7話 ジャガイモ
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
畑の面積の計算が違っていましたので訂正します。
数日後
大河は信玄にあることをお願いするために、躑躅ヶ崎館に登城した
「信玄様、お願いがございます」
「何だ?」
「これを植える畑をお借りしたいのです」
と取り出したのは食料チートで良く登場するジャガイモである
「それは何だ?」
「これはジャガイモです。焼いて良し、煮て良し、蒸して良し、揚げてよしの優れた食べ物です。もう後1月くらいで、稲の刈り取りが始まります」
「そうだな」
「稲の刈り取りが終わる頃になると、一部の場所で食べ物の見通しが立たないという状況になるかと思います」
「ふむ」
「そこで、このジャガイモを植え、食べ物を増やします」
信玄は大河のやろうとしていることに気が付いた
「そのジャガイモのことを詳しく教えよ」
「はっ、ジャガイモというのは・・・」
大河は信玄にジャガイモの詳細を説明した
「なんと2月で、そのジャガイモとやらはできるのか」
「はっ、食料の増産にはうってつけです。しかし、そろそろ植え付け時期が終わりますので、早急な実施が必要です。なので土地をお借りしたい。後、人足もです」
「相分かった。荒れた土地で良ければ貸そう、それと義信を付ける」
「それとジャガイモの種芋を購入するのに400貫ほど掛かります。しかし、一回作れば、今後は作るのに購入費用は要らなくなります」
「むっ。分かった。許す」
と言うと信玄は義信を呼んで、ジャガイモの作付けを申し付けた
「義信様、できる限りたくさんの人足を用意ください」
「何をするつもりじゃ?」
「これを植えます」
「これは何じゃ?」
「ジャガイモと言います」
そこで義信にも信玄にしたのと同じ説明をした
「まだ食料を増やせるというのか?」
「はい、ただ植え付け時期が終わりそうです。早く畑を作らねばなりません」
「相分かった。明日までに多くの人足を用意しよう」
「よろしくお願いします。明日朝、畑で落ち合いましょう」
翌朝
畑に集まったのは300人ほどであった
畑は500反ほどの大きさがあった
十分である
ジャガイモと備中鍬が畑の脇に大量に置いてある
昨日、大河が畑を訪れ、ジャガイモと鍬を購入し出しておいたのだ
品種は”きたあかり”と”普賢丸”である
しかし、これは食べる用である
大河は、先ずは食べさせ、ジャガイモの認知とやる気を出させる作戦に出たのだった
「大河よ、連れてきたぞ」
「義信様、ありがとうございます」
「皆様、今日はお集まりいただきありがとうございます。これから、この荒れた畑を耕そうと思っています。3人1組となってください」
300人が100組になった
「この列を1組が担当してください。この列は2組・・・最後にこの列を100組が担当してください」
と大河は畑を100個の列に分けて1つの列に1組を割り当てた
さらにステンレス製鍬を人数分用意しておいた
「さあ、開始してください」
300人はそろそろと畑を耕し始めた
皆が畑を耕している間、大河はジャガイモの調理をしていた
洗ったジャガイモをアルミホイルに包んでは、火の中に放り込む作業である
それと同時に簡易的な竈を石などで作り、大鍋でお湯を沸かしていた
そう、ジャガイモの味噌汁を作るためである
「何を作っておるのじゃ?」
ジャガイモ料理を作っていると、義信が聞いてきた
「これは焼きジャガイモと味噌汁でございます」
「ほう、このように焼くのじゃな。この鉄の紙みたいなのはなんじゃ?」
「これはアルミホイルです。鉄を薄くした紙のようなものと言いましょうか」
「ほう、これは便利じゃな」
「義信様、こちらが出来立ての焼きジャガイモです。アルミホイルとジャガイモの皮を剥いて塩でお食べください」
義信は、ジャガイモを受け取ると皮を剥き塩を付け食べた
「熱い。しかし、ほのかに甘くて、止められぬうまさじゃ」
「それがジャガイモでございます。そして、こちらがジャガイモの味噌汁でございます」
義信は味噌汁を受け取ると口に付けて、汁をすすった
