2話 ステータスオープン
暫く考え込んだ
転生なのか?
しかし、何の説明もない。神様も出てきてない。
だが、もしこれがテンプレの転生なら、ステータスが見れるんじゃないだろうか
それにチートスキルが付与されている可能性もある
それを使えば、この状況を打破できるかもしれない
「それにやるだけならタダだ」
深呼吸を2回し発声
「ステータスオープン」
ブン
「ほ、本当に出た」
目の前に広がるステータス画面に暫し茫然とする
はっ
いかんいかん
ステータスを見ないと
何々、名前は大河?苗字はなしと
年齢は15歳と1か月
生まれ年は1546年8月
「1546年生まれ⁈戦国時代⁈」
何故かは分からんが、大河という少年に転生したようだ
そして今は1561年、戦国時代か
ヤバい時代に転生したな
しかし、なんで戦国時代?
どうせなら平和な時代が良かったな
まあ転生してしまったものは仕方がないか
戻れる気もしない
それに今はスキルだ
スキルの欄はどうなってる?
”ネット接続””ネットショッピング楽市楽座”
これがスキル?
ネット接続?端末なんかないぞ?
ネットショッピング楽市楽座?なんだそれ?
試しにネットショッピング楽市楽座に意識を集中してみる
すると楽市楽座の文字が画面全体に広がって
「イラッシャイマセ。楽市楽座へようこそ」
「できたぞ。これがスキルか」
使い方は今までやっていたブラウザでのネットショッピングと変わらない
ただ、マウスが無くなって、意識を向けた先で選択と念じれば選択され
戻れと念じれば戻るという仕様だ
え~っと物を買うには
楽市楽座ポイント?これか!
残高:132万2500ポイント
この数字、どこかで見覚えがある
むっ、俺の銀行口座の預金額そのまんまだ・・・
銀行の預金がポイントに変換されたのかよ
しかし、これで食べ物が買えそうだ
商品を見ると全て202Xの時代の物だ
202Xの時代の物が買えるのか?戦国時代に?
えっ?ちょっマジで?
よ、よし、試しに買ってみよう
あの子達は、ここ数日食べ物をあまり食べていないみたいだから、雑炊みたいのが良いだろう
囲炉裏と鍋はあったし、水もあるから、必要なのは
炭、米、出汁、味噌、塩といった所か
本当は野菜も入れたい所だが、意外に高いし、これからのことを考えると抑えた方が良いと思う
ポイントの増やし方も分からんし
炭:1500ポイント、炊いたご飯(6人前):1100ポイント、カツオだし:300ポイント、味噌:300ポイント、ビニール袋に入った塩:300ポイント
合計:3500ポイント
ガチャン
「ありがとうございました~」
しかし、どこに商品が出てくるんだろうか?
「商品を置く場所を指定してください」
商品を置く場所を指定?
試しにカツオだしを目の前の大きな岩の上に出してみる
目の前の大きな岩に指定と念じる
ポッ ドサッ
「出たー!おお~、これは凄いぞ」
他のは家の近くで出そう
ポッ ドサドサドサッ
「ただいま」
「何してたの?」
「食料を調達してきた」
「え?どこで?」
パックに入った食品を見て女の子が
「何?それ?そんなの食べられるの?」
そうか、この見た目は202Xの見た目だしな。戦国時代だとパックは違和感ありまくりだ
まあ強引に誤魔化そう
「大丈夫、食べられるぞ~」
鍋に水を入れて、炭に火をつける
おっと火種を忘れてた
マッチとキャンプ用燃焼材を購入っと
ガチャン
「ありがとうございました~」
商品を出す場所の指定を服の中にして
ポッ
ささっと見えない所で燃焼材に火をつける。それを炭で隠して
「火が付いた」
お鍋を火にかけて、水に出汁を入れてご飯を入れる
煮立たったら、火の弱い所に鍋を移動し味噌を溶き入れる
最後に少し煮て、少し塩をふって完成だ
「できたぞ」
「それなんなの?」
「味噌おじやだ。ご飯の味噌煮だな」
「噓、そんな白いご飯なんて見たことない。今は、お米自体が貴重だし、ご飯じゃないんでしょう?」
そうだった、この時代の庶民はまだ白いご飯は食べられていないんだった
「いや、これはご飯だ。特別なご飯さ」
誤魔化すため、おじやをお椀に分けて渡そうとすると
「あたしはいらない。妹にあげて」
「沢山あるんだ、遠慮するな」
「残すと腐るぞ、そっちの方が勿体ない」
「ほら」
無理矢理渡すと遠慮がちに食べ始める
「お、おいしい。こんなにおいしい物は初めて」
ううっ
「お姉ちゃん?」
「静、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「起きれる?」
「うん」
「ご飯があるから食べて」
「ご飯あるの?」
「この人が作ってくれたの」
「大河だ」
「大河が作ってくれたご飯よ」
みそおじやをよそって静に渡す
「良い匂い~。頂きます」
静がゆっくりおじやを口に入れる
「わぁ、おいし~。何これ~?」
「みそおじやだ」
「お粥みたいなもの?」
「みそのお粥だ」
「お粥なのにとってもおいしい~。お粥じゃないみたい~」
「お粥はおいしくないのか?」
「お粥は、こんなに味はしないよ~」
「そうなのか」
そりゃそうだ。出汁なんかこの時代の庶民に認識されていないだろうし
出汁の利いた食べ物なんてあまりないだろう
それに、ご飯はいくつもの改良を重ねて出来上がったこし〇かりだ
味と品質がこの時代のものとは違いすぎる
「お代わりもあるからな」
「ありがとう」
2人はそれぞれお代わりも食べると、もう眠そうにしていた
「なあ、お前」
「巴」
「巴、ここに泊めてもらっても良いか?」
「ご飯をくれた人を追い出したら、罰が当たるわ」
「ありがとう」
「おやすみ」
「ああ、おやすみ」
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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