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4話 特産品

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです



大河は領民を召し抱えた日、自宅へ帰った


家の前には、仁王立ちしている昌景が居た

隣には信蕃が申し訳なさそうな顔で立っていた


「これは昌景どの。お元気そうでなにより」


「大河よ。信蕃に聞いたぞ。鉄の馬を信蕃に売ったそうだな?」


「はい。売りましたよ」


「売りましたよではない。あれは儂が狙っておったのだ」


「???」


「お主と箕輪城まで行く時に使ったあの鉄の馬よ」


「ああ、あれはまだ家にありますよ?」


「ん? あの鉄の馬ではないのか?」


「だから違うと言っておるではありませぬか」

と信蕃


「あのバイクが欲しいのですか?」


「欲しい」


「分かりました、あのバイクはほぼ新品なので7貫で売りましょう。またその他にガソリンが必要です」


「名馬1匹と考えれば安いものよ」


「確かに、常に食べ物が必要ということではありませんし、乗る時だけガソリンがあれば良いので経済的ではあります。ではこちらへどうぞ」


と大河は家の脇にある馬小屋に昌景と信蕃を連れて行った

そこには2台のオフロードバイクが鎮座していた


「2台もあるな」


「はい。春日山から帰ってくる時に購入したものです」


「これがスマートカードキーです。この鍵を持った状態でバイクの電源スイッチを押します。その後バイクの電源スイッチノブをONの所まで回すと動きます」


昌景がバイクの電源スイッチを押した。その後バイクの電源スイッチノブをONの所まで回すとエンジンが掛かった


「素晴らしい。それで力はどれほどか?」


「24馬力です。馬24頭分ですね」


「24頭分とな!それは凄まじい力よ!」


「やりすぎないよう注意下さい。あっと言う間に速くなります」


「分かっておる」


「後、このヘルメットを付けて下さい。これがあれば転んだ時にも助かる可能性が上がります」


「なんとも珍妙な兜よな」


フルフェイスヘルメットを付けた昌景はなんとも奇妙な雰囲気を出していた

和装にフルフェイスヘルメットである


オフロードバイクに跨った昌景は子供のようにはしゃいでいた


「馬に乗れるのであればバイクは簡単でしょう」


「どうやったら動くのだ?」


「これが加速でこれが停止です。このハンドルで左右に曲がります。最初はゆっくりやってみて下さい」


昌景は、最初は大河の家の周りをゆっくり運転していたが次第に早くなっていった

流石に運動神経抜群の昌景である。あっという間にバイクを乗りこなした


「これは良い!」

と曲芸までし出した


「大河よ。感謝致す」


「満足されたようでなによりです」

大河はガソリンを40Lとそれの入れ方を教えた


「これで暫くは大丈夫なはずです」


「うむ。かたじけない」


と満足気にバイクで帰って行った


信蕃は漸く解放されたと呟きながら帰って行った


――その日の夕方


あれ以来、大河と巴は家に居るといつもイチャイチャしていた


それは、大河がお風呂に入った後、巴が追いかけて行き一緒に入るほどだった


「あっ、巴。どうした?」

と湯船に浸かっていた大河は聞いた


「一緒に入って良い?」

と服を脱ぎ終わった格好で風呂場の扉を開けながら言った


「い、良いよ……」

そこまでされたら断りようもなかった


そして、お互いの体を洗ったりするのだった


その日の夜、大河に抱きついて寝る巴は終始にこやかだったとか

逆に大河が朝までヤバい状態であったのは本人だけの秘密だ



――次の日


大河は、信玄に再度お目通りをした


「大河よ。何用だ?」


「はっ。直江津から順に街道を整備致します。それが完成した後、交易が行われるでしょう。その交易で甲斐に寄らせるための特産品を作る必要がございます」


「ふむ。何か案があるのか?」


「はっ。桃と葡萄が良いかと」


「葡萄とは?桃は知っておるが、あれは水の代わりになる物としか知らぬぞ」

この時代の桃は甘くなく水の代わりとして、また中国の影響から不老長寿の薬として食べられていた


そして、葡萄は今の甲州市辺りで細々と栽培されているだけであったので、信玄が知らないのも当然だった


「はっ。こちらにとても甘くなる桃の種と葡萄の種がございます。これを植え将来特産品と致します」


「ほう。甘い桃があるのか」


「はっ。こちらにございます」


信玄は差し出された桃(川〇島白桃)を食べた


「美味い!これはなんとも美味いな!甘い香りと甘味がたまらぬ!」


大河は次に葡萄(シャ〇ンマスカット)を出した


