5話 正体
趣味で書いてみました
戦国時代にネットショッピングがあったら、こうしたいなと思って書きました
納屋に入ると、大河は思案しながら言った
「あまり広くはないが、これならいけそうだ」
大河は、そういうと藁を並べ始めた
巴は不思議な行動をする大河に聞いた
「何をするの?」
「今日の寝床を作っているんだ」
地面に藁を並べ終えると
おん、ばから、はん、めん、そわか
良く知らないから適当に呪文を唱えて、念じている振りをする
そして、楽市楽座でブランケットを2枚購入
ボンッ
「えっ?なんか出てきた」
巴と静が驚く
購入したブランケット2枚を藁の上に敷く
即席ベッドの完成だ
「これで寝床は大丈夫だろう」
「わ~、すご~い。ふかふかだ~」
静が早速即席ベッドに乗ってはしゃいでいる
「これで当面の宿を確保できたな」
安心した様子で巴が言う
「そうだね」
「そろそろご飯にしよう」
大河が貰ったお餅を巴と静にも配り食べ始める
お餅を食べるのを止め、何かを考えている巴が聞いてきた
「大河、あんた一体何者なの?何もない家の周りで、食べ物を調達してきたり、突然物を出したり。普通の人には見えないわ」
大河は少し考え、この2人なら本当の事を話した方が今後を考えると良いと判断した
「そうだな、2人には本当の事を話しておくよ。ただ現時点では、あくまでも予想だから、間違っているかもしれないが。それに突拍子もない話だから、信じられないかもしれないぞ?それと、このことは誰にも言うなよ?」
「「うん、分かった」」
それから一息ついて話始めた
「俺は今から約450年後の世界から、神隠しでやってきたんだと思う」
転生と言っても理解してくれないと思ったので神隠しと言った
「神隠し・・・」
「神隠しってなに?」と静が聞いてきた
「神隠しっていうのは、突然居なくなって別の遠い場所に現れたりすることよ。記憶が無くなったり、特殊な能力を授かったりする場合もあるみたい」
と巴が静に説明する
「そう、その神隠しだ」
巴の説明に乗じようと大河は矢継ぎ早に話始める
「俺は家に居たはずだった、でも気づいたら、山の中にいた。なんの兆候もなかったから起きて驚いた。なんで山の中に居るんだろうと。だが、もう日が傾き始めたから急いで宿を見つけようとしたんだ。暫く歩いたら川に着いた、そこで2人を見つけたんだ」
「そうなの・・・。でもどうして物を出せるの?」
「それがどうやら、俺の居た時代と繋がっているみたいなんだ。お供えをして、欲しい物を念じるとその物が出てくるんだ。だが、制限があって欲しい物と同じ価値のお供えが必要なんだ」
「その能力でその布を出したのね?」
「そうだ」
こんな説明で信じてくれただろうか?
しかし、ネットショッピングと言っても通じないだろうし、この辺が限界だろう
「制限はあるが、450年後の品物を出せるんだよ」
巴も実際に出している所を見ているせいか、大河の言っていることを信じてくれるみたいだ
「もしかして、あの作ってくれた味噌おじやも450年後のなの?」
「そうだ、450年後のお米と味噌だ」
「通りで見たことないわけだ」
と巴が頷く
「でも、この時代でも白いご飯はあるぞ。大名とかが食べる高級品だけどな」
「もしかして、あたしその高級品を食べたってこと?」
「そうだ。だから貴重だって言っただろ」
「確かにとっても美味しかった~。あれは450年後のご飯だったんだね~」
静が思い出したように言った
一通り状況を説明したら夜も更けてきた
「明日は早いからな、そろそろ寝よう」
「明日からここで働くんでしょ?」
「そうだ、だけどお金がもらえない」
「どうするの?」
「考えてはいるが、暫くはただ働きだな。ご飯はお金が入るまでは、俺の能力で出そうと思ってる」
「わ~、楽しみ~」
と静が気楽に言う
「だけど、お供えがしょぼいから大した物は出せないぞ」
と期待の大きい2人に大河がくぎを刺す
「まあ、それでも楽しみには違いないわ」
「そうだよね~」
「寝るぞ、おやすみ」
「「おやすみ」」
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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