22話 信玄の訪問
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
7月の30℃を超える夏の暑い日、信玄が大河の邸宅を訪れた
昌景から大河の邸宅の話を聞いて、見てみたくなったのである
「大河よ。今日も暑いな」
「お館様。ようこそ我家へ。狭い所ですが、ごゆるりとお過ごし下さい」
と大河は、家の中に信玄と数名の護衛を中に招いた
そして、もう数名ほどの護衛が家の周辺に立ち、周りを警戒していた
大河が、リビングルームの扉を開いた途端、涼しい空気が流れてきた
「む。涼しいぞ。どうしたことか?」
と信玄は大河に聞いた
「はっ。冷房という道具を使っておりますれば」
「なんだと?大河よ、お主は儂を差し置いて自分だけ涼しい場所で過ごしておるというのか?」
と信玄が怒りを露にした
「い、いえ。そういう訳では・・・」
「ほう。ではどういう訳だ?」
「あ、あのぉ・・・・・・」
大河は頭の中であらゆる言い訳を考えたが、納得のいく答えを思い付けなかった
「申し訳ございません。この道具を使えるのは我が家だけ、また太陽が出ている間だけのことでしたので、お館様にお教えしても無駄と思っておりました」
と大河は平謝りして言った
「説明せよ」
「はっ。この冷房という道具は電気という物が必要でございます。その電気を作るには、屋根の上に乗っているソーラーパネルを設置する必要がでございます。このソーラーパネルは太陽の光を電気に変える物であるため、太陽が出ていない時は電気ができません。また、冷房を有効に使うには熱を遮断し、外部の熱を内部に入れない構造が必要となります。それを全て備えているのは我が家だけとなっております」
「なるほどな。では、作れ」
「はっ?」
「その機能を持つ屋敷を建てよと申したのだ。昌景に建てれると申したのであろう?」
「た、建てれますが、お時間が・・・」
「そうよな。ならば、新しい屋敷が建つまではここを儂の邸宅とする。良いな?」
「えっ?あの。その」
大河は信玄の提案に目を白黒させていた
「ふはは。冗談だ。ここの設備では間者を防げぬであろうからな」
「なんとも心臓に悪い冗談はやめて下さい」
「だが、新しい屋敷の方は真だ。建築をお主に任せる。それと早急に今の館に暑さの対策を施せ」
「ははっ」
その後、信玄は邸宅をつぶさに見て回った
そこで、風呂に目が留まった
「これは、水風呂か?」
「いえ。お湯の風呂にございます」
「ほう。どうやって湯を沸かすのだ?」
「はっ。この機器にて沸かします」
と大河はパネルを操作した
すると、音声が流れお湯が出始めた
大河は、信玄が来る前に地面に穴を開け水を電動ポンプで吸い上げる工事を終わらせていたのだった
そして、フィルターと逆止弁を入れ電気が無くても少しの水が出るようにしていた
「なんと!勝手にお湯を沸かし満たしてくれるのか!」
「そればかりか、お湯の量、温度も調節してくれます」
「なんと!素晴らしい道具だ。だが風呂が少し小さいな」
「これは如何ともし難く」
ユニットバスのため既製品ではこのサイズが最大だ
これ以上は特注となりネット上では購入できないのだ
「新しい屋敷には大きい風呂を用意せよ。後、ガスコンロもだ」
「はっ。しかし、新しい屋敷はどういう部屋割りにするかなど、屋敷の構造に詳しい者との話し合いが必要にございます」
「ならば、屋敷の構造に詳しい者を派遣しよう。任せたぞ」
「はっ。承知致しました」
こうして、信玄に新しい屋敷の設計と暑さ対策を命じられるのであった
「いや~、大変なことを仰せつかったぞ。昌景どのに簡単にできると言わなければ良かった」
と大河は、あの時昌景にできると言ったことを後悔するのであった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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