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12話 商売

なんとなくで書いてみました

戦国時代にネットショッピングがあったら、こうするかなと思って書きました



店の開店準備などをして10日ほど経った後、楽市楽座を見ると高級布団の在庫が復活していた


「おっ高級布団の在庫が復活している。えっと残りの納入数は4組か」


大河は4組の布団セットを出すと布団袋に布団を入れた


「そろそろ納入期限だし、城へ行くか」


大河は城へ布団を納入しに行く


城の門に居る門番に大河が話掛ける

「何用か?」


「お花さんか奥方様にお取次ぎを。大河が布団を納入しに来ましたとお伝え下さい」


「暫し待たれよ」


暫く待つとお花さんがやってきた


「大河、待っていましたよ」


「遅れまして申し訳ありません。これで残りの4組全て納入完了です」


「ご苦労様。これは代金です」


大河は16貫を受け取った


残り160万ポイント、現金28貫


「この度の事、奥方様、お館様共に大層ご満足されています。特に奥方様は毎日寝つきが良くなられて、大層元気になられました。これも大河のおかげです」


「それは良うございました」


「所で大河の扱う品はどんな物があるのですか?」


「何でもでしょうか。ですが、武器は扱っていません」


「それなら、何か部屋を温かくする道具などはありませんか?」


「う~ん、それなら薪ストーブという物があります」


「薪ストーブ?ですか?それはどんな物ですか?」


「薪ストーブというのはこんな形をした・・・」


大河は薪ストーブの概要を教えた


「それは温かくなりますね。それをもらえますか?」


「しかし、これを設置するには煙突というのが必要です。この煙突を家の中のストーブから外に設置する必要があります。これは私にはできません。大工にやってもらわなければなりません」


