35.ダンジョンの町ウェストリ
ウェストリの町に着くと、さっそくギルドに向かい、ヒューマン用の宿を紹介してもらう。
宿に荷物を置くと、再びギルドの資料室でダンジョンのことを調べた。
アスカはやる気満々である。
1F コボルト スケルトン
2F ワーウルフ オーク
3F オーガ レッサーデーモン
4F ガーゴイル トロール
5F ミノタウロス アースジャイアント (ボス部屋未攻略)
アースジャイアントは、アースランス(土槍)の魔法を唱えてくるらしい。
俺たちは、ダンジョンの地図を買うと、明日、5Fまで行ってみることにした。
翌日、アスカに起こされ、ダンジョンに向かった。
アスカは相当気合が入っている。
1Fから4Fまでを2人で難なく攻略すると5Fに進んだ。
ミノタウロスは、お手のものだ。
問題なのは、アースジャイアントである。
しかし、俺が、アースジャイアントのアースランス(土槍)の魔法を打ち消すとアスカがどんどん倒していく。
俺たちは、5Fをしばらく歩いたが、さほど苦戦することもなく、進めた。
そして、ボス部屋の前に来る。
「ここまで特に問題がなかったところを見るとボス部屋も大丈夫そうだな。」
そうアスカに話をすると意外な回答が返ってきた。
「いや、今は確実に金を貯めたい。悪いが、私は、ひとりで3Fをまわる。遅くなるから先に寝てくれ。」
どうしてもあの髪留めが欲しいらしい。
俺たちは、別れて行動することになった。
俺は、5Fを1人でまわることにした。
明日で武器を注文して2週間になる日の朝、アスカにたたき起こされた。
「セフィー、ダリルに向かうぞ。」
「おはよう。アスカ、そんなに急がなくてもいいだろう。」
「いや、売り切れてしまうかもしれない。早く行くぞ。」
俺たちは、朝一番の馬車にぎりぎりで飛び乗った。
夕方前には、ダリルに到着する。
アスカは、さっそく道具屋へ急ごうと言う。
俺たちは、食事もしていない。
仕方がないので、道具屋へ向かった。
「いらっしゃいませ。なにかお探しですか。」
店員が声をかけてくる。
「能力強化の髪留めが欲しい。」
店員が、案内してくれた。
どうやら髪留めは、売り切れては、いないようだ。
アスカは、どの髪留めにするか一生懸命見ている。
「どれがいいかな。」
― どれでもいいとは言えない。
「アスカの髪の色に合ったものがいいんじゃないか。」
当たり障りのないことを言う。
アスカは、赤髪である。
「これなんかどうでしょう。」
店員が、オレンジ色で三角の髪留めを勧める。
波線模様で、宝石がちりばめられている。
「いいんじゃないか。」
また、適当なことを行ってしまった。
アスカは、それに決めたようだ。
能力値10%アップは、俺も欲しい。
俺は、アスカとおそろいの黒い髪留めを見ていた。
― 俺は、黒髪だから、これなら目立たないだろうか。
髪に合わせているとアスカに見つかってしまった。
「セフィーも買ったらどうだ。 能力値10%アップは大きいぞ。」
― もっともだ。デザインなんか気にしていられない。
俺も衝動買いしてしまった。
アスカは、思いのほか似合っていた。
自分はというと、やはり宝石が目立つ。
俺は、通りがかりの雑貨屋でヘットバンドを買うことにした。
食事を済ませ、いよいよ、本題の鍛冶屋へ向かう。
「こんにちは。ボンブールさん。」
「おう、来たか。もう出来上がっているぞ。」
そう言うとそれぞれに注文品を渡してくれた。
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