16話 1年の計
趣味がてらに書いてみました
戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました
楽しんで頂けたら幸いです
1章はこれで終わりです
今の所、2通りのStoryを考えています。
1つは、戦国大名に協力するルート
もう1つは、いち商人として成り上がっていくルート
次の2章からは戦国大名に協力するルートとなります
これが終わったら、いち商人ルートを書きたいなと思っていますが、当分先の話になりそうです
夏も終わりに近づいた頃
大河は忙しそうに客を捌いていた
そう、大河の店は繁盛していた
それも大繁盛である
小さな店にはひっきりなしに人が訪れる
大河の店にあるかつおの削り節、醤油の美味しさが広まったからだった
その他にも、現代の工作機械で作られた均一で綺麗な木の皿、スプーン、フォーク、箸、包丁などの日用品も安く
果物、胡椒、砂糖、酒、布団などの珍しい物や高級品が揃っているのだ
これで繁盛しない訳がない
だが、川越の町の人だけではここまで繁盛しない
そう、他の町の行商人が買って行くのである
行商人の団吉
「大河、今日は醤油1升にかつお節20本くれ」
「団吉さん、かつお節20本もかい?かつお節は最近品薄なんだよ」
「そこをなんとか。この通り」
と団吉に拝まれた大河はしょうがないな~と言いながら倉庫へ取りに行く
最近は、オーダーされてから楽市楽座で購入するという方法では間に合わなくなってきたので、
店の奥を倉庫にしているのである
「ヤバいな~、そろそろかつお節が無くなりそうだ。これは軽いし、持ち運びやすいから、皆、多く買っていくんだよな~」
「団吉さん、はいよ20本。1200文となります」
「おう、これで1200文だ」
「ありがとうございました。でも、団吉さん、かつお節を地方なんかで売って利益なんて出るの?」
「これがな~、高く売れるんだわ。これが有るのと無いのとでは味が違うと言ってな。高くしても、商人とかお武家様とかが買っていくのよ」
「そうなんだ」
「だから、大河、もっとかつお節を用意してくれ」
「なるべくそうするよ」
と大河は乾いた笑みを浮かべて言った
大河が店を開いてから約半年
右肩上がりで売り上げが伸び、ここまでで600貫(6000万ポイント)の金を稼いだ
税金の支払い、楽市楽座で買った品物の原価などを差し引いても200貫の利益を得ていた
「店もなんとかここまで来たか。店も手狭になってきたし、そろそろもっと大きな店に変えるかな」
店の戸締まりをして巴と静の3人で家に帰る
「もう1年になるんだな」
「そうね。大河と出会って1年ね」
「早いな~。でも大河お兄ちゃんと出会ってなかったら、今頃どうなってたかなぁ~」
「生きていなかったかもしれないわね」
「そうだね~、大河お兄ちゃん、ありがとう~」
「良いってことさ、気にするな。さて、出会って1年の記念日ってことにして、今日は豪勢にお祝いするか」
「「やった~」」
家に帰って大河は座卓の上に楽市楽座で買ったものを出し始めた
エビ、ナス、ニンジン、ピーマンなどの天ぷらの材料である
これをてんぷら粉に浸して、油で揚げる
これと同時にご飯を炊き、丼にご飯を入れ天つゆを掛ける
そして、揚げたての天ぷらをご飯の上に乗せ更につゆを掛ける
「天丼の完成だ」
「「おお~」」
「これ何~」
と興味深々なのは食いしん坊の静だ
「天ぷらをご飯の上に乗せた料理だ。天丼という。これにお吸い物の粉をお湯で溶かした、お吸い物を付ければ完璧だ」
「美味しそうね」
「美味しそう~」
天丼とお吸い物を座卓に並べ終えた所で
「「「頂きます」」」
巴がエビの天ぷらを箸で掴み、口に持っていく
「あむっ。美味しっ」
静も同じようにエビの天ぷらを口に入れる
「ぱくっ。うわ~~。サクサクでおいし~」
「そうだろう、そうだろう。美味しいだろ?」
「「美味しい」」
2人は夢中で食べている
「これは故郷でも人気の料理だ」
「うん、この味なら分かるわね」
「分かる。分かる~」
天丼を食べ終わると、大河はかき氷アイスを取り出した
「今日は暑いし、これでも食べて涼もう」
「かき氷だわ」
「やった~、かき氷だ~」
実はこの夏、巴と静は何回もかき氷を食べていたのだ
それは、大河が暑くて眠れないからと、密かに食べようと思って出したかき氷アイスを、まんまと2人に見つかったからであった
それ以来、結構な頻度でかき氷アイスをおねだりされていた
大河は、この世界でもなんとか暮らしていけそうだと感じていた
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください
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