5.サブリナ
「昨日は、本を譲っていただいてありがとうございました。」
「いいえ。ちょうど帰るところだったので。」
「いいえ、助かりました。お礼にお茶でもどうですか。」
- おお。逆ナンだ。
「はい。よろこんで。」
つい、本音で答えてしまった。
ギルドの一階に併設されている食堂でお茶をした。
彼女の名前は、サブリナといった。
魔術士で、レベル10だ。
俺も自己紹介をした。
お互い年が近いので、敬語はやめようということになった。
「セフィーは、パーティには所属してないの。」
「パーティにからは抜けたんだ。」
「そう。じゃあ明日から私とダンジョンにもぐらない?」
確かに逆ナンなんだが、期待していたのとは違う。
「サブリナは、パーティに属していないの?」
以前はいたパーティからは抜けたのだそうだ。
しつこく、迫ってくるメンバーがいたらしい。
どこかで聞いたような話だ。
それで、最近はフリーでやっているという。
「魔術師ならいろんなパーティから引手あまただろうに。」
「あんなことがあってから、誘われて入るのは、やめたの。」
「それで自分から誘ったのか。俺は男前だからなあ。」
「そうよ。」
俺が男前でないのは、十分わかっている。
でも、冗談にそんな返しをされると少しドキッとした。
正直に言うと魅力的な誘いだった。
だが、今はまだダンジョンにもぐれない。
「まだ、修練中なんだ。今は、まだダンジョンにもぐれない。」
「そう、残念ね。修練が終わって会ったら声をかけてね。男前なんだから。」
俺は、未練を残しながら、山に帰った。
翌朝、いよいよ修練開始である。
一通り、本は読んだが、何から始めるべきか。
俺は、まず、双剣の型を習得することに重点を置くことにした。
双剣の型は、12手からなっていた。
第3手は、パリイとその後の攻撃。
第6手は、切り返し。
第9手は、連続斬り。
第12手は、クリティカル。
それらの間に基本的な剣技や体さばきが入っている。」
垂直切り、薙ぎ払い、斬り上げ、突きなどの基本技は、型の中にすべて入っていた。
俺は、まず、1日3手ずつ、ゆっくり、繰り返し、繰り返し、修練した。
その後、12手通して、ゆっくり、何度も行う。
一通り、覚えると素早く型を行う。
自分で言うのもなんだが、剣舞を舞っているようだ。
朝晩は、マナを練り、昼は、剣技の型を舞う。
週に一度は、買い出しに村に向かう。
俺は、そんな生活を1月ほど送った。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
よろしくお願いいたします。