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11話 城2

評価ありがとうございます

こんなに評価して頂けるとは・・・

感謝感激です



次の日


大河はあんころ餅50組を箱に詰め昼前に城へ向かった

昨日奥方様へ届けると約束したからである


城の門に到着すると


門番が

「昨日の小僧か、どうした?」

と聞いてきた


「本日は奥方様へのお届け物でございます」


「相分かった、暫し待たれよ」


暫くするとお花さんがやって来た


「どうぞこちらへ」


「ありがとうございます」


連れていかれたのは昨日よりだいぶ小さい部屋だった


そこで奥方様と姫様らしき女の子が数人待っていた


「よう来た、待っておったぞ」


「奥方様、あんころ餅を持って参りました」


そう言うと大河は箱を開けた


「わ~」

姫達が歓声を上げた


「静にするのじゃ沢山ある故、皆で食べられよう。毒は入っておらぬだろうな?」


「失礼致します」

そう言うと毒見役が毒見を始めた

「問題ありませぬ」


「そうか。餅屋よ許せ、これも決まりじゃ」


「問題ありません」


部屋に居る全員に餅が配られると


「よし、頂くかの」


「「頂きます」」

姫達がワクワク顔で言う


全員が一斉に餅を食べ始めた


「おいし~の」


「とっても甘いの」


「幸せ~」


大好評であった

それを見て大河も一安心したのであった


「餅屋よ、大儀であった。これは素晴らしき食べ物じゃ」


「ありがとうございます。店主も喜びましょう。所で奥方様。あまり顔色が良くないご様子、何かございましたか?」


「近頃、寒うてな、あまり良く眠れぬのじゃ」


~~~~~~~~~~~~~


この時代にはまだ布団は発明されておらず

御座の上に寝てその上に服を何枚も掛けて寝ていた


~~~~~~~~~~~~~



「そういうことでしたか。それなら、良い物がございます」


「ほう、どんな物じゃ?」


「布団という物でございます。これを使えば寒さを防ぎ快適に眠れます」


「本当かえ?布団という物を聞いたことないのじゃが」


「嘘ではございません。後程実物を持参致しましょう。お使い頂き、気に入られましたらご購入ください。但し、少し高額でございます」


「幾らか?」


「標準的な物で1組4貫でございます」


「少し高いの~。だが、使ってみて気に入らなければ買わなくても良いのだな?」


「その通りでございます」


「分かった、その布団とやらを持って参れ」


「はっ」


「それと、そちの名は?」


「大河と申します」


「大河よ期待しておるぞ」


「はは~」


大河は城を出ると家に戻った

家の中で楽市楽座を起動

楽市楽座で羽毛布団と綿敷布団、布団袋、シーツを購入した

合計20万ポイントであった

残り160万ポイント、現金5貫


2つの布団を布団袋に入れ、家の横に立て掛けてあったボロボロの木の台車に乗せて城に戻る


門番が言った

「用件は聞いておる、暫し待たれよ」


「ありがとうございます」


門番

「先ほどの部屋に来いとの伝言だ」


「分かりました」


大河はお礼を言って布団袋を持って城の中に入る

そして、先ほどの部屋に着くとお花さんが待っていた


「私が受け取りますので使い方の説明をお願いします」


「こちらのフワフワのが掛け布団と言います。こちらの重たい方が敷布団と言います」


「掛け布団ということは、それを体の上に掛けるのですね?」


「その通りです」


「敷布団は体の下に敷くということですか?」


「おっしゃる通りです。説明する必要がありませんでしたね。但し、汚れを防止するため各布団にこの布を被せます。これを被せた状態で敷布団を敷き、掛け布団を掛けます。つまり2つの布団の中で寝る訳です」


