21.デート
昼になって、ソニアがやってきた。
ワンピースを着ている。
模擬戦などやる気がないようだ。
確かにいつもと違った雰囲気でかわいい。
俺は、自分にクリーンの魔法をかけた。
「セフィーお待たせ。」
「ああ、食事に行こうか。」
ギルド併設の食堂に向かおうとするとここではだめだと言う。
「俺は、ここか、いつもの軽食屋ぐらいしか知らないんだ。」
「じゃあ、私がおいしいところ教えてあげる。」
俺は、高級そうなレストランに連れてこられた。
ランチをたのむ。
ソニアは、昼だというのにワインを飲もうという。
俺は、どちらかというとエールの方がよかったが、ソニアにまかせた。
「ねぇ、セフィ-は欲しいものとかないの。あまり、お金を使ってないみたいだけど。」
「新しい剣が欲しいんだ。それでお金をためている。」
「あら、まだ新しそうなのに。」
「ミスリル製の武器が欲しいんだ。」
「それはなかなか買えないわね。」
「ソニアは、何か欲しいものがあるのか。」
「彼氏が欲しいの。」
「それは、本当に買えないものだな。」
ソニアは変な顔をしていた。
食事を終えると、お金を払って、店を出た。
もちろん割り勘である。
買い物をしようと言われた。
俺の好きなところでいいという。
そういえば、ポーションや保存食を補充していない。
俺は、いつもの雑貨屋で、ポーションや保存食を補充した。
「いつもここ使っているの。」
「ああ、頻繁に来るのは雑貨屋ぐらいだな。」
「確かに安いわね。」
「そうか。安いのか。」
「そんなことも調べないで買っていたの。」
「雑貨屋は、どこも同じかと思っていた。」
「あきれた。意外に抜けているところがあるのね。」
「確かに武器屋は、店によって価格が違っていたなぁ。」
次に道具屋へ行った。
何か掘り出し物があるかもしれない。
「ここも何度も来ているの。」
「うん、前に一度生活魔法の巻物を買った。なにかいいものがあるかもしれない。」
「そう。」
2人で魔道具などを見て回る。
魔法の巻物には、興味のあるものがなかった。
指輪が目に付いた。
毒耐性の指輪、麻痺耐性の指輪、クリティカル耐性の指輪、回復の指輪がある。
どれも数十万ギルから100万ギルぐらいはする。
俺は、クリティカル耐性の指輪に興味を持った。
店員に聞く。
「この耐性の指輪は、100%の効果があるんですか。」
「いいえ、高確率で効果のあるものです。」
「ありがとう。」
一気に興味がなくなる。
「回復の指輪は、かわいいし、タンクにもってこいね。買おうかしら。」
「ソニアは、自分でヒールできるから必要ないだろう。」
ソニアは、つまらなそうな顔をした。
ほかに魔物除けの道具などがあったが、ダンジョンでは効果がないというので買うのをやめた。
ほかに行きたいところと言えば、町はずれの武器屋だ。
武器のメンテナンスも頼みたいし、爺さんにスマッシュの相談がしたい。
だが、さすがにソニアを付き合わせるのは悪いだろうからやめておいた。
「疲れたろうから、例の軽食屋で休むか。」
「うん、そうしましょう。」
いつもの軽食屋でひとしきり雑談をしていると、アスカとサブリナがやってきた。
「デートどうだった。」
「うーん。普段のセフィーの生活は大体わかったわ。でもひどいのよ。お昼は、ギルドの食堂で済まそうとするし、買い物に行くと、普段使っている雑貨屋と道具屋。挙句の果てには、彼氏が欲しいって言ったら、それは本当に買えないものだって言うのよ。それで最後に連れてこられたのがここ。」
アスカとサブリナは、腹を抱えて笑っていた。
- どうも失敗したようだ。
「それは悪かったなぁ。俺は、結構、楽しかったんだが。」
「誰も楽しくなかったなんて言っていないわ。」
ソニアが赤くなってそう言った。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
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