1話 転生
戦国時代に転生してチート(ネットショッピング)を授かった主人公がチートを利用して成り上がる物語。戦国時代に現代のネットショッピングがあったらみたいな感じです。
202X年9月某日
俺は、山本樹。アラフォーのしがないサラリーマンで独身だ。
趣味はネットショッピング。
あまりお金が無いから、もっぱら眺めるばかりなのだが。
今日は、炎天下の中、感染症予防のワクチンを打ち終わって家に帰って来た所だ。
家の中に入りクーラーを入れて一息吐く。
「は~、涼しい」
すると突然、息が苦しくなり。。。
「うぐっ」
まさか、これが噂に聞く副反応?
薄れゆく意識の中、助けてくれと祈った。
はっ
ふと目が覚めた
ここはどこだ?
残暑にしては少し涼しい感じだ。
どうやら木の根元に居るらしい。
周りを見渡しても木しかない。
確か、家に入って・・・
そ、そうだ!家に入った所で意識が無くなったはずだ!
それがどうして森の中にいるんだ?
訳が分からない。
だが、その謎を考えている暇はなさそうだ。もう日が傾き始めている。
夜になる前にどこか宿を取れる場所を探さないと。
体は動くのか?
良し、問題ないな。ワクチンの影響は無いみたいだ。
起き上がって高台に上がり遠くを見ると
「おっと、あの辺は木が生い茂ってないな」
もしかしたら、川があるかもしれない
川伝いに歩けば何かあるだろうと歩き始めた。
30分ほど歩くと川に着いた
そうして暫く川辺を下って行くと倒れている薄汚れた女の子を見つけた
近寄ってその子の様子を見る
ボサボサの髪に汚れた顔、体は小さく華奢な感じだ
10代前半か?それにしては小さいな。下手をすると1桁才か?
「大丈夫か?ふむ、脈はあるな」
体がやせ細ってる、栄養不足、貧血か?
しかし、この子の服装はなんだ?
まるで時代劇に出てくる戦争孤児のようにぼろぼろだ
202Xの時代にまだこんな子がいるのか?
「その子から離れなさい!」
ん?
声のする方に顔を上げると、倒れている子より少し大きいが、同じくボロボロの服、ぼさぼさの髪をした女の子が木の棒を持って威嚇してきた
「離れなさいと言ってるの!その子に何をしたの!?」
「倒れていたから様子を見ていただけだ。多分貧血だ、休ませる場所が欲しい。知ってるか?」
「付いてきなさい」
しぶしぶといった風情だが、案内してくれるようだ
「随分警戒されてるな・・・」
倒れている女の子を背負って、先を歩く子を追っていく
川から5分ほど山方面に歩くと家が見えた
「ここよ」
随分とボロい小屋だな
家の周りは雑草で覆われ、獣道のような道の先には、もはや倒れてもおかしくないくらいボロい家があった
なんならすぐにでも倒れそうだ
小屋の中に入ると囲炉裏があり、その先に薄っぺらい御座が見えた
「ここに寝かせて」
「分かった」
女の子を横にした
「聞きたいんだが」
「何?」
「ご飯となるようなものはあるか?」
「・・・・ないわ・・・」
こんなやせ細った2人を見てとても食料があるとは思えない
「やっぱりか、どうしたものか」
日が傾いてきたし、外に調達しに行くのも厳しいな
「ご飯もなく良く生きれてられるな」
「2日前に尽きたのよ。食べられそうなものを探したんだけど、あまり無くて。魚は居るんだけど、釣りの道具もないし」
「そうか・・・」
これはヤバいな、食べ物がなくては生きられん
小さい方は、倒れているし限界が近い
だが、日も落ちそうだし、今からじゃ探すのは無理だろう
今日は諦めるしかない
「ねえ、まだ元服してないくらいに見えるけど、なんであんたはここに?」
「!?」
元服してないように見える?
どういうことだ?
「元服してないように見えるって・・・、何歳に見える?」
なんとか動揺を抑えながら質問する
「14くらいかな」
なんだと?
「ちょっと川へ行ってくる」
うす暗いなか、川で自分の顔を見ると
「嘘だろ?」
そこに映っていたのは、まだ幼さの残る少年の顔であった
「こ、これは一体どういうことだ・・・」
俺には、確かな人生の記憶がある。子供の時の思い出も残ってるし、大学を卒業したことも覚えている、それにこの前勤続15年を祝ったばかりだ
しかし、体はどうみても少年
まさか、転生ってやつ?
初めて投稿致します
拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
誤字脱字、歴史考証の不備など歓迎いたします
しかし、物語優先で時代考証は完璧にしようとは思っておりませんのでどうぞよろしくお願いいたします
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