「分かりました」


「私は餅屋に居ますので、何かありましたらお店までお越しください。もし購入されなければ、次に餅を持参する時に回収致します」


「分かりました」


「それでは失礼いたします」


大河は餅屋に帰って行った


次の日


大河は餅屋で忙しく働いているとお花が共を連れて来ていた


「大河さん、お城で奥方様がお待ちです。一緒に来てもらえますか?」


「何かありましたか?」


「それはお城にてお話します」


「菊婆さん、権蔵爺さん。ちょっとお城に行ってくる」


「大河、何かあったのかい?」


「お咎めがある訳ではありませんので大丈夫です。少し大河さんをお借りします」


「皆、大丈夫だからちょっと行ってくる」


巴と静も心配そうだったが特に何か言うことはなかった


城に着くと昨日の部屋に通された


「少しお待ちください。奥方様をお呼びして来ます」


暫く待つと奥方様が部屋に入ってきた


「大河、この布団とやら大層気に入ったぞ」


大河が奥方様を見ると昨日とは打って変わって顔に生気が戻っていた


「布団の寝心地はいかがでしたか?」


「久しぶりに昨晩はよう眠れた。触り心地も良く、すぐに眠うなる。これは素晴らしき品じゃ」


「気に入って頂けたのなら嬉しく思います。購入致しますか?」「勿論じゃが、追加であと10ほど欲しい」


「あと10でございますか?そうなりますと全てを納入するのに15日ほど頂きたく思います。勿論、布団は入荷次第持参致します」


「直ぐには無理か、仕方ないの。分かった。15日じゃな、だがなるべく早うするのじゃ」


「承知しました」


そしてお花さんから布団の代金4貫を受け取ると急いで餅屋に戻るのだった


餅屋に戻ると虎衛門さんが来ていた


「今日で2月だ、まだ借りるのか聞きに来た。金が無いならまだ待ってやるが」


「まだ借ります。また2月でお願いします」


虎衛門に1貫を渡した

残りは8貫である


「毎度。それではな」


「お手を煩わせてすみませんでした」


「金さえ払ってくれればなんてことはない」


そう言って帰っていった


「大河、城で何があったんだい?」


「僕の商品を奥方様が買ってくれたんです」


「ほ~、それは良かったね。それで、何を買ってくれたんだい?」


「布団です」


「布団?布団って何だい?」


「布団というのは寝る時に使う物です。奥方様が寒くて眠れないとのことでしたので、温かく眠れる布団をお出ししました」


「あの布団を出したの?」


「そうだ、ただもっと高級な物だけどな」


「巴は知ってるのかい?」


「はい、布団で寝ているので。とっても寝心地が良いんです」


「大河、その布団は私らでも買えるのかい?」


「買えますよ。ただ、奥方様の方が終わってからなので暫く待ってもらいますよ?また、このことは他の人には内密に願います。供給が間に合いませんので」


「分かったよ。奥方様の方が終わってから、声を掛けておくれ」


「2組で良いですか?価格は1組400文です」


「2組で良いよ。1組400文だね、分かったよ」



大河と巴と静の3人は餅屋から家に帰ってきた


「巴と静にちょっと手伝って欲しいことがあるんだ」


「良いわ、何をすれば良いの?」


「良いよ~」


「これから羽毛布団と綿敷布団、布団袋、シーツを出すから、これらを布団袋に入れるのを手伝って欲しんだ」


「分かった」


大河は楽市楽座でこれらのセットを6個購入した

その6個で表示が在庫切れとなった

残り40万ポイント


「ふ~む、あまり大量購入はできないのか」


そして、呪文を唱えるふりをして商品を出した


ドサドサドサ


「うわ~、いっぱい出てきた」


「さて組を作っていくぞ」


6組全部組み終わり、6つを作業場の方に移し終えると


「終わった~。巴、静ありがとう。後、これは2人の今までの賃金だ」


そう言うと2人に1貫ずつ渡そうとした


「大河良いよ、そのお金は大河が使って。私たちが生きていられるのも大河のおかげ。だから、そのお金は大河に返すよ」


「私も同じく返す~」

静も同じ考えのようだ


「そういうなら今回は貰っておくが、次からは受け取ってくれ。これは巴たちが働いた対価だ。もらってくれないと俺が困るんだ」


「分かった、次からは受け取るわ」


「うん」


次の日


餅屋が休みだったため巴と静に協力してもらい布団6組を城へ届けた


