6話 街道の建設
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
秋も終わりに近づく頃、大河組が直江津に集結していた
これから街道の建設を開始するのだ
道路の建設にはまず道路の土台となる「路床」を作る。それは、土を削った後、平らになるように均し土を締め固める工程だ
次に砕いた石からなる「路盤」という層を作る。砕石を入れ、平らに均し、締め固める
そして、最後に基層・表層を作る。アスファルト合材を入れ、平らに均し、しっかりと締め固める
それと同時に道路の脇に排水路を作り道路は完成する
その費用は全て楽市楽座で買うと、材料費のみだとしても一般道規格(道路幅3.5m X 2)で1km 5千万ポイント掛かる
土地買収費用は、この時代ではほぼ掛からない。人件費はジャガイモで賄うことにした
流石に、1km 5千万ポイントだと高すぎて港の収入だけでは厳しい
そこで砕石を近辺の山で調達し、アスファルトとコンクリートのみを楽市楽座で購入することにした
そうすると1km 3千万ポイントまで費用を圧縮することができた
その砕石を大河組の700人で調達しに行ってもらった
流石に、全部人力ではキツイので砕石組にはリヤカーと石切り道具などを楽市楽座で出した
こちらは銀次郎に指揮を執ってもらった
こちらは後で重機を出して補佐する予定だ
残りの300人は路床作りを開始する
こちらは重機が無いと効率が悪すぎる
路床組は大河が指揮を執った
そして、ショベルカーを出して土を掘り始めた
そうして慣れていないこともあり1月で道路幅3.5m、2車線の車道+歩道のアスファルト舗装道路1kmがやっと完成した
「やっと完成したぞ」
と大河が言った
「苦労しましたな」
と銀次郎
「しかし、これを後94kmやらないといけない」
そう直江津から海津城まで95kmもあるのだ
「ゾッとしますね」
しかし、明るい兆しも見えていた
大河が教えたこともあり、大河組で重機を扱える人が10人にまで増えたのだ
これから重機を増やしていけば作業が早くなる
しかし、雪の季節となりこれで道路作りは一旦中止となる
――年が明け1565年の正月
躑躅ケ崎では正月評定が行われていた
しかし、大河は越後国内の掌握のため出席しない旨を表明していた
また、雪で出国するのが大変という事情もあった
「正月評定を行う」
と信玄が言った
「去年は宿敵上杉を下し、越後、上野を制した。皆の者、大儀であった」
諸将
「「はは~」」
「功第一位は大河だ。大河には菊を与え一門とし、越後を治めてもらうこととした」
また、同時に側室も娶ったことが知らされた
「な、なんと」
「大出世じゃ」
「お館様。何故でございますか?」
「謙信が大河を慕っており、大河のみに従うということであったからだ」
「なんと」
「大河を国主に据えることで越後と謙信を手に入れられたのだ。安いものであろう?」
「はは~。流石お館様に御座いまする」
そうして、次は収穫高の報告に入った
「今年の収穫高は甲斐で60万石」
と幸隆が言った
「「な、なんと!どうなっておる?」」
それ以外にも真田領、内藤領が軒並み通常の3倍の取れ高となっていた
これによって信濃は50万石、甲斐は60万石の取れ高となった
「こ、これはどういうことでございましょう?」
と高坂昌信が言った
「ふはは。これは大河の持ち込んだ米を植えたのよ」
と信玄が言った
「もしや、未来の米にございまするか?」
「うむ。この米は良いぞ。美味い上に量も3倍採れるのだ」
「美味しゅうございますか?」
ならばと信玄は今年採れたコシヒカリで握り飯を作らせた
米はちゃんと白米に精米されているものである
これを食べた武田諸将は、その美味さに驚愕した
「なんと美味い!」
「この握り飯の味は、我が領地で取れる米とは別物でございますな」
「この味でしかも3倍もの量が取れると申されるか」
「なんと素晴らしき米であることよ」
諸将
「「「お館様。この米を我が領地でも植えとうございます」」」
「分かっておる。配る準備をしておる故。沙汰を待て」
「「「はは~。ありがたき幸せ」」」
こうして評定は終わった
――同じ頃、春日山城にて
「大河様。最近忍びの活動が活発になっております。お気を付け下され」
と軒猿の頭領の左之助が言った
「分かった」
「間者ぞ。出会えー、出会えー」
「早速かよ」
最近、商人と称する人物の訪問が増えた
その中には、堂々と大河を勧誘する者も居た
それを大河は面倒くさそうにあしらっていた
今更、武田家を出奔して最初からやり直すなど大河には考えられないことであった
しかしそれらをあしらって以来、忍びの侵入が活発になっていた
そして夜はどうしても警備が薄くなる
その対策をしないといけないようだ
そこで大河は、ヘルメットの取り付けられる暗視鏡ゴーグルを10個出した
これを夜の巡回兵に渡したのだ
「それは何でございますか?」
と左之助が聞いた
「これは暗視ゴーグルだ。夜でもはっきりと見ることができる道具だ」
「なんと!それは忍び殺しでございますな」
「気を付けろよ?軒猿も黙って入ってくれば見つかるぞ」
「大河様。脅すのはご勘弁くだされ」
と左之助は言いながら聞いといて良かったと思ったのであった
それからというもの、夜の侵入が段々減っていった
というのも、夜陰に紛れての侵入ができなくなったからだった
「間者ぞ。出会えー、出会えー」
「馬鹿な。何故見つかるのだ」
風魔の忍びが言った
その忍びが侵入した時は、真夜中でしかも月の光がない曇り空であった
辺りは真っ暗で、足元すら見えないほどの闇であった
「お主の姿、儂からは丸見えぞ」
と奇妙な丸い兜と大きな黒い箱を目に取り付けた武田兵が言った
そして武田兵がその忍びを包囲し始めた
「然らば、御免」
とその忍びは煙玉を警備兵に投げ逃げに入った
「追え、追え~」
こうして大河は安寧の時を取り戻すのであった
小田原
北条氏政・氏康の元に風魔の忍びの者が春日山城の大河について報告をしていた
「なんだと。侵入する隙がないと申すか?」
と氏政が言った
「ははっ。仰せの通りでございます」
と風魔の忍びは答えた
「侵入することが出来ませぬ故、情報を得ることも密談することも暗殺することも出来ませぬ」
「それほどまでに春日山城は警護が優れておるのか」
と氏康
「以前はそれ程厳しくはございませんでしたが、近頃急に厳しくなり申した」
と風魔の忍び
「そうなると方針を変えねばなるまい。策で排除するしかあるまい」
と氏康が北条幻庵に言った
「ははっ。承知仕りました」
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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