12話 巴の商い
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
大河はジャガイモの収穫が終わったので店の手伝いをしようと大網屋へ向かった
ふと見ると何やら行列ができていた
全てが女子である
何だろうと大河は不思議がったが、まあいいやと大網屋に急ぐのであった
大網屋の前に着くと、行列は大網屋から発生していることが分かった
大河が店に入ろうとすると
「ちょっと、並びなさいよ」
と声が掛かった
「店の者でして」
と大河は申し訳なさそうに言いながら店に入っていった
「大河、丁度良い所に来たわ」
と巴が言った
「あの行列は何だ?」
「あれは焼き芋を買いに来た人よ」
「焼き芋か。そう言えば焼き芋の良い匂いがするな」
そう、店の開店2日目に大河から店のことを任された巴は、何とか店の売り上げを向上させられないかと良案を考えていた
そこで何気なく静が
「さつま芋って良い匂いだよね~。この匂いを嗅ぐと食べたくなっちゃう」
と言った
「俺はそんなに惹かれないですけどね」
と佐吉が言った
「女の子には堪らない匂いなんだよ~」
「そうよ!匂いよ!!匂いで客引きすれば良いのよ!!」
と巴は、店の外で焼き芋を焼くことを思いついた
佐吉に簡易的な釜を店の外に作らせ、そこで炭火で蒸し焼きにする
2時間くらいするとさつま芋の甘い匂いが充満してきた
そこへ、商人の娘が通り掛かった
「良い匂いね。何かしら?」
と大網屋に近づいてきた
「そこの人、この匂いは何かしら?」
と巴に声を掛けた
「これは焼き芋と言う食べ物の匂いです」
「良い匂いね。頂けるかしら?」
「はい、熱いのでお気を付けて」
と巴は笹の葉に包んで渡すのと同時に食べ方を指南した
「分かったわ」
と商人の娘は、皮を剥いて焼き芋を齧ってみた
「美味しい!それになんて甘いのかしら」
「美味しいですよね~。焼き芋は舌触りが滑らかでとっても甘いんです」
「これを後4つ頂けるかしら?」
「はい、毎度ありがとうございます」
それからというもの、店の外で作り始めた焼き芋は次第に売れ始めた
そして今日に至る
「焼き芋を外で売り始めたのだけど、凄い人気で、もう無いの。すぐに出して」
「分かった」
大河は、シルクスイート30kg、紅はるか30kgを出した
「すぐに足りなくなるからもっと出して」
「わ、分かった」
大河は若干引きながらも追加で270kgづつ出した
合計50万ポイント消費
「さあ、大河も焼くの手伝って」
「その前に、巴に言っておかないといけないことがある。さつま芋のように甘い物を食べたら、必ず歯磨きをしないといけない。その理由は、虫歯になるからだ。このままだと町中の人が虫歯になるぞ」
「虫歯になるとどうなるの?」
「歯が欠けたり、激痛が走ったり、抜けたりする。更に歯槽膿漏という病気にも掛かる」
「えっ、そうなの?」
「ああ、だからこの歯ブラシと歯磨き粉も売って欲しい」
「分かったわ」
「それに、歯磨きの仕方も購入する人に教えて欲しいんだ」
と歯磨きの仕方を巴に教えた
「分かった」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この時代にはあまり甘い物がなかった
そのため、庶民では虫歯にかかる人が少なく歯ブラシの需要もなかったと思われる
歯ブラシの登場は1890年まで待つ必要がある
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
巴が
「これから焼き芋を販売開始します」
と言った
店の前に並んでいた人達から
「ようやくね」
という声が聞こえた
「でも、その前に」
という前置きをして巴は、歯磨きの重要性とやり方を説明したのだった
「甘いものを食べた後は、歯磨きをすれば良いのね?」
「そうです。それで虫歯は予防できます」
「分かったわ。それじゃあ歯ブラシと歯磨き粉も頂戴」
「毎度ありがとうございます」
こうして巴は、焼き芋と歯ブラシセットという2つの利益を得るのだった
これで、町中の人が虫歯で痛がる未来を回避できた・・・と思う
そう言えば、川越もだなと大河は思い出し、川越に行くという行商人にお願いして、あんころ餅用の砂糖、歯ブラシ、歯磨き粉の入った箱に歯磨きの説明書を同封し川越の菊婆さんの所へ届けてもらうのだった
これで川越の人達も救えただろうか?
救えなかったら川越は虫歯地獄だな
と大河は思った
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです




