14話 裏正月評定
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
宴会で皆の酔いが回った頃、大河は小姓に呼ばれ中広間に来ていた
暫く待っていると三条の方と5歳くらいの小さな姫がお見えになった
姫は三条の方の後ろに隠れて、恥ずかしそうにチラチラとこちらを覗き見していた
「そなたが、大河か?」
「はっ、大河にございます」
「その方、昨秋に召し抱えられたと聞き及んでおるが、誠か?」
「はっ、その通りにございます」
「噂でお主が珍しい品を扱っていると聞き及んでおる。さすれば、わらわに通すべき筋があろう」
大河はその言葉を思案した
恐らく、挨拶をしろ、それに贈り物を持ってこいということだと推測した
大河は、驚かせないように和服の袖の中に100%オレンジジュースの1Lペットボトルと12種類のカップケーキセットを出した
「はっ。気づきませんことをお詫び申し上げます。新年お祝い申し上げます。こちらをどうぞ」
そして、それらを袖の中から出して渡した
「こ、これは、どういうものじゃ?」
三条の方は大河が未来人だということを信玄から聞いていたが、そんなことがあろうはずがないと疑っていた
また、あらゆる文物が集まる都、京出身ということもあり、珍しい品の目利きなら自信があった
大河が持ち込んだ品を見れば、紛い物だとすぐに見分けが付くと考えていたのだ
しかし、全く見たことも無い物が出てきたことに驚いた
1つは、濃い黄色の液体が透明な容器に入っている物
もう1つは、こげ茶色の箱に入っている12個の小さな色とりどりの丸い形をした物であった
「はっ、この黄色い液体はオレンジジュースと申します。そして、こちらはケーキと申します。どちらも食べ物にございます」
「オレンジジュースとケーキと申すか。綺麗じゃな」
「菊も見とうございます」
と姫が可愛い声で言った
「どうぞ」
と大河はジュースとケーキを差し出した
「わぁ、本当に綺麗」
「大河よ、これはどう食せば良い?」
「ジュースは上の蓋をこのように回して開けます。ケーキは、箸などで簡単に切れますので、一口で食べれる大きさに切ってお食べ下さい」
菊姫はワクワク顔で早くも食べたそうだ
「大河よ。大儀であった」
「はは~。どうぞお楽しみください」
その後、御殿に帰った三条の方はオレンジジュースとケーキを側室、その子供らと食べた
「なんという・・・・・・」
三条の方は、チョコレートケーキの味に天にも昇る気分を味わっていた
菊姫はオレンジジュースを椀に入れてもらい恐る恐る飲んだ
「あわわ~、とってもおいし~の」
三条の方は、高貴な生まれの自分ですら味わったことのない舌がとろけるような極上の味を体験し、大河が未来人だと信じるのであった
そう言えばと、大河は歯ブラシセット数十個を三条の方に送り、虫歯対策を施すのであった
「危ない。危ない。忘れる所だった」
大河は、今回もなんとか虫歯蔓延の危機を防いだのであった
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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