「何とうまい味噌汁じゃ!このような美味い味噌汁は初めてじゃ。ジャガイモもサクッとして美味い」
大河の作る味噌汁である、当然かつおだしを入れてある
そうこうするうちにお昼になった。今日の成果は畑の全面積の1/20ほどだった。
あまり進展したとは言えない
「今日は皆さんに、これから作付けするジャガイモを食べてもらおうと、料理を用意しました。ただ、一つ注意することがあります。ジャガイモの芽や緑色の部分は毒ですので、食べずに捨ててください」
大河は、そう言うとジャガイモを手に持って、アルミホイルを開け、ジャガイモの皮を剝き、塩を付けて食べ始めた
「どうぞ、お食べください」
「皮を剥き、塩を付けて食べるのじゃな?」
「ほう。これはうまい!」
と焼きジャガイモは大好評だった
次に発泡スチロールのお椀に味噌汁を注ぎ、皆に配った
味噌汁はというと、皆、目を見開き夢中で食べていた
「お代わりはできるのじゃろうか?」
とある武士が聞いてきた
「お代わりもありますので」
そう言うと味噌汁のお代わりに人が殺到した
しかし、20人ほどよそった所で無くなった
味噌汁のお代わりができなかった武士が
「残念じゃ」
と言った
「残念じゃの~」
と別の武士が言った
それを聞いた大河は、明日はもう少し多めに味噌汁を作ろうと思うのであった
次の日
ジャガイモをただで食べれると聞いたのか、参加人数が400人となっていた
そして、日を追うごとに人数が増え、その後6日で、畑を全て耕し化学肥料を撒き”きたあかり”と”普賢丸”の種芋を植え終えた
「後は2月後を待つばかりです。皆様、ありがとうございました」
やり終えた感の人々が帰り支度をしていると1人の中年武士が
「大河どの。先ほど食べた味噌汁はどうやって作るのじゃ?あれほど美味い味噌汁は食べたことがない。作り方を教えてくださらぬか?」
と聞いてきた
帰り支度をしていた人達がピタッと歩くのをやめ、聞き耳を立て始めた
大河は内心でほくそ笑んだ
商売のチャンス到来である
「これは、かつおの削り節を使ったからです。かつおの削り節を煮て、出汁というのを作ります。それを水の代わりに使うとこの味噌汁ができます」
「ほう、そのかつおの削り節はどこで買えば良いのじゃ?」
「ここ数日のうちに、かつおの削り節を売る店を大通り沿いに開店しますので、そこでお買い求めください!!」
そう大河は、巴と静と佐吉に店の開店準備をお願いしていたのであった。
信玄に甲斐の商業発展のためと言って、大通り沿いの中規模店舗を提供してもらっていた。
「「「おお~~」」」
「それでは儂らも、この味噌汁をいつでも飲めるということか?」
「そういうことです」
「「「それは良い」」」
「ですので、もう少しお待ちください。大通り沿いにある店ですよ~」
「「「承知した」」」
と数百人がウキウキで帰っていくのであった
その後、大河は、義信の下に行き報告を行った
「義信様。無事ジャガイモの植え付けが終わりました。2月後ジャガイモが取れるでしょう。そこでジャガイモを保管しておく蔵を用意して欲しいのです?」
「相分かった。どの位取れるのじゃ?」
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ジャガイモの収穫量は状況によるが1反で3tである
ここでは500反であるため1500tとなる
また、1貫を3.75kgと計算している
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「恐らく40万貫ほどになるかと思います」
「なっ、なんと言った?」
「40万貫です」
「そ、そんなに取れると言うのか?」
「はい。ですので大きな蔵を貸して頂きたい」
「わ、分かった。手配致す」
ジャガイモの作付けと保管準備は終わったのだった
ジャガイモ、鍬、肥料などの購入費用
3700万ポイント
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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