30.【閑話】 ユージン視線2
俺とハイドは、レイナたちのいるスーズリーの町に行くことにした。
スーズリーに着くと、アリスとレイナに連絡を取り、セフィーがこの町にいることをきいた。
俺たちは、とりあえず、新しいギルドカードを作ることにした。
以前のカードは没収されていたからだ。
ところが、受付カウンターでは、俺たちがニールのギルドで追放されたことを知っており、なかなかカードを発行してくれなかった。
ギルドカードがないのは、死活問題だ。あれやこれやと理由をつけ、何とかギルドカードを発行してもらった。
ギルドカードを発行してもらった俺は、アリスとレイナを町の食堂に誘った。
「アリス、レイナ、また一緒にパーティを組もう。」
そう誘うとレイナが答えた。
「私たちは、すでにパーティに属しているの。」
「パーティに空きはないのか。」
「メンバーは5人だから、あと1名あるわ。」
「誰か1人追放できないか。あと1人味方につければ大丈夫だろう。」
「そういうわけにはいかないわ。せっかく入れてもらったんだもの。」
「頼むよ。一緒にやってきた仲間じゃないか。アーロンのことは謝る。また、一緒にやろう。」
「うーん。」
「3人はどんなメンバーだ。」
「魔剣士と聖騎士、魔術師の3人よ。全員女性よ。」
「じゃあ、魔剣士か聖騎士を追放しよう。そうすれば前衛3人と後衛3人だ。」
「追放するならリーダの魔術師ね。彼女は絶対反対するもん。」
「そうか、じゃあ魔術師にしよう。頼むよ。」
レイナたちは、しぶしぶ承知してくれた。
レイナたちが、追放劇を行うまで20日ほどかかった。
かなり迷っていたようだ。
ところが、追放は失敗したらしい。
逆に2人は、追放されてしまった。
でも、俺たち4人でパーティを結成できた。
あとは、ヒーラーが欲しいところだ。
セフィーは、元レイナたちのいたパーティに入ったようだ。
― 不遇職を入れるなんて、バカな奴らだ。
翌日、4人でダンジョンにもぐった。
久しぶりのダンジョンだ。
1Fから3Fまでのボスを順調に攻略し、4Fのオーガに挑むところまで来た。
このメンバーなら、オーガくらいは余裕だろう。
いきなり、6匹のオーガが現れた。
俺とアリスが、前衛のオーガに対峙し、後衛のオーガをハイドとレイナがファイヤーストームで焼いて倒す。
俺とアスカが1匹ずつオーガを倒した。
そのすきに1匹のオーガが、前衛を通り抜け、ハイドに襲い掛かった。
俺とアリスが、振り返り、オーガを倒したが、ハイドは大けがをしてしまった。
俺たちは、ポーションを飲ませ、傷口にも浴びせるが、出血が止まらない。
俺たちのメンバーには、ヒーラーがいない。
- しまった。ヒーラーを確保してから潜るべきだったか。
とにかく俺たちは、急いで引き返した。
ハイドの出血は止まらない。
何とか地上に出ると俺たちは叫んだ。
「誰か、ヒールをかけてください。メンバーが瀕死なんです。」
すると1人の女性聖騎士が、ハイヒールを唱えてくれた。
事情を説明するとこういわれた。
「すぐに教会へ連れて行きなさい。」
俺たちは、急いでハイドを教会に連れて行った。
ハイドは、重傷だった。あそこでハイヒールをかけてもらえていなかったら、大変なことになっていただろう。
レイナから、ハイヒールをかけてくれた女性聖騎士は、元メンバーだと聞いた。
2・3日でハイドの容態は落ち着いてきた。
もうすぐ、退院できるという。
教会で、治療費が40万ギルかかると聞いた。
俺たちは、しばらくダンジョンにもぐっていなかったので、金がなかった。
アリスやレイナの金を足しても30万ギルほどだ。
金が払えないと、教会に追放される。
おれは、苦渋の選択をせまられ、セフィーに金を借りに行くことにした。
果たして貸してくれるだろうか。
いや、すがりついてでも借りなければいけない。
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