26話 第5次川中島の合戦
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
1564年7月、飛騨国は2つに分かれていた
南部を支配するの三木良頼と中部域を支配する広瀬宗城の対立である
そこに、北部を支配する江馬時盛が広瀬氏を、時盛の子輝盛が三木氏を支援するという状態であった
小姓
「お館様。飛騨の江馬時盛どのから使者が来ております」
「分かった。会おう」
信玄は執務室に使者を招いた
「よう来られた。さぞかし疲れたろう。ごゆるりと過ごされよ」
時盛の使者
「なんと涼しい部屋にござりますな」
使者は、不思議と涼しい部屋に驚いていた
「我が武田は仏の加護がありますのでな」
「仏の加護を得られておるとは、流石武田どの」
「それで、どういうご用件ですかな?」
「はっ。我が主、江馬時盛から信玄どのに書状を預かっておりまする」
と使者は書状を信玄に渡した
信玄は書状を読み、含み笑いを浮かべた
「時盛どのは、我が武田に支援して欲しいと?」
「ははっ」
使者は信玄と暫く会談した後、信玄からの書状を持って飛騨国に帰っていった
「我が策なれり」
と信玄は言って山県昌景、甘利昌忠、馬場信春の軍勢と、木曾勢を飛騨国へ派遣した
そのため、三木良頼・江馬輝盛は劣勢になり謙信へ援軍の要請を行うことになる
あらゆる手段で越後侵攻を図る信玄に謙信は怒り、8月、遂に川中島へ進軍を開始した
連絡兵
「お館様。謙信が動きましたぞ。出陣先は川中島と思われまする」
「謙信が動いたか。諸将を集めよ。川中島に出陣する」
9日後、武田、上杉両軍は川中島の八幡原で対峙するのであった
参加武将は武田義信、穴山梅雪、原虎胤、飯富虎昌、山県昌景、高坂昌信、内藤正豊、真田幸隆、大河
総勢2万の軍勢である
対する上杉軍は柿崎景家、甘糟景持、鬼小島弥太郎の総勢1万5千
上杉軍は方円陣形を犀川前で敷き、武田軍は千曲川前に鶴翼の陣形を敷いた
武田軍本陣
「諸将の意見を聞きたい」
と信玄が発言した
「ここは戦わず様子見をしても良いのではありませぬか?」
と穴山梅雪が言った
「梅雪よ臆病風に吹かれたか。ここで仇を逃してどうする!」
と飯富虎昌が言った
「だが、策もなく正面から戦えば我らが負けよう」
と信玄が言った
「そんなに強いのですか?」
と大河が言った
「強い。謙信は紛れもない戦の天才よ」
戦で謙信と信玄が互角と言われているのは、総合力であればということである
野戦での純粋な戦いは謙信に分があり、計略など搦め手を含めると互角ということである
実際に信玄は、謙信の戦い方を学び自軍に取り入れている所が見て取れる
それだけ謙信は戦に飛びぬけた才のある最強の敵であった
「では策で負かすしかありませんね」
「で、その策だが」
「策をと言えども、山本どのの啄木鳥作戦も謙信に見破られておりますれば、何の策が通じますやら」
と幸隆が言った
「そうよな」
と諸将は考え込んだ
「ならば、その強さを逆手に取るというのはどうでしょう?」
と大河が策を説明した
「危険じゃ!」
と梅雪が言った
「だが、面白い策じゃ」
と幸隆が言った
「良し、大河の策で行く。ここで謙信との雌雄を決す」
と信玄は覚悟を決めたように言った
それから、武田本陣では天幕を高く全面に張り、中を隠すようになった
その5日後
鶴翼の陣形の一部隊1000人にポリカーボネートの盾が渡された
そして、秘密兵器をその後方の兵たちに配られた
上杉連絡兵
「殿、武田軍が動きましたぞ」
謙信
「信玄が動いたか。諸将に出陣の号令を出せ!」
武田軍が鶴翼の陣形で進軍、上杉軍が方円の陣形で迎え撃つ形となった
その両軍が八幡原の真ん中で激突した
流石に戦国最強と言われる両軍である
双方譲らず膠着状態となった
