1話 越後国主
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
謙信を下した後、海津城にて戦評定が開かれた
「皆の者、この度の戦、真に大儀であった」
と信玄が言った
「「「はは~」」」
「この度の戦の功第一位は大河。お主だ」
「はは~。ありがたき幸せ」
「そこで越後の処遇について決めようと思うておる」
と諸将は固唾を飲んで聞き耳を立てた
「本来ならば、(高坂)昌信に春日山を任せるつもりであった。しかし、謙信が武田の将には従わぬと言っておる」
ムッとする武田の将達
「そこで、大河を春日山の城主、越後の国主とすることに決めた」
「「なっ!なんと!」」
「まだ武田に来て日の浅い将が国主などと」
と穴山梅雪が言った
「だが、謙信は大河にのみ恭順すると言っておる。それに、これまであの謙信を完膚なきまでに叩きのめした将がおるか?」
諸将
「「……………」」
「謙信を従えられるのは大河のみ。大河以外が行った所で反乱されるのが落ちよ」
諸将は言葉が無かった
「これは決定で良いな?」
「「「はは~」」」
「だが、信濃北部の領地は分配しよう」
と信玄が言った
その瞬間、諸将の顔が明るくなった
「領地の分配はこのようにする」
と信玄が諸将に領地を分配していった
「「はは~。ありがたき幸せ」」
「それと、大河にはもう一つ褒美がある」
「はっ。なんでございますか?」
「お主に菊をやる。婚約致せ」
菊姫とは信玄の5女1558年生まれの6歳
母は油川夫人である
史実では上杉景勝に嫁ぐはずの女性である
「はぁぁぁぁぁ???」
と大河は素っ頓狂は声を上げるのだった
「お館様。婚約するにしても苗字のない平民となりますと外聞が悪うございまする」
と幸隆が言った
「そうよな……。良し、武田家支流の岩崎を名乗れ」
「それならば問題ありますまい」
「なんとぉ?」
こうして、戦国の世にありがちな強引さが発揮され
訳も分からないまま、外堀が埋められてゆき武田家一門に迎い入れられる準備が整えられていくのであった
実は、この評定の前の日の夜、信玄と幸隆が越後の支配をどうするか話し合っていた
「幸隆よ。越後をどうすべきと思う?」
「お館様。1国の国主となりますと一門の誰かを送るべきと思いまする」
「だが、我が一門に謙信を抑えられる者はおるか?」
「義信様、勝頼様では?」
「無理だな。相手にならぬ。それに、謙信の上に付くということは、大河の上に付くということだ。あ奴らを有効に使える器量なくば反逆される恐れがある」
「謙信は大河どのの下に付くということでしたな」
「そうだ」
「それならば、大河どのを一門に迎え入れてしまっては如何ですかな?」
「ふふふ。なるほど。それは良い案だ。裏切り、出奔も防げよう」
「また、監視のための配下も付けた方が宜しいかと存じます」
「分かった。それで行く。相手は菊しかおるまい。婚約の話は付けておく」
「次に、上野国の残りだが」
「ははっ。拙者にお任せ下さい。調略にてこちらに付かせてみせましょう」
上野国は、謙信が武田に敗れたとの報を聞くと上杉から離脱し始めていた
「頼んだぞ」
とこういう訳であった
「大河よ。越後に赴任する前に、お主に配下を付ける。誰ぞ選べ」
「誰でも宜しいので?」
「城主は困るぞ」
「では真田昌幸どのと依田信蕃どのを」
「分かった。幸隆、良いな?」
「ははっ。昌幸も良き経験となりましょう」
こうして、大河は武田一門の岩崎大河となり、配下の真田昌幸、依田信蕃と越後に赴くこととなるのであった
「一門だって?荷が勝ちすぎます」
「仕方あるまい。今や武田家にとってお主は無くてはならぬ者。他家の大名より重要な存在となっておる。お館様はお主を手放したくないのじゃ」
と幸隆が言った
「だからといって、6歳の菊姫様ととは」
「今婚姻するわけではないぞ、大きくなってからじゃ」
この時代の成人の年齢はバラバラである
おおむね15歳くらいといった感じだろうか
その時の都合により前後するようである
一桁の子と結婚するのは、現代の価値観からすると違和感ありまくりだが、この時代では普通だ
現代の価値観を持った大河は、犯罪を犯している気分だった(現代では犯罪である)
上野国の西上野以外の地域については、幸隆が調略により武田家に付かせることに成功した
こうして武田家は甲斐、信濃、上野、越後の4国を支配するに至ったのだった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
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