31.【閑話】 ユージン視線3
俺は、アリスとレイナとともにセフィーのところに金を借りに行くことにした。
ギルドで待っていれば現れるだろう。
ギルドに行くとセフィーたちが食堂にいる。
俺は駆け出し、こう言った。
「セフィー、金を貸してくれ。」
セフィーには、かたくなに断られた。
ただ、お金を作る方法と俺たちのパーティの何が足りないかを的確に教えてくれた。
- 何も考えずにセフィーを追放した俺が悪かったのだ。
アリスとレイナは泣いていた。
俺も涙が出そうだったが、くい止めた。
俺たちは、ギルドから出て行った。
翌日、俺の自慢の大剣を売る決心をする。
20万ギルで売れた。
売った金で、中古の盾と剣、鎧を買った。
残りのお金とレイナたちに出してもらったお金で、教会に治療費を支払い、ハイドは退院した。
俺たちは、セフィーにお礼を言うため、ハイドを連れてギルドに向かった。
セフィーは冷たかったが、礼だけは言っておきたかった。
あとは、ラグラスを迎えに行くことだ。
残金が少なくなった俺たちは、しばらくオークとワーウルフを狩って、金を稼ぐことにした。
宿も引き払い、俺とハイドは、ギルドの前で野宿した。
2週間ほどで金がたまってきたので、ラグラスを迎えに行くことにした。
乗合馬車でニールに向かう。
ニールの教会には、アリスとレイナで行ってもらうことにした。
俺とハイドは、同罪だからだ。
交渉は、すんなりいき、修道院にラグラスを迎えに行った。
「おお、ユージン助かったよ。ここの生活は最低だった。」
ラグラスが、俺たちに話しかける。
俺は、ことの経緯を説明しセフィーの助言できたことも伝えた。
スーズリーの町に戻るとギルドに向かった。
セフィーが食堂で女性と話をしている。
そこに俺とラグラスがお礼を言いに行った。
セフィーは、そっけなかったが礼だけは言えた。
俺たちは、パーティ名を「三日月の盾」として、活動を開始した。
パーティ名は、セフィーへの感謝とタンクの重要性を再認識したためだ。
前衛、できればタンクを1名補充したかったが、なかなか見つからない。
そんなところにレイナが元メンバーから聞いたと話を持ってきた。
「セフィーが、5人もそろっているなら、新人でも誘って育てればいいと言っていたそうよ。」
「そうか、その手があったか。」
翌日から俺たちは、タンク志望の新人を探した。
何人か候補のいた中で戦士の男の子に目が行った。
「君は、本当にタンクを目指しているのか。」
「はい。魔法が使えない戦士ですので。」
「戦士でもアタッカーをやっている人もいる。それでもタンクを志望するのか。」
「はい。」
「転職もせずに。」
「先のことは、今はわかりませんが、そのつもりです。」
「よし分かった。一緒にダンジョンにもぐってみよう。」
一緒にダンジョンにもぐって、全員の賛成で、この男の子をメンバーに加えた。
「三日月の盾の盾は君のことだ。」
そう伝えた。
「セフィーたちのパーティが、ダンジョンを攻略したらしいわ。」
レイナがあたらしい情報を持ってきた。
「もうすぐ、スーズリーの町をはなれるらしいわ。」
「そうか、みんなで見送りに行こう。」
当日、パーティメンバー全員で見送りに行った。
「セフィー、いろいろありがとう。元気でな。」
あっけない返事が返ってくると思ったが、違っていた。
「ああ。お前たちも頑張れよ。」
俺たちは、ここぞとばかりに、以前のことを謝り、いろいろアドバイスしてくれたお礼を言った。
勝手なようだが、わだかまりが消える思いだった。
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