「お花さん、こちらが6組の布団です」


「改めさせてもらいます」


そう言うとお花は検品していった

全ての検品を終えた所で


「確かに受け取りました。こちらは代金です」

と24貫を渡された


「次の納品はいつ頃になりますか?」


「すみません、材料が無くなってしまいまして。まだ次の納入日が決められません。もう少しお待ちください」


「分かりました。ひとまず、7組あれば足りるでしょう。残りの4組に関してはそれほど急いてはおりません」


「それを聞いて安心しました。なるべく早く納入します」


「頼みます」


大河達は布団の納入が終わると帰宅した

城から家に帰る途中


「24貫なんて初めて見たわ」


「凄いね~」


「これをお供えするための品に変えないとな。ちょっと先に帰っておいてくれ」


大河はそう言うと鍛冶屋に向かった

鍛冶屋で20貫する小刀を購入する


鍛冶屋の親父

「毎度、ありがとうよ。戦があるから俺たちは大儲けだが、命は大事にするんだぞ」


「ええ、大丈夫です。戦には行きませんから」


大河はそう言うと鍛冶屋から出て行った


「戦に出ないのに刀がいるのか?」

鍛冶屋の親父は不思議がっていた


家に帰ると巴と静がお風呂の準備をしていた


「大河お帰り」


「大河お兄ちゃんお帰り」


「ただいま~。お風呂沸かしてるのか?」


「そう、今日は休みだしお風呂にしたいな~って」


「大河、良いよね?」


「ああ、良いよ。だけど・・・」


「また3人で一緒に入ろ!」


「そうしよう!」


「あ、あの」


「大河お兄ちゃんも良いよね?」


「また髪を洗って欲しいな」


大河は断る機会を失って、一緒に入るしかなくなった

巴と静に髪と体の洗い方を教え、実践してもらった


「なるほど、こうすれば良いのね」


「凄い綺麗になったよ。ピカピカのツルツル~」


2人が綺麗なのとあまりに無防備なため、大河は2人をまともに見れなくなっていった


{ヤバいな、こんな美少女たちと一緒に風呂なんて。2人をまともに見れやしない}


巴と静はそんな大河の思いにも拘わらずキャピキャピ風呂を楽しんでいるのであった


その日の夜、大河は巴と静に餅屋を辞めることを話した


「餅屋を辞めようと思ってるんだ」


「えっ?どうして?」


「商売が順調に行きそうなんだ。餅屋を辞めてそっちの商売をやろうと思ってる」


「そうね、1回で24貫とかの商売ができるなら、そっちの方が良いものね」


「あと、巴と静にもその商売を手伝って欲しいんだ」


「いつ?」


「後、半年以内のつもり。だから、あんこの作り方とかを菊婆さんに教えて欲しいんだ」


「良いの?」


「ああ、生活の基盤ができそうだし、もう秘密にする必要はないと思う」


「分かったわ」


そして、寝静まった頃大河は小刀を楽市楽座で換金した

200万ポイントだった

残り240万ポイント


次の日


大河は餅屋に行くと菊婆さんと権蔵爺さんに事のあらましを話した


「菊婆さん、権蔵爺さん、すみませんが今日で餅屋を辞めようと思います」


「自分の商売が上手く行きそうなのかい?」


「はい、この機会に商売を始めようと思います」


「そうかい、頑張んな」


「ありがとうございます。巴と静は、この商売が上手く行くまで居させてもらえますか?」


「それはありがたいね。でもその内、巴と静も居なくなるんだね」


「そうなります。でも、あんこの作り方と材料はこの先も供給します」


「あんこの作り方も教えてくれるのかい?」


「はい、お教えします」


「それはありがたい。そうなると人を雇った方が良いのかね」


「そうだな、人を雇おう。今でもギリギリなんだ。2,3人雇おう」

と権蔵爺さんは張り切って言った


今日の仕事が終わり、大河の餅屋での仕事は終わりを告げたのだった

初めて投稿致します

拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います

誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします

しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします

また、告知なしでの変更等がありますことをご了承ください


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