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異世界短編

転生ヒロインは筋肉が好き


 筋肉が好きだ。特に大腿四頭筋が大好きだ。

 どんなに見た目が可憐になろうとも、前世からそれだけは変わらない。それなのに……


「なんで、この体は筋肉が全然つかないのよーーー!!」


 そう、どんなにトレーニングを積んでも全くと言っていい程、ある時から筋肉がつかなくなったのだ。

 最初は脂肪も落ち、順調に筋肉がついていたこの体に異変が起きたのは、3年程前。美しいと言われる美脚を手に入れてからだ。


 だが、世間一般で言われる美しい脚と私の理想は違う。だから、前世の知識を使ったトレーニングもしたし、こっちの世界での専門トレーナーも雇った。食生活も見直した。勿論、睡眠だって気を付けている。

 それなのに……全くの効果がでないのだ。



 仕方がないので、自分の筋肉を鍛えつつも、他者の筋肉美で心を癒そうと思い付いたのが、一月前。




 そして現在ーーー


「はい、息を吐きながらゆっくり体を下ろしてー!そこでキープ、1・2・3。はい、吐きながら体を戻してー」


 付きまとってくる鬱陶しい男共を全員まとめて筋トレをさせている最中である。


 何度やめて欲しいと伝えても、四六時中付きまとってくるので、私も考えたのだ。

 どうやっても付きまとってくるのなら、私にとっても、他の人にとってもほんの少し……極僅かでもいいから、有益な存在になってもらおう!!と。


 一月の成果なのか、徐々に筋肉を5人ともつけ始めている。


「ミカサ。本当に君好みになったら、私と結婚してくれるのかい?」

「殿下、馬鹿なことを言うのは止めてください。あなたには婚約者がいるでしょう?破棄なんかしたら、国際問題になりますよ。ミカサ、私と結婚しますよね?」

「「違うよー!!ミカサは僕たちと結婚するんだよねーーー」」

「………………」


 わいわい、ガヤガヤと相も変わらず喧しい。そして、煩わしい。この国の皇太子殿下や重役の子息じゃなかったら無視もできたのに、そうもいかない。

 そうもいかないのだが……。


「口を動かすなら、筋肉を動かしてください。

 それに、皆さん婚約者いますよね?」

「だが、ミカサのためならっっ!!」


 ためならなんだって言うんだよ。私のためなら、付きまとわないで欲しい。それにーーー


「私、彼氏がいるって言ってましたよね」


 そう。彼氏いるから。お偉いさんじゃなかったら、シカトだからね。


「「別れればいいじゃんねーーー」」


 いくら筋肉がついてきても、こいつらはない。本当にない!!絶対に付き合いたくもない!!


「いえ。先日、その彼と婚姻いたしましたので、もう付きまとわないでください」

「はい?」

「相手は、誰なんだ!!」

「オスカー侯爵家の次男のレイン様ですけど」


 その瞬間、男共は皆が同じ事を思った。


「「「「筋肉ついてないじゃない(か)」」」」」


 相も変わらず一名は無言だが、煩いったらない。


「というわけなので、もう付きまとわないでください。ずっと思ってましたけど、迷惑です」


 呆然とする男共に背を向けて歩きだそうと思ったが、折角だから教えてあげよう。


「あぁ。それと、皆さんそれぞれの筋肉のつき方は婚約者様のご希望ですので。

 良かったですね?婚約者様の理想に近付けて」


 それだけ伝えると、私は振り返らずに歩きだす。筋肉なんかなくても、いつも優しい目で私を見てくれる愛しいあの人のもとへ。



ーーー完ーーー




 

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― 新着の感想 ―
ヤンデレだの束縛だの言う意見もあるかとは思いますが 当人同士が納得してるなら ただの溺愛だよね と 祝福の言葉を贈ります 破れ鍋に綴じ蓋 他の人に迷惑かからなくて 大変目出度い(´-ω-)ウム
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