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15話 出店2

趣味がてらに書いてみました

戦国時代にネットショッピングを持っていたら、こうするだろうなと思って書きました

楽しんで頂けたら幸いです


お詫び:話のストックが切れました

ここからは更新頻度が下がることをご承知おきください。

お花が帰った後、大河はあんころ餅の時のように、出汁、醤油の有用性を宣伝する必要があることを痛感した


かつおの削り節は100g 10文、醤油は300ml(竹によって違う)10文として売っていた

そのため、宣伝用の紙に


”お家の味が変わる品”

”かつおの削り節と醬油”

”かつおの削り節1杯10文、醤油は竹筒1本10文”


と昭和の古い看板に書いてありそうな宣伝文句を書いて、店の前に貼り出した


そして、かつお出汁の有り無し味噌汁を見物人に提供し、出汁の効果を実演するようになったのだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大河がかつお節の実演をしている時と同じ頃


お花が、大河から購入したかつお節と醤油を料理に使ってみようと台所に来ていた

料理番の平蔵が、得体の知れないかつお節なる物を奇妙な目で見ていた


「平蔵さん、これを使って料理を作ってみて下さい」

とかつおの削り節から取った出汁を渡した


「お花、これをどうやって使うんだ?」


「煮物や味噌汁に、お水の代わりに使ってみて下さい」


「分かったが、どうなるんだ?」


「それは、出来てからのお楽しみです」


平蔵が、山菜の煮物と味噌汁を作ると、それぞれを2つの皿によそった


「さて食べてみるか」


「「頂きます」」


まず2人は山菜の煮物を箸でつまむと口に入れた


「うまい!」


「美味しい」


「これは美味い、まるで別の料理だ」


「素晴らしいですね」


次は味噌汁を啜る


「こ、これは・・・」

と平蔵は味噌汁を飲んで絶句していた


「流石は平蔵さん、素晴らしい腕ですね。大河の作った味噌汁より数段美味しいです」


「お花よ、凄い物を見つけてきたな。このかつお節とやらは、とんでもない代物だぞ。料理に革命が起きる」


とそこでお花は、醬油を取り出した


「こちらも試してみましょう」


「それは?」


「醤油というものです。色々なものにかけたり、味を付けたりする時に使うとのことです」

そう言うと、先ほどの煮物に醬油を垂らした


そして2人して食べる


「むぅ、なんとも言えぬ香りと塩味が良いな!」


「これも美味しいです、味が濃くなってご飯に合いそうです」


そこでお花は、大河が食べ物に醬油で味を付けると言っていたことを思い出した


「平蔵さん、漬け物はありますか?」


「あるぞ、これだ」

と沢庵の漬物を出してきた


そこに醬油を垂らして食べる


「また一風変わった味になる。この醤油というものも素晴らしいな。ご飯に直接掛けても良いかもしれん」


「ご飯に掛ける?そういえば・・・。大河が最初・・・。かつおの削り節をご飯に掛けて食べるとか言っていたような」


何かを思いついたようにお花が駆け出し、ご飯の入った釜に近づいた

近くの茶碗を拾い上げ、釜からご飯を茶碗によそうと、おもむろにかつおの削り節をご飯にどっさり掛けた

そして、そのご飯を口に入れた


「ふぁ~~~」


と呆けたような声を出した


平蔵はギョッとして、お花を見つめた


「ど、どうした?」


「おいしひ~」


「なんだと?」


平蔵も急いでご飯をよそうと、どっさりかつおの削り節をご飯に掛けた

ご飯の上で踊るかつおの削り節を見てゴクリと喉を鳴らし

そのご飯を一口食べた


「うお~~~~~」


と口からエネルギーが飛び出しそうな声を上げた


「こ、これは・・・」


「こんなご飯は食べたことがありません」


「儂もだ。こんな美味いご飯は食べたことがない」


{もしかして、この上に醤油を掛けたらもっと美味しくなるのでは?}

と料理人の勘を働かせた平蔵は、かつおの削り節ご飯の上に醤油を垂らした

そして、そのご飯を口に入れた


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「平蔵さん?平蔵さん!」


「う~~~ま~~~~い!!」


平蔵が突然叫んだので、お花がビクッとなった


「そ、そんなにですか?」


「うむ!食べてみろ」


お花が、自分のご飯に恐る恐る醬油を垂らして一口食べた


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「お花!お花!」


「おいひ~~~~~~!!」


平蔵と同じようになってしまうお花だった


それを台所の外で聞いていた庭師が、何を2人で遊んでいるんだと白けた目で見ていた


漸く理性が戻った2人は幸せな顔でかつお節と醬油を見ていた


「それでは平蔵さん、これで美味しい料理を作ってくださいね」

と言ってかつお節と醤油を平蔵に託した


「分かった、これは色々工夫のしがいがありそうだ」

とワクワク顔で平蔵が言った


こうして、料理番の平蔵が、かつお節と醬油を料理に使い始めたことで、かつお節と醤油の評判が城の人達を起点に、町中に広まっていくのであった

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 初めて使う調味料の適量も知らんのに、なんで美味い料理出来るんだ
[一言] 溜り醤油自体は古くからあって関西辺りではそれを使った料理を食べたことある人も多かろうと思いますが、溜り醤油と主人公の扱う現代に続く醤油では、味も匂いも製法も違いますからねえ。 そのうち、「自…
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