もほぼ掌握しており、長期不在にしても問題ないと判断したからだった
正月評定が始まるまでは、大河は巴の引っ越しの手伝いなどを行っていた
また、静、佐吉から大網屋の経営相談を受けていた
「大河お兄ちゃん達が越後に行くと私達の商売のネタが無くなるの」
と静は言った
「なるほど。確かに」
と大河は言った
大河が居なくなると商品の補充が難しくなる上、新しい商品を仕入れることも難しくなる
「そこで、何かいい案はないかなって」
「秋はさつま芋を売り、夏は桃、葡萄を売ったらどうだ?桃、葡萄は栽培者を知ってるからそこに頼んでみるよ」
「わ~、ありがとう~。でもさつま芋は?」
「さつま芋は自前の畑で育てるんだ」
大河は甲府の町から少し離れた所にある土地を購入した
そこで畑の作り方、栽培方法を書いた冊子を渡した
植えるのは春過ぎからである
種芋から育てるため、大変だがやりがいがある
失敗したらさつま芋そのものを送ってあげるつもりだった
大網屋も人員を募集し、もう8人ほど雇っているらしい
「年末だし、全員でパーと宴でもやるか!」
と大河が言った
大網屋で雇った人員は護衛の3人、丁稚奉公の5人であった
8人供大網屋に住み込みで働いている
募集して来たのがこの8人だったとのことだ
全員で大河の邸宅に移動し、宴の準備を始めた
新しい8人は大河の邸宅を見て
「「「なんだこれは!」」」
とつぶやいたとか
やはり屋根に付けられているソーラーパネルが異様な雰囲気を醸し出していた
それを見た8人はあっけに取られていた
8人は恐る恐る邸宅に入ると、今度はその温かさに驚いた
薪ストーブの威力である
「ここはまるで極楽のようじゃ」
大人数をもてなすための大きな座卓に座布団が並べられた
3人の護衛には酒を5人の丁稚奉公にはジュースを配った
豪勢にパーティーオードブルやピザなどが並べられた
大河達もそれぞれ好きな物を取り乾杯の挨拶を始めた
「大網屋主人の岩崎大河だ」
「岩崎大河様?!まさか一門衆の?」
「そうだ。と言っても一門には最近なったばかりだ。気軽に声を掛けてくれ」
「「「はは~」」」
「それでは乾杯。好きなように食べてくれ」
「「「乾杯」」」
大網屋は年を経るごとに売り上げが伸びていく傾向にある
「巴、静、佐吉、今年も良くやってくれた。これから俺は大網屋を手伝えない。大網屋は静、佐吉に任せる」
「分かったよ~」
「お任せください」
「必要な物があれば春日山城に連絡してくれ。佐吉を大網屋の主人とする。大網屋を頼むぞ」
「お任せを」
何だかんだと言いながら、佐吉と静の2人は仲が良い
というのも、静が巴に付いていくと言わないからだ
だから、大河はあまり心配をしていなかった
丁稚奉公の5人は並べられた揚げ物などの食べ物を食べていた
「なんと美味い!」
「これは美味い!」
「こんなものを食べれて私は幸せです!」
と涙を流す者すら居た
「この酒は清酒だぞ」
「真じゃ。初めて飲んだぞ」
と3人の護衛も大喜びだった
そして、年末は大盛り上がりで過ぎていく
――正月になり評定が始まった
例年通り各表彰などが行われた
「今年は力を蓄える。そして包囲網の打破を目指す」
と信玄が言った
「「はは~」」
そして、上野国の国主に武田勝頼が任命された
その他、随行する与力が発表された
本格的に包囲網の打破を目指すようだ
「大河。お主はどうするつもりだ?」
「ははっ。今年は街道の建設を継続しつつ、越中の攻略を目指します」
「分かった。お主の好きに致せ。だが一向宗とは敵対せぬように」
「何故にございますか?」
「本願寺とは縁戚関係にある。事を起こせば協力関係が壊れるためだ」
そう、信玄の妻、三条の方の妹(教光院如春尼)が本願寺顕如の妻であった
そういう関係であったため、謙信への一向一揆のけし掛けなどが行えたのだ
「そういうことでしたか。承知致しました」
諸将の今年の方針が固まった
「最後に新しい軍備の部隊を作ることにした」
と信玄が言った
諸将
「新しい軍備の部隊?」
大河も初耳だった
「何の部隊にございまするか?」
と高坂昌信が言った
「山県昌景率いる赤備えだが、これを木曽馬から鉄の馬へと変える」
「はぁぁぁ?」
と大河が言った
大河も聞いていなかったのだ
確かに、昌景に言われて500台のオフロードバイクを売った
しかし、それは個人的に欲しい人が居たのだとばかり思っていた
「その名を武田の鉄騎馬隊!新たな武田の象徴とする!外を見よ!」
と信玄が声を張り上げた
「「「な、なんと!」」」
と館の外には500台の赤いバイクが勢揃いしていた
2人で1つのバイクに乗り、1人が運転役、1人が攻撃役となる構成だった
移動速度は馬の2倍以上。疲れを知らず、縦横無尽に動く騎馬隊の出現である
「「「おお~!何と凛々しい!」」」
(うおー、何て事を考えやがるんだ)
と大河もビックリだった
そう、信玄が金を欲しがったのも、武田軍の軍備を更新するためだった
大河のスキルは有用だが、金が掛かり過ぎるのが難点だ
戦国時代には産業が殆どない。そのため金を稼ぐ手段があまり無いのだ
信玄は大河の戦い方を見て、技術力の差が戦力に決定的な差を生むことを学んだ
そのため、使える金を軍備に当てようというのが信玄の考えだった
これが、その第一弾だった
そして、大河は最後に三条の方、菊姫を訪問し、正月の贈り物を渡すのだった
流石に婚姻相手に正月の挨拶をしないなど許されることではなかった
その辺は流石の大河も心得ていた
その贈り物は美容と健康に良いミカンなどの柑橘類
美容液、化粧水などの肌ケア製品
髪をツヤツヤにするシャンプー、トリートメントなどである
これを見た三条の方から、流石婿殿じゃというお褒めのお言葉を頂いた
「そこで相談があるのじゃ、婿殿」
「なんでございましょう?」
「3面鏡じゃ。あれが欲しい」
「いくつ必要でございますか?」
「20じゃ」
「20!また随分と多いですね」
「木曽、高坂、内藤などの奥方が欲しがっておる」
「分かりました。似たような物であれば20用意できます」
「頼んだぞ」
と大河は蔵に案内され20個の3面鏡を出した
「うむ。これで約束を守れそうじゃ」
と三条の方が言った
三条の方はこの3面鏡を使って裏外交を行っていた
武田家内部の奥方同士の結束を固めたり、京にいる自身の親族に贈り、公家への心象を改善したりしていた
大河は知らず知らずのうちに、武田家の外交を手伝っていたのだった
こうして、正月評定は終わった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです




