44.修行
翌日、朝食を済ませるとさっそく最初の訓練が始まった。
「マナを足に通して風のように早く走ること」を「風走」というらしい。
「風走をやってみろ。」
マナを足に通して走ってみる。
素早く走れた。
「今は、その程度でいいだろう。」
「それじゃあ、荷物を持って、わしについてこい。」
荷物を持ってくると、ジークフリード師匠は、南に向かって走り出す。
どれくらい走ったろうか、わからない。
やがて山の中に入り、尾根を通過し、山の反対側の斜面で止まった。
洞穴がある。
「ここで修行する。荷物を中に置いてこい。」
洞穴のなかには、大きなヒスイのベッドがあった。
「セフィーは、ここで毎日眠ることになる。ヒスイがマナを高めてくれる。暑くても寒くてもここでマナを練りながら寝るんだ。さあ、さっそく修業を始めるぞ。」
「まず、剣技の型を素早くやってみろ。」
俺は、15手の剣技の型を素早くやって見せた。
数か所、直される。
これを繰り返し行った。
ある程度、直しがなくなると何度も繰り返すように言われる。
夕方近くになると、村で食材を買ってこいという。
俺は、風走を使い村まで戻り、食材を買ってきた。
もう日が暮れている。
「今に日暮れ前に戻ってこれるようになるだろう。」
どうやら毎日、食材を買いに行かなければならないようだ。
夕食を済ませるとすぐに寝ろという。
俺は、ヒスイのベッドでマナを練りながら眠った。
翌朝から、午前中は、マナを剣に通し、剣技の型をおこない。
午後からは、その応用を学んだ。
夕方からは、買い出しである。
夜は、ヒスイのベッドでマナを練る。
そんな毎日を過ごしていった。
「この大木を1撃で倒せるようになるまで修練を続けることにする。」
ある日ジークフリード師匠がそんなことをいった。
ひとかかえ以上ある大木だ。
一撃で倒すのは無理に思えた。
そんな修行を1年近く行った。
買い出しも日暮れ前には帰って来れるようになっている。
「そろそろ大木に挑戦してみるか。」
「はい。倒せるでしょうか。」
「いろいろ工夫してやってみろ。」
両手スマッシュで試みた。
なんと、大木は、一撃で倒れてしまった。
「うん。よくできた。山を下りよう。そろそろディーンの誕生日だ。ミュラー家へ行く準備もいるだろう。今回は、わしの弟子として紹介するからプレゼントはいらん。」
この日俺たちは、山を下りた。
サブリナの誕生日の1週間前だった。
山を下りるとジークフリード師匠と別れ、リヴェルの町へ行った。
ギルドに行くと、サブリナからの伝言が掲示板にある。
「ルーシアの町にいます。」
- 誕生日に行くとしたら、プレゼントがいるだろう。
- どうしたものか。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
よろしくお願いいたします。