すると上杉軍に変化が現れた
円形の陣形の戦っていない残り半分が潰れていき、2重の半円となった
外側の円で鶴翼の陣を抑え、内側の半円が外側の円の中心から外側に出る形に変形した
丁度弓から矢が出るように
武田軍は陣形の中心に超強度の攻撃を受け、次第に陣形が乱れ始める
その超強度の攻撃を統率しているのは、上杉軍でも猛将とうたわれる柿崎景家と鬼小島弥太郎である
この2将に味方はなぎ倒されていく
その勢いに押され、武田軍は真ん中から崩され始めた
そして、次第に武田軍が真っ二つ割れていく
丁度モーゼが海を割った時のように
勢いに乗る上杉軍が武田本陣に迫る
それを見た謙信は己の勝ちを確信した
「信玄よ、これが我が必殺の陣よ」
と言った
また、謙信は信玄の行動を正確に予測していた
必ず本陣に少ない近習と居ると
謙信は、本陣を守る部隊が柿崎、鬼小島部隊に抑え込まれていること見て取り、愛馬:放生月毛に跨り屈強な馬廻りの兵12名を引き連れ武田本陣に向かった
それに気づいた信玄は近習20名に迎撃を命じた
しかし、それらをあっさり躱した謙信は武田本陣に突入した
「上杉謙信、推参」
目の前には信玄と取り立てて特徴のない男が1人居るだけだ
「信玄、覚悟」
と言ったその瞬間、謙信に途轍もない悪寒が襲った
何かが違うと
「だが、信玄を斬れば終わりよ」
謙信は愛刀:山鳥毛を振りかぶった
とその時、謙信の耳に場違いな言葉が聞こえた
「査定」
その瞬間、信玄に後一歩の所まで迫った謙信の馬の足元が消えた
「何!」
ドン
ヒヒ~~ン
そう、大河が練った策とは、軍の中心をわざと開け謙信をおびき寄せ落とし穴に嵌めることだった
3m x 6mの落とし穴を信玄の座る椅子の前に作り2枚の敷鉄板(1.5m x 6m)で塞ぐ、そしてその上にカモフラージュ用の土を乗せた罠だ
謙信が違うと感じたのは地面の音であっただろうか
そして、謙信が敷鉄板に乗った瞬間、査定で足元の敷鉄板を消す作戦だった
大河が怖がっていたのも、タイミングを間違えると武田が滅亡する可能性があったからである
謙信が信玄の行動を予測していたと同じように、信玄もまた謙信の行動を正確に予測していた
己の勝利を確信したならば、必ず自らの手で決着を付けにくると
謙信の強さを逆手に取った策とはこのことだった
「良し、反撃ぞ」
信玄は合図を送った
武田軍の将達は合図を聞くとポリカーボネートの盾兵を前面に押し出し、上杉軍の攻撃を抑え始めた
そして、その後ろから花火の煙玉を取り出し火を付けて、敵に投げつけた
もうもうと吹き上がる煙
「何じゃ!」
上杉軍は狼狽した
そこに、打ち上げ花火の中身の花火玉に火を付けた物が投げ込まれた
ネットで買える限界の大きさである30m級である
それらが、上杉軍のあちこちで爆発した
「ぐああああ」「うあああ」「あちちち」
とそこに上杉謙信捕縛という声が掛けられた
それを聞いた上杉軍は大混乱に陥った
「「馬鹿な」」
柿崎景家と鬼小島弥太郎は声を揃えた
しかし、自軍の本陣を見るともぬけの殻だった
「「殿はどこじゃ」」
探している間に煙玉と打ち上げ花火の合わせ技が襲った
「退け。退け~」
死を恐れた誰かが言った
柿崎景家はその声に従い戦場を離脱していった
しかし、鬼小島弥太郎は殿を探すと言い残しどことなく去っていった
上杉軍は戦線が崩壊し逃げ始めた
武田軍は追撃戦を行い2000の兵を討ち取り勝利を確実な物にするのだった
こうして第5次川中島の戦は、上杉軍大将上杉謙信を捕縛した武田軍の勝利に終わった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
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