「分かりました。大工の手配はこちらで行います」


「それでは実物をお持ちして大工に施工してもらいましょう」


「お代は幾らですか?」


「薪ストーブと煙突、周辺道具を組にしますと45貫となります」


「結構なお値段ですね」


「ですが、広い部屋全体が温かくなりますよ。何十年と使えます」


「分かりました。大河の言うことを信じて払います」


「それでは数日以内にはお持ちします」


「大河、これを」

とお花は何かの印を渡した


「これは?」


「この城への通行証です。御用の時に見せれば通してもらえます。私は大抵御殿に居りますのでそちらまで来てください」


「分かりました」


大河は別れを告げると家に帰った

家に着くと大河は楽市楽座を起動した


「薪ストーブ、薪ストーブと。この中で一番温かそうなのは、これか。全てのオプションを付けて100万、煙突が50万ポイント、合計150万ポイントだな」


残り10万ポイント、28貫


薪ストーブと煙突を出した


ぼすっ


「おお~、すげ~、でけ~。だが城まで持って行くのが大変だな。どこかに人足を頼みたいが。そうだ!源さんにお願いしてみよう」


大河は菊婆さんに源さんの居場所を聞いて川の近くの作業場に来ていた


「おっいたいた。お~い、源さ~ん」


「おう、大河か。どうしたい?」


「源さんに手伝って欲しいことがあるんです」


「なんで~?」


「御殿に商品を納入しに行きたいんですが、重くて運べないので源さんに手伝ってもらえないかと」


「御殿?お前~城に納入しに行くって~のか?ホラじゃねえだろうな~?」


「ホラじゃなく本当です」


「いって~、一体何を運ぶんで~?餅屋を辞めてるんだから、あんころ餅じゃね~んだろ?」


「説明が難しいんですよ、まあ見たら分かります」


「まあ、良いぜ~。明後日なら、休みにすっから手伝ってやるよ」


「ありがとうございます。家の場所はかくかくしかじかです」

大河が源さんに家の場所を説明する


「ああ、分かったぜぇ」


「よろしくお願いします」


2日後、大河は薪ストーブの搬送準備をしていると


「おう、大河。来たぞ~」


「あっ、源さん。いらっしゃい」


「これがそうかぁ?」


「そうです。薪ストーブです」


「薪すてーぐ?」


「薪ストーブです」


「その薪なんちゃらって言うのは何で~?」


「家の中を温める道具です」


「ほ~、それはすげ~な。ちょっと見ても良えか~?」


「良いですよ」


「なんじゃこりゃ~?なんかすげ~高級そうだ~」


「高級品ですから」


「なんで大河がこんなのを持ってるんで~?」


「それは秘密です。そろそろ行きましょう」


大河達が荷物を台車に乗せて城まで運ぶと門番に話掛ける


「何用か?」


「おい、大河。大丈夫かよ?」


「こちらを」


「む、奥方様発行の通行証か。本物だな。良し、通って良いぞ」


「ありがとうございます」


「通行証⁈大河、おめ~何もんで~?」


「まあまあ」


御殿に着くとお花さんを探した


「お花さん、薪ストーブを持ってきました」


「大河、早いですね。早速見せてもらえますか?」


大河は台車から荷物を大部屋に運び込むと梱包を解いた


「これが薪ストーブという物ですか?大きいですね」


「はい、これが薪ストーブです。これが、販売している中で一番大きい物です。これをどこに取り付けますか?」


「御殿の大部屋に設置をしたいのですが、大河はどこが良いと思いますか?」


「火が付くので燃えにくく、邪魔にならない壁際がよろしいかと。ストーブの下と壁際に付ける防御板を持ってきましたので、それを付ければ万全です」


「大河に任せます。それと煙突というものはどこに付けますか?」


「設置する近くの壁に穴を開け、そこを通すと良いと思います。ちなみに壁を開けても大丈夫でしょうか?」


「開けっ放しにするのでなければ問題ありません」


「源さん、ここの壁にこの位の穴を開けられます?」


「ああ、簡単だぜぇ。穴を開けた後、この筒を通すのかい?」


「そうです、その筒を通した後、筒と壁に固定する金具を合体させて締めれば出来上がりです」


大河は説明書を見ながら取付方法を説明する


「煙突が設置できたら、防御板を設置し、煙突とストーブを取り付けます。これで完成です」


「簡単だなぁ」


「簡単にできるようになってるんですよ。それでお花さん、大工はどうなってますか?」


「それが、戦で被害にあった町の復旧などで暫くは無理だとの話です。1月先か2月先かと言われました」


「それなら、ここに居る源さんにやってもらったらどうです?」


「この方は?」


「大工の棟梁の源さんです」


「1人しか居ねぇが棟梁の源三郎だ」


「普通はお抱え以外の方はダメなんですが、1月2月先では冬が終わってしまいます。奥方様に特例でとお願いしましょう」


「お願いします」


「お代は?」


「設置代金はこちらで持ちますよ」


「ありがとうございます。それでは聞いてきますね」


お花が奥へ去っていった


「見るからにすげ~品だな。こんなのどうやって作ったんで~?」

源さんがしげしげと薪ストーブを見ては、コンコンと叩いて感触を確かめている


「故郷の品です。どうやって作ったかは、僕にも分かりませんよ」


そうする内にお花さんが戻って来た


「工事許可が下りましたよ」


「それは良かった。源さん、何時から取り掛かれますか?」


「それなら明日やるぜ。道具も取ってこね~といけねぇし」


「源さん、今の仕事は大丈夫なんですか?」


「ああ、あそこは日雇いだからよぉ、別に突然休んだ所でなんも問題ねぇぜ」


「分かりました、よろしくお願いします。お花さん、また明日来ます」


「よろしくお願いしますね」


大河と源さんが城から帰る途中


源さんが話掛けてきた


「それでお代だがよ」


「分かってます、200文でどうでしょう?」


「200文!?おめ~、いったいどこにそんな金が?」


「心配しなくてもお金ならあります。源さん、明日はよろしくお願いしますね」


「ああ、分かったぜ~」


大河は源さんと別れると家に帰って明日に備えるのであった


次の日の朝、大河は源さんと城へ向かった

そして、御殿に行きお花さんを見つけると薪ストーブ設置を開始するのであった


ギーコ、ギーコ

カンカン


2刻くらい経っただろうか


「大河、穴を開けたぞ」


「それでは煙突を通してみましょう」


大河と源さんは煙突を穴に通してみた


「通りましたね」


「この部品と煙突を合体させて開けた壁の穴を塞ぐように取り付ければ良いんだな?」


「そうです。穴を塞ぐ部品はこうやって締めます」


大河は懐からモンキーを取り出してネジを締める


「それはなんで~?」


「これはネジを締める道具です」


「ネジって言うと、南蛮の道具で使っているあれか~?」


「そうです、そのネジです」


「おめ~の故郷は南蛮か~?」


「それは違いますけど(笑)。影響は受けてますね」