「これも美味い!これが葡萄と申す物か!どちらも甲乙つけがたいぞ!」


「ははっ。これらを甲斐に植えましょう」


「相分かった。義信にやらせる」


「ははっ。お願い致します」


こうして、将来に向けて甲斐の特産品を仕込む大河であった


――甲府に戻ってきてから4日目


大河は信濃にある主要な城を訪問しながら越後へ戻るつもりであった

朝、信蕃がバイクで大河の家にやってきた


「行っちゃうの?」


大河

「やらないといけない事があるんだ」


信蕃が到着すると2人はメロドラマをしていた


大河は巴に、越後での生活が安定したら呼ぶと話し安心させた

それと大網屋で人を雇って、巴が抜けても良いようにしてほしいと言った


「分かったわ」

と巴が安心したように言った


信蕃

「大河様。行きましょう」


「では行ってくる」

と言い出立した



大河は信濃各地の本城の城主を訪問し、交易のための特産品作りの協力を得るつもりであった

まず最初に勝頼の居る高遠城へ行く

そこから諏訪の高島城、深志城、海津城の順で訪問し、最終日に春日山城に帰還する予定だ

大河達は甲府を出て諏訪に行き、西に向かって高遠城の勝頼を訪ねた


「大河よ。久しいな」


「勝頼様もお変わりなく」


「それで、何用じゃ?」


「はっ。蕎麦を栽培して頂きたく」

と大河は交易の特産品として蕎麦を当てるつもりであることを説明をした


「蕎麦は知っておる。だが、蕎麦をどうするのじゃ?」


「蕎麦粉から蕎麦切を作ります。それを信濃各地の茶屋などに売るのです」


「蕎麦切とはなんじゃ?」


「これのことでございます」

と生麵の蕎麦を出した


「蕎麦とは思えぬ品じゃな。この細いのが蕎麦か?」


「はっ。これを湯で茹で食べます。実践致しましょう」


大河は料理場を借り、ざる蕎麦を作った


「こうやって食べます」

と茹でた蕎麦を出汁つゆに付け啜った


「どれ。儂も食べてみよう」

と勝頼も大河の真似をして蕎麦を食べた


「美味い!!このつゆと蕎麦が大変合っておる!」


「そば粉から作ればもっと美味しくできます」

この蕎麦は小麦粉6割の蕎麦であるためあまり香りが良くない


「何?!蕎麦切というのはこれほど美味い物だったか!」


「それでは蕎麦の栽培の件は?」


「分かった。奨励策を施そう。大河よ。このつゆと蕎麦切の作り方を残してゆけ」


「ははっ。しかし、蕎麦切を作るにはつなぎとして山芋が必要となります。これは松代(海津城付近)で取れるとのことにございます」


「良し、昌信に書状を書こう。大河よ、書状を昌信に届けよ」


「ははっ。お望みのつゆは追加で100本ほど置いて行きましょう」


「感謝するぞ」


こうして、他の城も訪問し、蕎麦作りの素地を整えた大河は越後に戻るのだった


――7日目


海津城から春日山城へ戻った大河と信蕃は春日山城の入り口で昌幸とバッタリ会った


「帰ったぞ」

と大河が言った


「!!!!」

と驚いた顔する昌幸


「只今帰りましてございます」

と信蕃


両方をまじまじと見る昌幸


「どうした?」


「ま、まさかどこかに遊びに行っていたのではありますまいな?」


「甲斐まで行っていたぞ。なあ信蕃」


「はっ。甲斐まで行って参りましたぞ。これは幸隆様からの書状でございます」


「な、何と」

そう、昌幸は7日で帰ってくるとは信じていなかったのである


春日山城から甲府まで距離にして約250km

早馬でも4日は掛かる距離である

普通なら往復すらできない


「馬鹿な。どうやって?」


「バイクだ」


「バイクですな」


「バイクとは何でございますか?」


「あの鉄の馬のことだ」

と大河は馬小屋の横に置いてある金属の塊を指さした


「これがバイク?鉄の馬と申す物でございますか?」


「そうだ。馬の全力疾走の2、3倍の速度で走り続けることができる未来の馬だ」


「そんなことができれば、移動の常識が変わりまする」


「ああ。だが、それをもっと効率的に実現するつもりだ。それには街道の建設が必要になる」


「大河様は、そのために甲斐へ?」


「それを含めてかな」


「これはお見それ致しました」

と昌幸は自分の想像の上を行く大河の構想に降参するのであった

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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― 新着の感想 ―
[気になる点] いつの間にか、ラブコメやハーレム要素が入ってるのが気になってしまいました [一言] 楽しみに読ませてもらってます。
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