大河はうまく故郷の話を躱しながらネジを締め終えて設置を完了させた

大河はお花を見つけ作業が終わったことを話した


「ご苦労様です」


「これから動作確認をしようと思います。お花さん、薪を貰えませんか?」


「分かりました、では大河も薪を運ぶのを手伝ってもらえませんか?」


「良いですよ」


大河とお花は薪を薪置き場から取ってきて、薪ストーブの中に設置した


「それでは火を付けます」


「これをどうぞ」

とお花が火打石を渡してきた


「うっ・・・」

{この時代の火の付け方はどうやるんだっけ?}


大河は当然の如く火打石を使った経験はない

どうやって使うかも知らない

ひとまず石同士を叩いて火を付けてみる


「あれ?あれ?うまく付かないな」


「大河~、下手だなぁおめぇ(笑)」

と源さんが笑いながら揶揄する


「源さん、笑ってないで手伝って下さいよ」


「分かった、分かった」


源さんは慣れた手つきで火打石を持つと


「大河、こうやるんだぜ~」


と言ってあっさり火を付けた


「おお~、すげ~」


大河が感動しているうちに火はみるみる大きくなっていく

薪に火が付き燃え上がると部屋が温かくなってきた


「なんだか温かくなってきましたね」

お花さんが感想をもらす


「おっ、ホントだ、あったけぇ」


暫くすると部屋がすっかり温かくなった


「凄い、部屋全体が温かくなってます!」


「こりゃすげぇぜ」


源さんとお花さんが薪ストーブの効果に喜んでいると

奥方様がやってきた


「何事じゃ?煙が出ておるぞ?」


「奥方様、申し訳ございませぬ。こないだ申しました新しい薪ストーブというものの動作を確認しておりました」


「ほう、ではこの煙は火事ではないのかえ?」


「火事ではございません。火を焚いているため煙は出ておりますが問題ございません」


「そうか、それにしても温かいの~」


「ははっ、薪ストーブの効果でございます。これも大河のおかげでございます」


「そうか。そうか。大河よ、大儀であった」


「はは~、勿体なきお言葉」


「そうじゃ、夕飯はここで食べとう思うがどうじゃ?」


「良いお考えと思いまする。大河、どうでしょう?」


「もう少し確認し、問題なければ良いでしょう」


「お花、任せたぞ」


「はは~」


そう言うと奥方様は奥へ戻っていった


「それでは、薪ストーブに問題ないか確認します」


大河は薪ストーブの周りを見て焼けがないか確認し、ストーブの周囲にも問題ないか確認した

煙突や壁も確認し終えた後、大河が言った


「問題ありません。お使い頂いて大丈夫でしょう」


「それは良かったです。これはお代です」


大河は45貫を受け取った


「源さん、帰りましょう」


「もう帰るのか~?」


すっかり寛いでいた源さんに声を掛け、帰る準備を始めた


「お花さん、それではこれで」


「何かありましたら、また伺いますね」


大河達は、薪ストーブの部材の残りを引き取って家に帰ってきた


「源さん、ありがとうございました。これはお代です」


大河は300文を源さんに渡した


「おお~良いのかぁこんなに貰って」


「良いですよ。でも、また手伝ってもらえますよ?」


「おお~、こんなに割の良い仕事ならいくらでも手伝ってやるよ。今日は酒が飲めるぜ~。大河、またな」


と源さんは鼻歌を歌いながら酒屋のある方へ向かっていった


残り10万ポイント、72貫700文


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その頃、御殿では・・・


大部屋に集った奥方様と子供たちが夕食を取っていた

そこに大道寺資親と重臣達が、通りがかった


「部屋から煙が出ておる。どうなっておるのじゃ?」

と資親が言った


「殿、南蛮渡来の品である薪ストーブと申す物を取り付けましてございます」

と奥方様が説明する


「ほう、南蛮渡来の品とな。ふむ、部屋全体が暖かくなっておるのか。これならば、部屋で縮こまってなくとも良いな」


「素晴らしき品でございますな。さすがは奥方様」

と重臣達


そうこうするうちに城では大部屋が暖かいという噂で持ちきりとなっていた

そして、皆が事ある毎に大部屋に行きたがるようになってしまった

流石にこれには資親も苦笑するしかなく


「相分かった、使いたければ順番と時間を決めよ」


と大部屋を使うための予約制度が実施されることとなった


お花は、優先されるとは言え、奥方様、お子様がたと"自分"が寒い冬でも過ごしやすいようにと打った手であった

それが予想外の展開となり、顔には出さないが不機嫌であった


それでも冬の寒い日に温かい部屋でご飯を食べれることを皆が喜んでおり

それを実現させたお花の株は上がったのだった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




その日の夜大河の家


「明日菊婆さんの所に布団を渡しに行くよ。済まないが布団の組を作るのを手伝ってもらえる?」


「「分かったわ・よ~」」


3人で布団袋に敷き布団、掛け布団、シーツを入れて行く


「これは高級品じゃないの?」


「ああ、これは普及品だ。高級品ほどじゃないが、温かいぞ」


「何が違うの?」


「城に納めたのは、羽毛でできているんだ。だが、これは綿布団。純粋に材質の値段の違いだな。重さも違うし、温かさも違う」


「そうなんだ~」


「普通の人ならこれで十分なんだ。流石にお城の偉い人に、安物を渡す訳にはいかないからあれにしたが」


「どうして安物じゃダメなの?」


「今後、この布団を売ることになると安物と高級品があるって分かるだろ?その時、安物を売ったとなると問題になるんじゃないかと思ったんだ」


「なるほど、大河はこれから布団を売っていくつもりなんだ」


「そうなると思う。ほかにも色々売っていくつもりだけどな」


他愛もない話をしながら布団セットを2組作り終えると3人は眠りにつくのであった


次の日


大河は巴と静と共に菊婆さんに布団を届けに行った


「菊婆さん、おはようございます。布団を届けに来ました」


「大河、おはよう。ようやく布団が入荷したのかい?」


「はい、これがその布団です」


「ほ~」


大河は布団の使い方を菊婆さんに説明して、布団の代金800文を受け取った


こうしてまた布団に魅入られる人が増えたのだった


残り6万ポイント、73貫500文

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


お気に入り登録、評価などをしていただけたら幸いです

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 薪ストーブ売るなら、空気の乾燥対策で金属製のやかんも売らないと。 [一言] 商売繁盛のようでなにより。 そういえば、この時代の人が知らないようなアイテムを口頭で宣伝かけたりしないのかな…
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